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Creation World  作者: 蓮華
第三章 動き出した世界 

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「お待ち下さい!」


馬車から、ドレスを着た少女とメイドが飛び出して来た。


「お待ち下さい‼お嬢様‼」


どうやら少女が飛び出し、メイドが必死に止めようとしているようだ。

少女はメイドを振り切って、俺達の前に来た。

見た目は10歳前後ってところかな。


「あなた達いい加減にして‼」


俺の頭の中に???が浮かんだ。

何言ってるのこの子?


「彼女達が、あなた達を襲った事は謝罪するは!報酬ならここにある!これで護衛を開放して下さる‼」


少女は、報酬の入った革袋を俺に突き付けた。


「ロゼ。」

「畏まりました。」


俺はロゼに取りに行かせた。

ロゼは、少女から革袋を受け取ると、俺に渡してくれた。

中身を確認してみると…ヒーフーミーヨー…金貨30枚ってところか。

俺は、それを確認すると笑ってしまった。


「アハハハ…‼良かったな隊長さん。お前の命の値段は金貨30枚程度だそうだぞ。そこらに転がってる奴隷以下だとさ。」


俺は声を出して笑った。

騎士を笑い、少女を笑い…そして、煽った。

金貨30枚入った革袋を少女に投げ返すと、俺はアイテムボックスから金貨100入った革袋を取り出し、少女に放り投げた。


「それに金貨100枚入ってる。合わせて130枚だ。それで、こいつを買ってやるよ。」


ちなみに、何故、俺が金貨を持ってるかと言うと。

最初の頃に、コンソール機能を試したのを覚えているだろうか?

実は、コンソール…使えていたんだ。


俺が入力したコマンドは金貨を出すコマンドでは無くて、所持金を増やすコマンド。

つまり、アイテムボックスに直接放り込まれていたんだ。

アイテムを整理している時に、金貨が入っている事に気づいて、ナニコレ?ってなってたんだが…

コンソールの事を思い出して、「あ!」ってなった訳だ。


俺はクツクツと笑いながら少女を見た。

少女は「っく」っと声を漏らすと、俺を睨んで叫んだ。


「そんな事出来る訳無いでしょ‼」


「ならどうするよ。」


「それは…」


少女は言い淀む…

俺はチラッとメイドを見ると、メイドは苦虫を嚙み潰した様な顔をしていた。


「ま…街に戻ったら、追加の報酬を出すは‼足りなければ、お父様にお願いして…」


少女が話しているのを、俺は手で制止させてメイドを見た。


「そこの世間知らずに説明してやれよ。」


メイドは、眉をピクッと動かすと、俺達に頭を下げ少女に話始めた。


「お嬢様、この方はエルフです。」

「見れば分かるは…」

「この方達を街に連れていく事は出来ません。」

「何故?事の成り行きを話せば大丈夫ではないの?」

「えぇ…街に入る事は可能です。」

「なら何故よ!」

「エルフは罪人です。「世界樹を焼いた罪人」として忌み嫌われております。」


そう、俺は罪人として嫌われている。

街に入ろうものなら、衛兵に捕まるだろう。

仮に捕まらなかっても、剣を突き付けたれ追い出されれば良い方だ。

ましてや、教会関係者に目を付けられれば大変な事になる。


「それぐらいは知っているはよ。」

「なら、創造して下さい。あの方達が街に入ればどうなるかを。」

「罵声…石が飛んでくるとか…」

「それだけではありません。ゴロツキや教会関係者に見つかれば襲われます。」

「それは…」

「あの方達はそれを口実に確実に暴れます。そうなればどうなるか。」

「…」

「連れて来た私達が責任を問われます。暴れなくても私達は、あの方達を庇護する事もできません。」

「見捨てろと言うの…」

「はい。家名に傷が付きますので。」

「…」


パチパチパチ、俺は拍手した。


「流石、一番最初に俺達を警戒していただけはある。」


メイドは顔を歪め、少女は「え!」って顔をしている。


「そのメイドはな、俺達に気付いていながら救援を出さなかったんだよ。分かるか?」


「…」


「こうなる事を理解していたからさ。」


メイドは顔を歪め、少女と女騎士はメイドをみていた。


「俺と護衛の騎士達が揉める。最悪、お嬢様を使って仲裁に入ればってところか。」


「…ええ。」


メイドは苦虫を嚙み潰した様に顔を歪め、返事をした。


「さて、お嬢様。交渉の再開だ。どうするよ?」

「どうするって…」

「そこの金貨で俺にこの騎士を売る、もしくは見捨てる、騎士の謝罪に何を差し出すかだ。」

「それは…」

「なら、私が行きます。」


メイドが少女の前に出て、自分が身代わりになると告げた。


「駄目だ。それを決めるのはお前じゃない。お前の雇い主だ。」


メイドは顔を歪めると、少女を説得しだした。


「良いですかお嬢様。」

「駄目よ‼」

「よく聞いて下さい。」

「嫌よ‼」


バチン‼メイドが少女の頬を叩いた。


「アンナ!あなたもよく聞きなさい。」


どうやら、この女騎士隊長はアンナという名前らしい。


「事の顛末は、あなた方護衛の浅はかさが原因です。」


「しかし…メイド長…」


あのメイド、メイド長なんだ。


「本来ならばアンナ、あなたの命をもって償い、幾何かのかの謝罪金をもって、あの方々に慈悲を請わなければなりません。」


「はい…」


「幸いにもあの方々は、お嬢様にも私にも興味がないご様子。なので、命を取られる事はないでしょう。」


なるほど…このメイド長、お嬢様やアンナって騎士隊長に話してるんじゃなく、俺に釘を刺しにきたか。


「ですからアンナ、自分の馬にお嬢様を乗せ、急いで街に、領主様の下に帰りなさい。

幸いにも、この方々が襲撃者を全滅させてくれております。

恐らくはまだ、私達が生きている事を知られていないはずです。

その隙に戻りなさい。良いですね。」


「嫌よ‼マリア…マリアはどうなるのよ!」


メイド長は首を左右に振った。

あのメイド長、マリアって名前なんだ。

未だ、嫌々する少女をメイド長のマリアはバシン!っと頬を叩いた。


「聞き分けて下さい‼これはお嬢様の仕事です。」


嫌々する少女を叱りつけるメイド長。


「これはお嬢様にしか出来ない事なんです。」


メイド長のマリアは、少女を優しく抱きしめ話し、少女の顔をじっと見つめた。


「お嬢様、どうか正しきご判断をお願いします。」


メイド長はそう言って、少女の頭を撫でて立ち上がった。


「なぁ~ロゼさんや…俺、めっちゃ悪人にされてない?」

「え?違うのですか?」

「いや…そう演じてたけどさ…」

「演技だったのですか?素だと思っておりましたが。」

「それ…酷くない?」

「ご主人様なら大丈夫ですよ。」


俺とロゼはヒソヒソと話していた。


「お嬢様、よろしいですか?」


「えぇ…もう大丈夫よ…」


メイド長の問いかけに、少女は覚悟を決めたみたいだ。


「アンナ…アンナの代わりにマリアでお願い…残った馬車とかは好きにしていいから…」


少女は泣きながらお願いしてきた。


「だが断る‼」


「何故ですか‼」


鬼畜ですね…ロゼがボソッと嘆いたが、聞かなかった事にした。


「何故も…そこのメイド長に、うまく転がされてる様で気に食わん。」


「「…」」


バシン‼ロゼに頭をしばかれた。


「ロゼ…」

「何時まで遊んでいるのですか?」

「…」

「興が覚めたならそれで良いではないですか?お金も人も要らないのですから。」

「…はい。」


ロゼに怒られ、俺は女騎士を開放した。

とはいえ、タダというのはな…


少女とメイド長は、目をパチパチさせていた。


「ロゼ」

「はい。ピィィィィー」


ロゼが指笛を吹くと、女騎士達が使っていた馬が駆け寄って来た。


「馬2匹で手打ちにしてやる。いいな。」


少女とメイド長はポカーンとしながらコクコクと首を縦に動かし肯いた。


俺達はそれを確認すると、急いで馬に乗り逃げる様に去った。





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