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Creation World  作者: 蓮華
第二章 廃棄された世界 

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ロゼ

あぁ~やってしまった。

怒りに、感情に任せて造ってしまったのだ。


彼女の顔を見ながら自分のしでかした事に後悔していた。


安易に生命を産み出してしまった事?

違う‼

安易に眷属を造ってしまった事?

違う‼


俺は怖かったのだ。

寂しくて孤独で誰にも頼れず助けを求める事さえ出来ない事に。

だから眷属を呼ぼうとした。

ゼロを呼び出そうとした。


だけど出来なかった。


そして造ってしまったのだ…

ゼロの代わりを…


俺は自分の不甲斐なさと嫌悪感に蝕まれて顔を歪めてしまった。

それを見た彼女は声を掛けてきた。


「創造主様、大丈夫ですか?」


それを聞いた瞬間、俺の中の何かが切れた。


彼女を引き寄せ強く抱きしめた。


抱きしめられた彼女は最初は驚いた様に身体をビクつかせていた。

しばらくするとそっと抱き返し、背中をポンポンと軽く叩くと、撫でながら「大丈夫ですよ。」と声をかけ、あやし始めた。


その瞬間俺は、彼女を強く抱きしめ情けなくも声を出して泣いてしまったのだ。





気が付いたら、俺は寝ていたみたいだ。

目の前には彼女の顔があり、目を瞑り優しく俺の頭を撫でていた。

俺はまた目を閉じしばらく彼女に身を委ねていた。

それに気づいた彼女は「お早う御座います。」っと声を掛け俺は「あぁ」と曖昧な返事を返してしばしこの時間を堪能した。


俺は身体を起こして彼女に手を差し出した。

彼女が差し出された手を掴むと俺は引き寄せるようにして彼女を起こし抱きしめた。


「情けない姿を見せた。すまない。後、ありがとう。」


俺は彼女の耳元で呟いて彼女を離した。


「いえ、創造主様の現状を鑑みれば当然の事です。」


彼女は身支度を整えながらそう答えた。


「どゆう事だ?」


俺は気になり彼女に聞いてみた。


「創造主様がこの地に連れてこられ、ナビー様やゼロ様達眷属に頼れない状況下の中で、ゼロ様の代わりに私を御造りになったと認識しております。」


それを聞いた瞬間俺はあぁ~と思った。

この世界は何処までも非情だった。

おそらく彼女は俺が怒りに身を任せ感情的になって造った事を知っているのだろう。

おそらく彼女を造る際の直前までの情報が彼女にフィードバックされているのだろう。

俺は黙って彼女の顔を見る事しか出来なかった。


しばしの沈黙の後、彼女は拠点を指さして「あれはどうされるのですか?」っと聞いてきた。


俺はそれを見て、また頭を抱える事になった。

自分で拠点を壊したんだった…


メニュー画面を開いて俺は彼女を呼び寄せ一緒にあ~でもない、こ~でもないと拠点のデザインを考えるのであった。

俺は気づかなかった…

此処に来て初めて笑ったことに。

そしてそれを見た彼女が、とても嬉しそうに笑ってた事に。



日が沈み始めた頃、ようやく新しい拠点…いや、家が完成した。


見た目は特に変わりは無いが、中は一新した。

まず、キッチン。

何でも作れるようにと、オーブンや竈等を各種取り揃えたシステムキッチンになっている。

次に、各種取り揃えていた作業部屋を無くし広々としたLDKとなっている。

リビングは吹き抜けになっており、壁には豪華な大きい暖炉を設置した。

外の温泉も少し広げ、周りにあった畑は無くした。

2階には大きな部屋を2つ用意した。


今までの効率重視の拠点とは違い生活感溢れる家へと変えた。


早速俺たちは、中に入って料理をしようとキッチンに向かった。


そうアレが食いたいのだ‼

男が…いやオタク共が夢見たアレを‼


そう、ドラゴンステーキだ‼


眷属を造る時に取り出した神竜の肉を見て、めっちゃ食べたくなったのだ。


さっそく料理をしようと各種材料を取り出してキッチンにならべると、「創造主様はあちらでお待ち下さい。」っと、キッチンから追い出されてしまった。


追い出された俺は渋々とリビング奥に行くと、暖炉の薪に火をくべ、近くのソファーに座り大きく背中を仰け反らせて、キッチンで料理をしている彼女を眺めてた。


人が一人いるだけで、こうも状況が変わり心境が変わるもんなんだなと考えながら料理を出来るのを待った。


しばらくすると、肉の焼ける良い匂いが漂ってきた。

食欲をそそられる良い匂いだ。

ニンニクと肉の焼ける香ばしい匂いが、俺の食欲を一層引き立てる。


出来ましたよって呼ばれ、俺はダイニングのテーブル席に座ると、そこには見事に飾り付けられた豪華な食事が一人分並べてあった。


俺は「はぁ~」と大きなため息をついた。

いや、分かっていた。

予測もしていた。


「お前は食べないのか?」


俺は彼女に聞いてみた。


「創造主様と席を一緒する事は御座いません。」


彼女は首を振りながらキッパリと断った。


まぁ~そうだろうな。

これが主従関係なんだ…

本当はこうあるべきなんだろうが…

今は寂しいな。


「今日は、お前の誕生祝いでもあるんだが、主役が居ないんじゃ意味がないだろ?」


俺は彼女を席に着かせようと振ってみたが…

彼女は遠慮がちに首を振りながら、「創造主様、それは…」と口ごもった。


俺は「はぁ~」っと大きなため息をつくと彼女に命令した。


「良いから黙って席に着き、俺と同じ料理を食べろ。これは命令だ。」


彼女は身体をビクッとさせると、綺麗に頭を下げ「かしこまりました。」っと言って食事の準備をしにいった。

その際、俺の料理を「作りなおします。」っと言って下げようとしたがやんわりと断り、自分の料理が出来たら、俺のと入れ替えようとしたので断った。

そんなやり取りをしながら、何とか彼女を席に着ける事ができた。


席についた彼女を見て、俺はアイテムボックスからワイングラス2本とワインを1本取り出した。

それを見た彼女はギョッと目を見開らいた。

俺はそのまま彼女と俺の前にグラスを並べ、ワインを無造作に注ぎ始めた。

慌てた彼女は、俺からワインを受け取ろうとしたが、俺は手で制止させた。


俺はアニメや物語なんかの世界に憧れていたみたいだ。

眷属や仲間達と楽しく一緒に食事をする風景を。


ワインを注ぎ終えた俺はグラスを持ち、彼女を見た。

それを見た彼女も恐る恐るとグラスを持ち上げた。


楽しい食事にはならないだろうな…


「先ずは謝らせてくれ。」


ワインを凝視していた彼女が俺を見た。


「浅はかな感情でお前を造りだした事、本当にすまなかった。」


それはっと、彼女が何か言いだそうとしていたが、俺は手でそれを制止し話を続けた。


「今日からお前も眷属の一員だ。ゼロの代わりと言うわけでは無いが、お前にロゼと名付ける。」


彼女は黙って俺の話を聞いていた。


「お前には、ゼロと対になる存在になって欲しいのだ。」


「それはどうゆう意味でしょうか?」


「此処はミソロジーじゃい。ミソロジーは俺とゼロ達で創り上げた世界だ。」


そう、此処はミソロジーではない。

いい加減俺も腹をくくらないといけなかった。


「此処には俺とロゼの2人だけだ。」


「故に、此処から俺達は始まる。新たな門出だ。」


俺はロゼの顔を真剣に見つめながら話した。


「ロゼ、俺を支えてくれないか?」


ロゼは、ワイングラスを置くと立ち上がり、椅子を戻して一歩後ろに下がってお辞儀をした。


「ご拝命受けたまわりました。精神瀬瑛お仕えさせていただきます。」


ロゼはそう言って深々と頭を下げた。


俺は「宜しく頼む」っと言って、ロゼを席に着かせた。


「では、堅苦のは無しにして食事を楽しもう。」


俺はそう言ってグラスを掲げ、ロゼも「はい。」と返事をしグラスを掲げた。


「俺達の新たな門出に乾杯。」


「乾杯。」


俺達はグラスを傾け、食事を始めた。


チン


フォークがお皿に当たる音がした。

それはロゼも同じだったらしく、お互いに顔を見つめていた。


そう、お互いのお皿の上に料理が無かったのだ。

お互いに首を傾けていると、ロゼが慌てて「新しいのを直ぐに準備いたします」っと言ってキッチンに消えていった。


改めて準備された料理を2人そろって「いただきます」っと言って食事を始めた。


チン


またしてもフォークがお皿に当たる音がした。

それはロゼも同じだったらしく、お互いに顔を見つめていた。

ただ先ほどとは違い、お腹が少し満たされていた。

それはロゼも同じだったらしく、視線がお腹にいっていた。


聞いた事があった。

美味しい食事をすると、食べてる記憶が無いのだと。

食べてる時は必死になっており、食べ終わってから気づくのだと。


もう一度ロゼに料理を頼み、お互いに席に着くと、ロゼを待たせて先に俺が食事をした。


チン


フォークが当たる音がして、俺は顔を上げた。

するとロゼは目を見開いてこちらを凝視していた。


「そんなに酷かったか?」


「いえ、酷くは無かったのですが、何度か止めようと声を掛けたのですが、どうやら聞こえていないご様子だったので。」


どうやら、かなり必死になって食べてたようだ。


俺はロゼに食事をするよう勧めた。


「創造主様がご食事をされた後に食べるのは「良いから食べろ。」」


ロゼが食事を拒否しようと断りを入れて来た所を、俺は被せて拒否をした。

ロゼは渋々ながらも「はい」と返事をし、食事を始めた。


あぁ~これはダメだ。

ロゼが拒否したがる訳だ。


料理に口を付けたロゼは、そこから止まることなく必死に料理を食べている。

表情は真剣そのもので、こちらの事や周りが全然見えていない。

俺はその姿を微笑ましく見ていた。


チン


フォークの当たる音と共にロゼの意識も我に返ったのだろう。

俺が微笑ましく見ているのを見ると、顔を真っ赤にして横に背けた。


気づいたら俺は声を出して笑っていた。


「あぁ~すまない。ロゼを笑った訳では無い。許せ。」


ロゼは顔を真っ赤にしながら下を向き「はい」と返事をした。


「この料理は美味すぎる。今の俺達には早過ぎたのかもしれないな。」


俺はそう言って笑いだした。

ロゼも「そうですね。」と言ってクスクスと笑い出した。


お互いに一頻り笑いあった後、ロゼが唐突に聞いてきた。


「創造主様、これから創造主様の事を何とお呼びすれば宜しいでしょうか?」


「好きに呼べばよい。今までどおり創造主でも何でも良い。」


呼び方は眷属達の好きに呼ばせていた。

創造主様・ご主人様・主様やお父様や父上と呼ぶやつも居たな。

ま~父と呼ぶのは男だったな。


「では、他の方達と同じくご主人様とお呼びしても?」


「かまわない。」


「では、改めましてご主人様。今後とも宜しくお願い申し上げます。」


ロゼはそう言って両手を前で組んで深々とお辞儀をした。


俺はロゼに近づき、頭に手を置いて「こちらこそ頼む」っと返事をした。



そんなやり取りを終えた後、ロゼは料理の片付けに向かい、俺は温泉に入った。


俺は一人、温泉に浸かりながら月を眺めていた。


俺の知らない世界。

一人では何も出来なかった。


俺は月に手を伸ばした。


だが今は違う。

ロゼがいる。

きっかけは最悪だったが、上手くやっていけるはず。


俺は月に伸ばした手を握りしめた。


しばらくすると、片付けを終えたロゼが「お背中を御流しします」っと入って来た。


俺は視線だけを動かしてロゼを視た。


白く長い髪。

艶やかで透き通る様な白い肌。

豊満な胸。

引き締まった腰。

肉付きの良い下半身。

正に理想の女性だった。


月明かりに照らされた艶やかな肌は美しく、無機質なテクスチャーとは段違いだ。

此処にはリアリティーがある。

Creation Worldの様な仮想現実世界とは違う。

俺は何度もその事に打ちのめされてきた。

現実と非現実の違いに。

だから、俺は思う。

これで良かったのか?っと。


俺はそんな事を考えながら、ロゼの前で腰を落とした。


ロゼは何も言わずに俺の頭に丁寧にお湯をかけ、頭を洗い始めてくれた。

静寂な雰囲気の中、俺の心臓だけがバクバクとしていた。


いや、自分の理想の女性が目の前にいるんだぞ!

それも裸で!

理性が‼‼


頭を洗い終えたロゼは、「お背中を御流ししますね。」っと言って抱き着いてきた。


ロゼによる全身洗い…

俺の理性が切れた。


俺は振り向くと、ロゼの顎を掴み唇を奪った。

そしてそのまま俺達はレッツパーリー!を始めるのであった。




ロゼ

挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


ロゼの画像


AIイラストで生成しています。


衣服が違ったり、顔の形が違ったりします。


こんな感じのキャラクターだと認識して貰えればうれしいです。

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https://twitter.com/Dx8cHRpuIBKk7SW
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