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クララとパンダとアンジェリカ  作者: 間取良可
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 キャンプの中にある小さなテント、中にはテーブルが一つ。

 このテントの役割は結界を維持する結界石を置いておくことだけなのでテントの内装に魔法はかけられていない。

 エルジャイブが結界石の動作確認をして、それきりこのテントには誰も入らないように言われてそれっきりだ。


 祭壇は、祭壇と言っても飾られることも無く、魔法で水を固めた舞台があるだけ。ここで『嵐舞』の踊り手は精霊と踊る。集まって力を付けて嵐になってしまった風、水、雷火の精霊たちの気の済むまで踊り手の精霊士は踊るのだ。

 キャンプと祭壇の間にはキャンプから結界が伸び絨毯が敷かれる。水の上で踊るので滑らせて足を挫かないように裸足に滑り止めの魔法をかけて踊る精霊士の為の道だ。


 楽団は体の透けた銀霊たち。霊の中でも品行方正、生前から心の良き者たち。

 死しても楽器を弾きたくて奏でたくてたまらないある意味でのマニア。

 指揮者の銀霊もタクトを持ってそわそわしている。


 キャンプではマディが踊り手としての華やかな衣装に着替えていた。

 それを見たクララが「マディさん素敵です!」、と声をあげる。クララにはマディの年齢はわからないが、「なんだか若いおばあちゃんだ」、と思わせる何かがあった。

 祭の日を思い起こさせる格好に、曇天とは正反対にクララの心はワクワクと晴れていく。

 マディは魔法の込められた扇を手にニコニコとしている。テントの中では次の踊り手のアンジェリカも着替えていたが、マディの衣装に比べて地味だったと再び暗い気持ちになっていた。


 雑用係たちはキャンプの設営で一先ずの仕事が終わった。焚火を焚いて当たったり、雑用係用休憩テントで休んだりしている。

 ちなみにクララしか雑用係の女がいないので、彼女は精霊士のテントで休む。エルジャイブは反対に雑用係のテントだ。

 メルクは物資の中から食材を取り出していた。雑用係に『嵐舞』の始まりは関係ない。そろそろ何か作らないと昼食にしても遅すぎる。他の雑用係たちはテント内にあった高級な菓子を食べて幸福感に包まれながら休んでいるが、メルクはもう少し食事らしいものが食べたくなったのだ。


 準備は終わった。雨も降ってきている。

 しゃらしゃら、と金具が小さな音を立てる衣装を着たマディが祭壇に向かい、銀霊楽団の元にいるリンデが魔力を銀霊たちに放出する。

 エルジャイブはメルクが焼いていたソーセージとパンを貰いホットドッグにして食べながら祭壇へ上がるマディを見ていた。


 ばっ、とマディの扇が広がると共に、楽団は奏で始める!

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