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『「ラディ」くんと「マディ」婆ちゃん名前似過ぎじゃないかな問題』に気付いたのでラディくんの方を改名する事にしました。
ご迷惑をおかけします。
結界は三箇所に張る。祭壇には雨も風も通す結界、これは単なる獣避けと強風で飛んでくる枝避けだ。
キャンプには雨風避けに獣避け、ここまで強い結界なら飛来物も避けられる。
楽団にもキャンプと同じものを。
避雷針を祭壇から離れた場所に設置し、試しに雷の魔術で動作確認もしたリンデは楽団予定地に行き、魔法陣を作りながら名簿を確認していた。
今回喚ぶ銀霊のリストである。
事前に霊交信で声はかけておいた。あとは作った魔法陣に魔力を流して召喚すればいい。三十人分の銀霊を。
リンデの魔力量は常人とは桁外れだ。だから魔力の塊の銀霊たちが力尽きて消滅しないように彼らに魔力を流してやる役目も負っている。
これはエルジャイブが交代要員になっているが、任せられるのは一時間程度だろう。
エルジャイブは総監督の役目と交代要員、アンジェリカはまだ見習い、今回は二日程度で済む儀式とは言え精霊士側の人員が少な過ぎる。
せめて、クララが精霊士だったら、とも思ってしまう。
魔法陣から白い光を纏った正装の霊たちが飛び出してくる。各々得意な楽器と共に楽しげに。
「ああ、リンデ!お久しぶり!今回は呼んでくれてありがとう!」
ドレス姿で木琴を背後に浮かべた半透明の女楽士がリンデに抱きつく。
「やあ、レイチェル、久しぶり。きみの演奏が聴きたくてね」
「まあ!嬉しいわ!」
「リンデ嬢、御招き頂きありがとうございます」
「ああ、久しぶりだね」
こうした夜会じみたやりとりが暫く続き、銀霊たちは今度はお互いの再会を喜ぶ。
生前は夜会やコンサートで演奏していたので「楽器が弾けるなら正装だ!」と全ての銀霊たちが気合の入った服装をしていた。
霊交信した際に参加を希望した銀霊たち(交信した全員であった)のリストを見ながらリンデは全員揃ったな、と頷く。
「キャンプに行って準備ができたと言ってくる」
「いってらっしゃい!」
「早く弾きたくて仕方ないよ」
浮かれ気分の銀霊たちを背にリンデは一度キャンプに戻る事にした。




