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詰め所の洗濯機に火の交信室から持ってきたタオルを入れて洗剤などを投入し動かすと、昨日の雑用係が畳んでおいてくれた洗濯済みタオルを洗濯籠に入れて再び四階に行くようにライトミィに言われた。
「そんなにタオル減ってなかったけど、一応追加持ってっといて。あの部屋の中では静かにね。あー、行く時に持って行っとけばよかったわ」
「はい!」
一階廊下を歩いて二階への階段へ、二階廊下を歩いて三階への廊下へ。三階の……廊下をうろうろして四階への階段を見つけた。四階へ上がり、壁を見るとぶどう色の模様は無い。緑色だけだ。
ここは……どこだろう……。
落ち着いて、落ち着くのよクララ、さっきミィさんについて歩いたばかりの場所だもの、きっと火の交信室も近い筈。
こっちだったような、あっちだったような、そもそも上がってきた階段が違ったような、タオルの入った洗濯籠を持って精霊殿四階をうろうろとしていて解ったことがある。
「……迷った!」
どうしよう、一度三階に降りて、二階へ降りる階段を探そうか……そもそもなんでこの建物は階段が一箇所に固まってないのだろう……二階まで降りれば大体の道はわかるのに…。
一度洗濯籠を床に置いて手を腰に溜め息を吐いたところで、
「どうしたんだい?」
声をかけられた。
クララが勢いよく振り返ると、男……に一瞬見えたが、よく見たら背の高い女がいた。ローブを着ていて、顔の半分を布面積の多い眼帯のようなもので覆っている。精霊士だろう。
「あの、私、迷ってしまって……あ、はじめまして」
「これは丁寧に、はじめまして。私は精霊士のリンデ。何処に行きたいのかな?タオルを持ってるから火の交信室?」
「クララ・メイです!そうなんです、火の交信室を探してたら迷ってしまって!」
「うん、それなら案内してあげるよ。こちらへどうぞ」
リンデはクララが隣に来るのを待ってから歩き出した。
「クララは新人さんかな?いつ頃ここに来たんだい?」
「大体半月くらいです!」
「仕事には慣れた?」
「慣れたかどうかはわかりませんが、楽しいです!」
「それはなにより」
二人で曲がり角を曲がる。クララは「こんなに違う道を歩いていたのか、と驚いたが曲がり角の先にいた人物にさらに驚いた。
大柄で、筋肉質で、ちょっと粗野な印象の男……クララを谷の都に送り込んだエルジャイブがそこいた。




