22歳 杉田一門の憂鬱
「しっかりしろっ!」
師匠の家に着くなり怒鳴り声が聞こえてきた
・・・今日の一門の研究会は荒れそうだ(汗)
玄関を通り抜けて1階の和室前の廊下にたどり着いたら渋滞していた
誰も怒っている師匠の相手をしたくないということだ
・・・オレだってしたくない
「今日はなんだ?」
判っているけど一応聞いてみた
「アレに奨励会の奴が負けたんだ」
実に予想通りの答えが返ってきた
アレというのは三矢二段だ
女のくせに結構強くて1級で入会したと思ったら順調に勝ち進みもう二段になっている
そのうち三段リーグに入るだろうともっぱらの噂だ
でも自分の弟子が女に負けたくらいでここまで怒るのか?と思ったら
「昨日上京した時に土屋六段に「女に負けるとは情けない」と嫌味を言われたそうだ」
と兄弟子が教えてくれた
杉田八段と土森六段は犬猿の仲だものな
おまけに土森六段は性格が悪い
常に嫌味を言わないと死んでしまうのか?、というくらい口が悪い
特に杉田八段相手だとブレーキの壊れたトラック並みになる
そりゃ荒れるわな
将棋界というのはもともと男社会だ
昨今では女も奨励会に挑戦することが多くなってきたがそれはほんの一部の例外だ
だから女の奨励会員に負けると周りからバカにされる
「女に負けやがて」
というやつだ
確かに先日、杉田八段が奨励会に入会するために弟子にした奴が負けていた
だが場所は関西将棋会館だぞ?
土森六段の所属する関東将棋会館とは別どころか、距離が離れている
一体どうやってこんなに早く知ったんだ?と言いたい
おまけに上京した杉田八段を捕まえて嫌味を言うなんてなんて暇人!、とも言いたい
・・・嫌味を言うくらいならその分将棋の勉強をしろと言いたい
土森六段は弟子からの恩返し(公式戦での負け)がかなりの回数になっているはず
まあ将棋の勉強をせずに弟子をとったり、出版したり、テレビに出たりしていればそりゃ弟子にだって負けるってものだけどな
本当に何やっているんだよ、と言いたい
おかげで今日の一門の勉強会は荒れそうだ(涙)




