16歳 香、ヒロインになる(笑)
「どうかした?」
そう尋ねられました
横を見ると蜂屋君が居ました
びっくりして返事ができない私
私の返事を待つ蜂屋君
思わず見つめ合ってしまいました
私からの返事がないからか、蜂屋君は私と虐めっ子を交互に見ました
そして私に囁いてきました
「ひょっとして虐めっ子?」
・・・なんで見ただけで状況を把握できるのでしょうか?
さすが入試トップ
頭の出来が普通の私とは違いますね
コクンと頷くと蜂屋君は私の前に立ちました
虐めっ子との間に入って私を守ってくれるようです
広い背中で虐めっ子が見えません
なんかいいですね
お姫さまになった気分です
あれですね
物語でお姫様が守ってくれた騎士に惚れるというやつです
つり橋効果?
チョロインなのは判りますけど守って貰ったというのは厳然たる事実です
惚れてしまったとしても仕方がないと思います
「いきなり言い掛かりをつけてきたんです」
蜂屋君が駅員さんと話していました
広い背中越しに声が聞こえてきます
というか声しか聞こえてきません
「違うわよ!挨拶しただけでしょ!」
虐めっ子が叫んでいるようです
「中学時代のイジメやっていた奴らしいです」
「そんなのが話しかけてきたって絶対に謝ろうってやつではないですよね」
「というかもうすでに『挨拶』とか言って誤魔化してますけど」
「ところでこのまま無罪放免にします?後で問題になったら責任とって貰えますよね?」
虐めっ子が再びイジメをする所を取り押さえられたということで話が進んでいます
・・・被害者の私をとり残して
この後、虐めっ子と蜂屋君と私は駅長室に連れていかれて事情聴取されました
そして両方の学校に連絡が行きました
虐めっ子は最後まで「違う!」と叫んでいましたが蜂屋君の「虐めっ子は皆そう言う」で押し切りました
そりゃそうです
頭が悪そうな女子高生がギャンギャン怒鳴っています
頭がよさそうな男子高校生が冷静に論場していきます
教師や駅員の好感度はどちらが高いか明白ですよね
結局、私は何もすることなく『ざまあ』がなされました
好感度がマックスになったんですけどどうやってお礼をすればいいんでしょうか?




