35歳 王将戦
「ママ~、行ってきま~す!」
ブンブン手を振っている我が娘
パパと一緒に遊園地に行くことになっている
一方私はこれから王将戦
・・・女流棋士辞めてやる、と思ったのは間違っていなと思います
いえね私こと蜂屋香女流4段は女流のクイーンのタイトルと王将のタイトルの二つのタイトルホルダーなんですね
女流棋士なのに王将のタイトルを持っているなんておかしいと思ってます?
でも制度上は間違いではないんですよ
普通の棋士のタイトル戦の予選にはアマチュア枠と女流棋士枠があるんです
そこから勝ち続ける事ができればタイトルを獲れます
今まで誰もとれませんでしたけどね
私以外
そう私以外、です
女流棋士なのに王将のタイトルホルダー
史上初の快挙に将棋界が盛り上がりました
某天才棋士様が7冠獲った時以来の盛り上がりだそうです
将棋連盟の会長様がそんな好機を逃す訳がありません
名人というのは将棋以外でも最善手を指すと言う訳ですね
私は一度辞めるつもりでした
イジメが激しかったからです
でもなんだかんだで女流棋士を続けることになりました
いえ名人に脅されたんですけどね
どんだけ迷惑をかけたかを延々と言われました
恨みを込めて
・・・いやまさかアレで名人に迷惑かけるとか思ってませんでした
ついでに防波堤にもなってくれていたとか
てっきり一緒になってイジメていると思ってました
・・・ごめんなさい?
でも黙っていて今頃言ってくるなんてヒドイと思いましたね
さすが名人
指し手が凄すぎる
そういうことでした
まあ開き直って地方で開催される王将の防衛戦に夫と娘を連れてくる私も私ですけどね
旦那曰く
ストライクにフリーダム過ぎる
だって遠すぎて前乗りしなければならないんですよ
2日制なのに前後の移動日を含めると4日も拘束されます
その間娘に会えないんですよ?
連れてくるのは間違いではないです
まあ王将戦初日の夜と二日目の朝は誰とも会えないんですけどね
不正防止のため
もちろん今回も私が勝ちますよ
だって負ける要因ないんですもの
最近の私の得意な戦法は振り飛車です
まずは真ん中、つまり専門用語では5筋に飛車を動かします
その後王将も含めて全部のコマを使って相手の5筋に攻めます
相手の王将は逃げるじゃないですか
でも私は王将も使って攻めます
先手で攻めると一手損
でも王将も使うと互角
そして5筋だと相手の角は防衛に使えません
これで相手の一手損
何が言いたいかというと相手がハンデ戦
負ける訳がないです
一見するととんでもない戦法です
でもAIが見つけたんですよ
この最強手
私の将棋研究のAI担当の旦那曰く
「AIは与えるデータが重要」
だそうです
一般的にアルファ碁のようにコンピューター同士で対局させれば最善手が見つかると思われています
でもそれはウソだそうです
乱数を使って指し手を作ります
ですから最初の乱数によって学習の良し悪しが決まるとか
それなのにそんなのを全然考えていないのが昨今の風潮
ダメだろう?
と旦那が呆れていました
まあそんなダメダメな機械学習しかしていないのに気が付いていないのが今の将棋界
だから楽勝です
おかげで王将のタイトルがゲットできました
・・・近代将棋では事前の研究で勝敗が決まりますから当然ですけどチートすぎて心が痛む今日この頃




