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33歳 指導対局をしてみました

<ピンポーン>


一階のエントランスにある呼び鈴を押します




「はいどうぞ」


スピーカーから声が聞こえた後、自動ドアが開きました


ドアの先は別世界が広がっていました


さすが名古屋の成城と呼ばれる地域にある高級マンション


わが家の庶民マンションとは一味違いますね




どうも蜂屋香です


今日は出張指導対局です



池下にある高層マンション群の一つにお邪魔しています


某企業の会長を引退した方から指導対局を依頼された訳です




棋士というのはただ対局しているだけではありません


というかほとんどの棋士はなにがしらの副業をしています




将棋の解説本を書いたり


将棋教室を開いたり


TVで解説したり


イベントに出演したり


その他色々です




異色な所で少女小説を書いたという強者もいますね


初めて知った時は驚きましたね


一体どれだけ才能に恵まれたのですか!?、と




まあ私の場合は素直に指導対局です





将棋界では結構有名ですからね


同じ名古屋に住んでいるのなら呼ばなければ損


そう言う訳です


実に『お得』が好きな名古屋人っぽい理由ですね




今回の木下さんはこれで5回目でしょうか?


結構きていますね





まあ元会長ともなるとお金持ちですからね


一回数万円の指導料なんてお孫さんにおこづかいをあげるようなもの?


そう言う訳です




「お願いします」


そう言って対局が始まりました



木下さんからは『最初の一局は平手(駒落ちなし)で本気で』とのリクエストです


もちろん本気でいきます





私の戦法は十八番の居飛車の穴熊です


穴熊で相手の駒を獲得して相手の玉付近に打ち込む、という必勝パターンです




大体、チマチマと駒を進めていくと時間がかかりすぎです


だったらさっさと駒を交換し合って打った方が得なんです




元々は振り飛車の考え方なんですよね


それをパクりました


おかげで勝率が爆上がりです




そんな凄まじい猛攻の洗礼を受けてみたいと思うのが将棋愛好家らしいです





「下手したら50手くらいで投了になりますよ?」


と聞いたら


「3時間あるので問題ないです」


だそうです




自分の半分の歳の小娘相手に礼を尽くした言動でありながら、自分の欲求も満たす


さすが会社を長年護ってきた方は違いますね




と言う訳で木下さんは54手目で投了しました


これでも一応プロですからね




検討を始めて行き30手目くらいまで進んだ所で


「ここまでは過去の対局でかなりの数があります」


と教えました




居飛車なんて過去に何万局と打たれてきているのです


同一局面なんて掃いて捨てる程あります


プロはその先の未知の領域で戦って勝つのがお仕事です


ですからすべての棋譜を覚えています


・・・逆に憶えていない方が負けになります




と言う訳で勝ちたければ覚えることが必要です


そして棋譜管理はパソコンがいいですよね


そう言うと『ガーン』って顔をしました





何万局もの棋譜の入力なんてやりたくない


というかそこから検索とかどうやるの?


だそうです





そういえば私も棋譜の入力したことないですね


高校生の頃は彼氏が、大人になったら夫がやっていました


といってもどちらも同一人物なんですけどね


高校の同級生の彼氏と結婚したので




あれ?


人に言える程立派な人間ではない?

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