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【揺花草子。】(日刊版:2021年)  作者: 篠木雪平
2021年03月
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【揺花草子。】[#3339] 野望。

Bさん「昨日もお話ししたけれども、

    Twitter にアップしていたマンガがバズって書籍化とか

    商業誌で連載化とかって言う流れが少なくない。」

Aさん「あぁ・・・確かに、あるねえ。」

Cさん「一昔前には考えられなかった事よね。」

Aさん「そうだと思います。

    国民総クリエイター時代って感じですかね。」

Bさん「はは、そう言うふうにも言えるかもね。

    でもまあ、従来、漫画家さんって言うのは

    とっても間口の狭い職業だった。

    ほとんどの場合商業誌で作品を連載し、単行本を売る事で

    職業漫画家として成立していたわけだ。」

Aさん「んん。」

Cさん「もちろん今の時代もその流れは大きくは

    変わってないかも知れないけれども、昔と比べれば

    アマチュアの人が気軽に作品を発表できる場はたくさんあるわよね。

    画業を生業とするとまではいかなくとも、

    ある程度ファンがついて制作の分のコストは回収できる程度の

    収益を得られるような人は増えているんじゃないかしら。

    端的に言えばすそ野が広がっていると言うか。」

Aさん「ふむ。確かにそれはそうかも知れません。

    同人誌の市場は拡大の一途ですしね。」

Bさん「同人界隈で言えば、まあ確かにごく一部には限られるだろうけれども、

    自分の作品の売上だけで生活を営める人たちだっているわけだしね。

    商業誌で描いているわけじゃなくとも、立派にプロの漫画家さんですよ。」

Aさん「うん。」

Bさん「読者ベースで言えば商業誌で連載するほうが

    遥かに大衆にリーチしやすいけれども、

    その分雑誌のカラーであったり編集方針の影響からは逃れられない。

    『自分が描きたいものを描くのではなく読者が読みたいものを描く』

    事を求められると良く言われるよね。

    その折り合いをどうつけられるかが商業漫画家としての

    大事な資質の1つなのかも知れないよ。」

Aさん「うーん・・・そこはちょっと想像の及ばない領域ではあるけど・・・。」

Cさん「そんな中で、Twitter のような作家さんが読者層にダイレクトに

    作品を届けられると言うシステムは

    商業漫画誌と言うシステムをそれなりに揺るがしかねない

    インパクトを秘めていると思うのよね。」

Aさん「それは、そうかも知れません。」

Bさん「商業誌に所属していれば担当編集者の目が必ず通る。

    そこでボツになるものもあるはずだ。

    でも Twitter であれば自分が好きな時に好きな内容を

    どーんとアップする事ができるわけでね。」

Aさん「まあ。」

Cさん「漫画作りは作家と担当の二人三脚なんて言う価値観も

    そのうち過去のものになってしまうかも知れないわね。」

Aさん「うーん・・・どうなりますかね。」

Bさん「そうすれば、マンガの担当編集と言う仕事は相対的に縮小し、

    商業誌での執筆が漫画家としての最終目標と言う風潮も

    変化していくかも知れない。」

Aさん「んん。」


Bさん「つまりもはや

    Dr.マシリトは

    生まれ得ないと。」

Aさん「なんだその結論!!???」


 住み分けが進んでいくんじゃないですかね。

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