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【揺花草子。】(日刊版:2021年)  作者: 篠木雪平
2021年03月
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【揺花草子。】[#3335] 運動法則。

Bさん「スキージャンプって競技あるじゃないですか。」

Aさん「あぁ、うん。ウィンタースポーツ。」

Cさん「日本のお家芸なんて言われたりもするわね。」

Aさん「確かにそう言う言い方しますね。

    日本は北欧各国と並んで伝統的に強豪国の一角ですよね。」

Bさん「なにしろ世界有数の豪雪地帯を抱えてるわけだからね。

    夏のスポーツほど人々の耳目を強く集めるわけじゃないかもだけど、

    スキージャンプに限らず各種冬のスポーツで

    世界トップクラスの成績を記録する選手がいっぱいいるよね。」

Aさん「うんうん。

    フィギュアスケートとかモーグルとかカーリングとかでも

    かなり活躍してるもんね。」

Cさん「阿部さんは『冬ごもりフリースタイル』とかならオリンピック狙えそうよね。」

Aさん「そんな競技ありますかね!!

    よしんばそんな競技があったとしても強敵はたくさんいると思いますけど!!」

Bさん「猫とかね。」

Aさん「猫にも参加資格あるの!?

    もしそうだとしたらメダルは完全に猫が独占だよ!?」

Bさん「ま、そんな与太話はさておき、最初に話題に挙げたスキージャンプです。」

Aさん「んん。」

Cさん「ジャンプ競技にはノーマルヒルとかラージヒルって言う種目があるけど、

    これらはK点の距離で区別されるわ。」

Aさん「あぁ、ええ。90m とか 120m とかですよね。」

Bさん「でね、さらにもっともっと飛ぶフライングヒルなんて種目もあるの。

    これはK点は170メートル、最高飛行記録は 250m を超えるそうだよ。」

Aさん「250m!!! それはすごいね!!!」

Cさん「阿部さんの1日の歩行距離に匹敵するわね。」

Aさん「何度も言いますがぼくは週に何度かは

    おうちからはるばるここまで出張って来てますよ?」

Bさん「そんなフライングヒルはもとより、

    最も小さいノーマルヒルでも踏切位置から着地位置までの高低差は

    優に50メートルとか60メートルとかになったりするわけですよ。

    ビルで言えば20階建てとかそんぐらいのレベルですよ。」

Aさん「お・おぉ・・・!」

Cさん「そんな高さから飛び降りる命知らずの冒険野郎なのよ、

    スキージャンプの選手たちは。」

Aさん「冒険野郎ではないのでは?」

Bさん「正直、あんな生身でジャンプしてあの高さから落ちて

    なんで平気でいられるのか全く意味が分からない。」

Aさん「えっ・・・いや、まあ、それは・・・。」


Bさん「もしかしてスキージャンプの選手は

    みんな猫なのかな?」

Aさん「人間ですよ?」


 ベクトル的な。

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