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【揺花草子。】(日刊版:2021年)  作者: 篠木雪平
2021年02月
57/364

【揺花草子。】[#3318] 根は優しい。

Bさん「『おととい来やがれ』って言うじゃない。」

Aさん「あぁ。うん。

    そういう言い回しがるね。」

Cさん「『ふざけんなこの阿部クズおととい来やがれ!

     母ちゃん塩だ! 塩持って来い!

     縁起悪いったらねえやコンチクショー!

     二度と来んじゃねえよべらんめえ!』

    って感じで使うわよね。」

Aさん「すごい悪意に満ち溢れた例文ですね。

    しかも『おととい来やがれ』以降の文章のほうが長いですね。」

Bさん「あれってさ、ぼく聞くたびにちょっと釈然としない思いに囚われる。」

Aさん「んー・・・そうなの?」

Bさん「だってさ、『2日前にいらして下さい』って言われてもさ。

    『いやいやもう今日だし。』って言う感じじゃない。

    こちとら別に過ぎ去りし時を求めてるわけじゃないんだからさ。」

Aさん「過ぎ去りし時云々はまあ置いておくとして、

    だからそんぐらいお話になりませんって言う事なんじゃないの?

    そういう無理難題を吹っ掛けたくなるぐらい

    はらわた煮えくり返ると言うか。」

Cさん「なるほどね。

    私たちが毎回阿部さんに思っている事と同じってわけね。」

Aさん「ぼくそんな風に思われてたんですか!!?」

Bさん「いやー・・・やっぱりなんかピンと来ないよ。」

Aさん「そうなの?」

Bさん「ぼく的には、何か違う言い回しがもともとあって、

    それが変化して今の『おととい来やがれ』になったんじゃないかと言う

    説を唱えたい。」

Aさん「もともとの言い回しが変化した・・・?」

Cさん「『的を得る』みたいなね。」

Aさん「それは誤用でしょう。

    単に混同して覚えてる人が多いってだけでしょう。」

Bさん「でも、そんな感じで、

    もともとはある程度ちゃんと意味が通る言葉だったのに、

    時代を経るごとに言い間違いが定着してしまったパターンではないかと。」

Aさん「ふーむ・・・。

    じゃあきみは『おととい来やがれ』は

    もともとはどんな言い回しだったと考えているの?」


Bさん「もともとは

    『弟と来やがれ!』

    だったんじゃないかな。」

Aさん「ちっちゃい子が一緒なら

    優しくしてくれるのかな?」


 子供に甘い。

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