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【揺花草子。】(日刊版:2021年)  作者: 篠木雪平
2021年11月
329/364

【揺花草子。】[#3591] 高くして眠る。

Bさん「枕が変わると眠れないって言う人がいるじゃない。」

Aさん「あぁ、たまに聞くね。」

Cさん「阿部さんは路傍の木の枝を枕にして眠る生活だから

    あまり関係ないかも知れないけどね。」

Aさん「人の事を根無し草みたいな言い方をしないで欲しいんですが?」

Bさん「睡眠って言うのはとても大切だよね。

    何しろ人生のざっと 1/3 は睡眠だもんね。

    もし100歳まで生きたとしてもそのうち30年以上は寝てるってんだもん。

    正直人類時間の使い方下手すぎるって思うよ。

    収支合わなすぎだろって思うよ。」

Aさん「そう言う言い方するんじゃないよ!!

    睡眠はすごく大切だなんて言っときながら

    何でそんな結論になるんだよ!!!」

Cさん「阿部さんなんて100年生きたとしたら99年は寝てる計算だものね。」

Aさん「だとしたらこれまでの人生の覚醒期間を説明できないんですが。」

Bさん「阿部さんは今見ている世界を起きていると思っているの?

    阿部さんの肉体はコールドスリープに安置された状態で

    長い長い夢を見ているだけだとは考えないの?」

Aさん「そんな SF 染みた設定なの!!?」

Cさん「まあ夢だとしたらもう少し自分に都合の良い夢を見ても良いはずよね。

    夢の中でまでムショ暮らしなんて救いがないわよね。」

Aさん「別にムショ暮らしなんてしてませんけどね?」

Bさん「出入りの激しい暮らしだもんね。」

Aさん「そんなホールによってダブルボギー叩いたかと思えば

    バーディーとかイーグルも決めたりして

    結局イーブンパーみたいな展開を表すような言い方しないで?」

Bさん「まあとにかく枕が変わると眠れないと言う人。」

Aさん「うわ急速旋回で戻って来た。」

Bさん「実はぼくも近いものがあるかなーって。」

Aさん「えっそうなの?

    きみも枕が変わると眠れない性質なの?」

Cさん「お泊りなんて許しませんよ。」

Aさん「何言ってるんです突然!!?」

Bさん「いや、そう言うわけじゃないんだけど。」

Aさん「そう言うわけじゃない・・・。」

Bさん「さしずめぼくはさ。」

Aさん「うん?」


Bさん「日付が変わらないと眠れない性質。」

Aさん「それは単に宵っ張りだと言うだけでは?」


 でもちょいちょいお昼寝もしがち。

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