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【揺花草子。】(日刊版:2021年)  作者: 篠木雪平
2021年01月
30/364

【揺花草子。】[#3291] ワイルドで行こう!

Bさん「今日も引き続き土佐日記の話。」

Aさん「続くねえ。」

Cさん「高知県親善大使を狙っているからね。」

Aさん「高知県ムチャクチャ遠いですけども!!!

    ぶっちゃけ縁もゆかりもないですけども!!!」

Bさん「昨日は思ったほど長くない土佐日記はもう少し膨らます余地があるはずだ、

    例えばしがない役人のオッサンが帰郷の道すがらダンプにはねられて

    美少女冒険者キノちゃんに転生する異世界ものとかにしたら良かったのに、

    と言う話をしたんだったね。」

Aさん「平安時代にそんな作品があったら逆に驚くけどな。

    と言うかそもそも土佐日記は紀貫之の旅の記録だろ?」

Cさん「それがね、必ずしもそうとも言えないのよ。」

Aさん「え、どう言う事です?」

Bさん「そもそもこの土佐日記と言う作品は、実際に紀貫之が

    土佐から京に帰還する一連の出来事を

    事実に基づいて綴ったものではないんだよ。

    ある程度のフィクションが織り交ぜられているの。」

Aさん「え、そうなの? 正確な記録と言うわけではないんだ?」

Cさん「そうなのよ。

    確かに紀貫之の旅程を元ネタにはしているけれども、

    そこかしこで創作が含まれている。

    そう考えると冒頭の『男もすなる日記といふものを』のくだりも

    違った見方ができるわよね。」

Aさん「えっ・・・それは、つまり、語り部がって事です?」

Bさん「その通り。

    多くの皆さんは土佐日記と言う作品は

    紀貫之が自分の旅の過程を当時珍しかったひらがなで記述したものと

    解釈しているけれども、本当はそうではない。

    土佐から京へ旅する女性こそがこの土佐日記と言う物語の主人公なんだよ。」

Aさん「あぁー・・・その解釈は結構大胆だねえ・・・。」

Cさん「でも語り部が紀貫之その人自身ではない、と言うのは

    解釈としては決しておかしなものではないし、

    そう評価する向きもないわけではないのよ。」

Bさん「そう言う意味でも土佐日記は紀行文と言うよりは

    旅を題材とした小説だと言えるわけだ。」

Aさん「おぉ・・・。」


Bさん「ジャンルは青春だだもれ系ロードムービー。」

Aさん「ムービーではなくない?」


 誤解が多いようですね。

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