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【揺花草子。】(日刊版:2021年)  作者: 篠木雪平
2021年07月
199/364

【揺花草子。】[#3461] 浮上のきっかけが掴めない。

Bさん「『江戸の敵を長崎で討つ』って言うじゃない。」

Aさん「あぁ、うん。」

Cさん「懐かしの慣用句シリーズよ。」

Aさん「え、シリーズ復活なんです?」

Bさん「それは阿部さんの頑張り次第だよ。」

Aさん「なぜぼくの!?」

Cさん「阿部さんが良い感じに盛り上げられたら

    続けていこうかと言う判断にもなると言う事よ。」

Aさん「マジですか思いのほか責任重大ですね。」

Bさん「阿部さんなんて社内的責任を何一つ果たしてないんだから

    ここでくらいちょっとは頑張って欲しい。」

Aさん「社会的責任を果たしてないとか酷いな!!!

    ちゃんと納税とかしてるわ!!!」

Bさん「ともかく、『江戸の敵を長崎で討つ』と言う慣用句。

    過去の恥辱を別な場面で雪ぐと言う意味・・・」

Aさん「・・・えっ?」

Bさん「ではありません。」

Aさん「だよね!? それは良くある勘違いのやつだよね!?」

Cさん「そうなのよね。

    今言った、前に受けた屈辱を時や場所を置いて晴らすと言うのは

    誤用とされているわ。」

Aさん「ですよね。

    正確には以前受けた屈辱を全然関係ない相手とか筋違いの場面で

    仕返しをする事のたとえですよね。」

Bさん「その通り。

    江戸で幕府方に敗れた維新志士・浪人たちが

    敗走した先の長崎で追手をやっつけて雪辱を果たしたって言う

    ストーリーがもとになってるなどと思われがちだけども、

    実際には潜伏した長崎でむしゃくしゃして

    カステラ屋さんをぶった斬るみたいな理不尽な気晴らしを指す。」

Aさん「そんなんで斬られちゃカステラ屋さんも浮かばれないな。」

Cさん「でも上手に6等分とか8等分とかしてくれるのよ?

    1本丸ごとだとかなりお高い一品かもだけれども

    1切れだったら庶民にも手が届くお値段だわ。」

Aさん「え、浪人カステラ屋さんでバイトしてるんです?

    だったらそれはそれでいいのでは?」

Bさん「そう言う意味では、『スペインGPの敵をフランスGPで討つ』は

    誤用と言えるわけです。」

Aさん「え、メルセデスに対するレッドブルの話?

    素晴らしく大胆なピット戦略で相手を出し抜く的な?」

Cさん「直接的なライバル関係があるわけだからね。

    慣用句の本来の意味合いとは異なるわね。」

Aさん「まあ確かに。」

Bさん「ともかく、関係ない相手に憂さ晴らしして留飲を下げると言う事を指す

    『江戸の敵を長崎で討つ』です。」

Aさん「うん。」


Bさん「さしずめ

    『ピットロードでのスピンの敵を

     ターン4の走路妨害に対するチクリで討つ』

    って感じかな。」

Aさん「そう言う事言うのやめなさいよ!!!!!」


 一貫性がとても大事です。

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