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【揺花草子。】(日刊版:2021年)  作者: 篠木雪平
2021年01月
1/364

【揺花草子。】[#3262] 毎日が輝く。

Bさん「めっ☆」

Cさん「めっ☆」

Aさん「めっ☆」


Bさん「・・・はい。と言うわけでね。」

Aさん「とりあえずやっときました感・・・。」

Cさん「ちなみに阿部さんこの『めっ☆』は何の略だと思ってる?」

Aさん「えぇ・・・そりゃもちろん『あけましてお「め」でとう』の

    『めっ☆』ですよね?」

Bさん「と思うじゃん?」

Aさん「うわまた槍バカよねやん来た。」

Cさん「もうすぐ『ワールドトリガー』2期アニメスタートだからね。」

Aさん「そんなご祝儀気分の発言なんです?」

Bさん「あのね、何かにつけ視野が狭い阿部さんは知らないかも知れないが、

    今日1月1日が新しい年の始まりと言うわけではない文化圏の人々も

    世界にはそれなりにいるんだよ。」

Aさん「んん・・・おぉ・・・」

Cさん「有名なところだとイスラム社会で使われる太陰暦ベースのヒジュラ暦は

    太陽暦に対して1年当たり11日くらいずれていくから

    新年を迎える日も毎年違うのよ。」

Aさん「はぁ・・・。」

Bさん「他にも春分を新年と据える文化圏があったりするし、

    宗教や地域によっては9月だったり11月だったりもする。」

Aさん「ふむ・・・。」

Cさん「我らが祖国フランスでは新年は秋分よ。

    だから私たち的にはまだ全然新年なんかじゃないわ。」

Aさん「それアレでしょ。革命暦的なアレでしょ。」

Bさん「ともかく、そんな具合に、

    今日この日を新年と据える文化圏にない人にとっては

    『あけましておめでとう』なんて言っても

    『何言ってくれてんのこちとら全然新年じゃないんだけど。

     バカなの? 戦争か?』

    みたいな事になりかないわけですよ。」

Aさん「今日この日を新年と据える文化圏にない人ちょっと

    堪忍袋の緒切れやすすぎない?

    障子紙かなんかで出来てるのかな?」

Cさん「こちら側のどこからでも切れますって事よ。」

Aさん「そんな相手お付き合いしづらいですわ!!!」

Bさん「なので、今日の『めっ☆』は決して

    『あけましておめでとう』の『めっ☆』ではないわけ。」

Aさん「は・はぁ・・・。」

Cさん「阿部さんがアホ面で『あけましておめでとう』だと思って

    『めっ☆』って言ったのは全然的外れだったと言う事よ。」

Aさん「新年早々腹立つ事言って来ますね。

    じゃあこの『めっ☆』はどういう意味だったんですか?

    ぼくはどういう思いを胸に秘めながら

    『めっ☆』と言えば良かったって言うんですか?」


Bさん「『世界中の皆さんにとっての、

     何らかの特別な日に、

     あるいは何でもないただの日に、

     心からのお『め』でとうを。』」

Aさん「博愛的!!!!」


 ただそこにある幸せ。

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