クリスマスメモリー 第二章 第六話
とても眠い、今後も描き直すかもしれません、とてつもなく眠い、明日までには修繕されていると思います。
『さ…ね、ぼ……わ…ないさ』
途切れた記憶、それが夢を覆い尽くす、グニャグニャに歪む背景に、謎の男が立っている、顔すら歪んでわからない。
わかるのは赤い服をしている事、そしてどこかのビルの屋上だと言う事。
『で……今…のき……見…ぼ………良い…だ……思っ…よ』
『………が』
壊れたレコードのように途中途中で切れている声に映像の私が何かを言う、その声もよくわからない。
『だ…ら……僕…の…クリ…マ………プ……ゼ……』
歪む記憶で男は謎の箱を渡す、その箱には今もつけている十字架の首飾りが入っていた。
もしかしてこれは無くした記憶なのだろうか、跡形もなく消えたはずの記憶…だがなぜそんな物が今更夢に。
『姫乃…ん……わ…っ……、さ…最…の仕…だ、君……まで…ソ...で...ひとっ....だ』
男は立ち上がり、虚空を進む、そんな男に私は叫ぶ。
『この思い出、忘れません』
そう叫ぶ、その叫びだけは聞き取れた、私は忘れているのか、大事な…大事な何かを、忘れてはいけないはずの過去を
そろそろ、向かい合わないといけないのか、この古傷と過去の記憶について。
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「退院おめでとう」
「あ、ありがとうございます…彩芽さん」
今日は6月14日、朝倉襲撃から3週間が経過した、大体の手術が終わり、俺は退院した、手術が終わってもほんの少しの後遺症があるが、徐々に治っていくとのこと。
…治るのかなこのトゲ
そんな退院したての俺の元に彩芽さんから連絡が来た、相談したいことがある、図書室にきて欲しいと。
学校は今も改装工事中、だが図書室部分は全く手がつけられておらず、偽朝倉と戦ってから全く変わってなかった。
床や壁には焼けたような後、ガラスは全て割れ換気のために開ける必要がなくなり、ほぼ全ての本棚が壊され、本が雑に地面に置かれる。
災害だな、これを芸術とか言う奴がいそうで怖い。
「今日この場に呼んだのは少し手伝って欲しい事があってね」
「手伝って欲しい事?」
彩芽さんは元気そうだ、あれ以来会ってなかったから、どうなっているか心配だったけど、特に問題は無さそう。
着ている服もいつも同じゴスロリ服、恥ずかしくないのかな。
「私記憶を探して欲しいの」
「…は、はい?」
記憶を…探す?一体何を言っているんだ。
「私には6年前の記憶がないよ、だからその記憶を取り戻したい」
「あ!そう言うことか」
「逆にどう言うことだと思ってたの」
「でも、なんで今更」
「夢を見たの、歪んでよく思えださない夢だけど、はっきり覚えていことは1つ
『この思い出、忘れません』て言ったこと、忘れないと言っておきながら、私は忘れた、だからせめて記憶を取り戻したい、そう思ったの」
「でもそれって夢なんじゃないの」
「夢かもしれない、だけど…私には夢に思えなかった、過去の出来事のように感じた
それにいずれは知らないといけない真実、だったら今知りたい、いつ死ぬかわからない、それをテロリストで知ったから…」
「なるほど…別にいいですけど、どうやって思い出すんです、頭を思いっきり叩くとか」
「いや、そんな事意味ない、それに私の能力を使っても出てこないと言うことは、完全に削除されている」
「だったらどうするんだ」
「別に私は細かい話は必要ない、私が知りたいのは記憶を失う前のありとあらゆる情報
名前は親は好きだった物、なんでもいい、失う前の私を知りたいの」
「つまり情報を集めることか」
「ええ、どうせ記憶は戻らない、ならせめて過去の自分を知りたい、だから協力してほしい、私の…過去の記憶を探すのを」
過去の記憶…か、6年前の話だろ、そんな簡単に見つかるかな、まぁでもメインの体育祭まで日にちあるし。
これで彩芽さんと絆を結べれば、新たな能力が手に入る、なら…
「わかった、協力するよその記憶探し」
「ありがとう」
彩芽さんは表情1つ変えずにそう言う、だけどどこか笑っている気がする、気のせいか。
「…だけど探すって言っても、どこをどうすれば」
「1つだけ心当たりがあるとすれば、姫乃と言う名前、もしかしたら苗字かもしれない」
「それを頼りにするしかないのか、他にはないの」
「特にはない、だけど精霊王を探すよりは簡単でしょうね」
「精霊王?」
「かつてこの世界に存在した記憶を司る、精霊王と言う存在がいたそうよ、だけどとある日を栄に消滅した」
「消滅したなら仕方ない」
「だけどまだ世界のどこかで生きているかもしれない、わからないけど」
「存在しない物を探す気だったの」
精霊なんているわけ…いや否定できないな、だってこの世界鬼おか天使とかいるしな、それに昔は龍も居たそうだし。
そう思うと精霊もいそうだな。
「でもちょくちょく目撃情報が出てくるか、生きているのかもね」
「そんなあやふやなもを探すより、その姫乃について調べないとね」
「そう言うこと、これからお願いね、記憶を探すのを」
彩芽さんは手に持つ本を閉じ、右手を差し出す、俺はその手を握る。
記憶の手がかりか、どう探そうか、警察…いや流石に聞くのは、ちょっと…でも一応行ってみるか、迷惑だろうけど。




