俺は今ほぼ猫でありほぼ城戸 美穂である 第二章 第二話
第二話です、今回は病院からスタートとなります、第1話は主人公が登場しませんでしたが、今回はちゃんと登場します。
今日は2004年 5月24日 月曜日、あの日から3日が経った、つまり俺が城戸 美穂…になってから11日が経過したわけだ。
朝倉が学校に来た事で第3校舎が半壊、137名の生徒が死亡、30名が入院、精神病を患った生徒が59名も出ると言う大災害をおこした。
学校もかなり壊されて、修理が完成するまで長いそうだ、そのため学校は、夏休みと冬休みを無くす変わりに、3ヶ月間の長期休校をする事になった。
もしかしたら伸びる可能性もあるらしい。
事件から3日が経過したが…今だその実感が湧かない、あの日の感覚がまだ染み付いてる、生きているのか死んでいるのか、よくわからない感覚が…
「…やっぱりあなた厨二病を患ってない」
隣の白髪フードのアビスがリンゴの皮を剥きながら言った。
「別に患ってないからな」
「いやいやいや、気づいてないだけで患ってるからね」
「いや、どこが」
「だってね、思い出してみてよパンドラの箱を開けるときの言葉」
パンドラの箱?一体いつの話をしているんだ、あの偽朝倉戦か…確か…
「何度でもひっくり返してやるよ、開けパンドラの箱!!じゃなかったか」
よく覚えてるな俺、実はかなり頭いいのか、と言うかこのセリフのどこが厨二病だよ。
「いや、大分痛々しいでしょ、言っとくけど、K・H・Cもアップグレードもパンドラの箱も、別にアレ口に出さなくてもいいんだよ
それをわざわざ口に出して」
「いや、それは無言で使ったら文が書きにくいって言う、作者の事情であって…」
「うるさいうるさい、ここ病院だよ静かにできないの」
そう、俺が今いる場所は病院、名前は赤川大病院、そして俺は入院している、朝倉に折られた足と至る所の骨折の為に。
「他にもあるでしょ」
「多すぎて忘れた」
「ハァァ、まず耳に異常、頭に猫系統の耳の骨が見つかり、爪が異常に変形、手のひらに小さな肉球ができ
左目がネコ目になっていて、著しいまたたび依存症、語尾の変化に……」
「もういいって自分でもわかってかにゃ」
「…………」
「………」
「にゃって言った」
「気のせいだ…」
「私にそれが通用するとでも」
あの日以来、俺の猫化が進んでいる気がする、球が転がっていたら追いかけたくなってしまうし、魚がとても美味しく感じるし。
何よりとてつもなく眠い、原因はわかってる。
「100%これね、K・H・Cね」
「あれぐらいしかないだろ」
「そりゃただの人間を骨格どころか遺伝子そのものを変える能力だからね」
「え?あれって遺伝子も操作してんの」
「そうよ」
…敵に使えたら最強やん。
「酷い考えね、まあこれでわかったでしょ、K・H・Cは危険だって、連続使用や長時間にわたる使用をしたら…体は壊れる」
「これからは使わないようにするよ」
「ようにじゃなくて、使うな」
アビスは果物ナイフを突き付けながら、そう言う、危ないな刺さったらどうする、別に果物ナイフだからいいけど。
…いや果物ナイフでも危ないな。
「ムシャムシャ」
アビスは剥き終わったリンゴを食べ始める…俺じゃないんだ。
「欲しければ自分で剥きなさい」
「酷いやつだなコッチは足が骨折してるんだぞ」
「足じゃない、それに爪の手術は終わったでしょ」
「そうだけど…」
そう言えばこの手術代ってどこから出てるんだ、手術代の話なんか出てないぞ、いや出たは出たけど『大丈夫ですよ』て返されたな。
「知らないの手術代は国が出してるのよ」
「え?国が」
「一応言っとくてけどあなただけじゃないわよ、この事件で重症な怪我をした生徒のみ」
「ヘェ〜そうなんだな、そう言えば話は変わるけどさ、お前が探してた剣って見つかったのか」
「見つかったわよ、なんならあなたが持ってるじゃない」
「ヘェ〜……ん?俺が持ってる」
アビスの剣を俺が…そう言えばアビスの剣って【鏡の何か】の十刀が持っているんだったけ。
十刀が持っていた…剣、それで今は俺が持っている。
「もしかして【定めの鎖】の事か」
偽朝倉戦で入手した剣、いろんな所で使わせてもらったなぁ、偽朝倉戦では偽朝倉を倒したし
ミスターホワイトフラワー戦では……何かあったけ拘束したけど、拘束を逃れられ、中にある機械を破壊しても機械関係なしに動き始めたし…
でも、デカイ奴から逃げれたし、ドックマンも倒せたし、天使に致命傷を与える事にも成功した、本物の朝倉は……
「あなたの使い方が悪いのよ、しかしこんなに早く戻ってくるなんて、私はとてもついている」
「そ、そうか…」
旅の目的だった剣が手に入ったって事はアビスはいなくなるのか、そう考えると少し寂しいな…でもキャラクター多くて扱いきれなかったし丁度い…
「なに作者の声を代弁してるのよ、別にいなくならないわよ」
「旅の目的は達成したんだろ、だったらここにいる必要は…」
「あら?いつ探している剣が1つだけだと言ったのかしら、他の剣の情報が集まるまで、ここに居させてもらうから」
「そうか」
「嬉しそうね、私はがっかりした顔が見れると思っていたのだけど」
「なんでがっかりするんだよ、嬉しいに決まっるじゃにゃいか」
「………」
「………」
「にゃいか?」
「何も言うな」
いつになればこの語尾は治るんだろうか、まず語尾が治るって何、これもう頭がおかしくなってるよね絶対に…みんながお見舞い来る前までには治ってるといいんだけど。
「…そういえば3日経ってるけど、今だお見舞いが私とタナトスと久詩の3人しか来てないって…あなた友達いない?」
「やめろアビスその術は俺と作者に効く」
「バッチ乙」
「ぼっちじゃねぇし!!作者と違って俺にはお前がいるしぃ」
「…キモ、シンプルに気持ち悪い、帰っていい」
「ごめんて、冗談だって、冗談冗談」
トントン
そんな事を言っていると扉のドアを誰かが叩いた、時間的に看護師はありえない、だけど叩いた人はすぐに誰かわかった。
病院のドアには窓がある、その窓は外がクッキリ見えないが、小さな影が窓から見える、真琴さんだろう。
「どうぞ」
俺が声をかけるとドアが開いた、俺の予想通りだ、背伸びをしている真琴さんが入ってきた。
「久しぶりです城戸さん」
真琴さんはそうにっこり笑った。
今日は設定資料集の方を投稿する予定でしたが、能力100個目を取っておきたかったのと
第2章がスタートしたので数話は連続で投稿したいなと思い今回投稿しました。




