メモリー 第一章 第六話
第6話です、前回誤字は無いだろうと思っていましたが、普通にいっぱいありました。
今回は何度も見直したから、無い…と、思います、頼む無いでくれ。
前回のあらすじ、前回はざる蕎麦の超盛りを食べて吐きそうになった、終わり…いや本当にそんな話だぞ、疑うなら5話を見てくれ。
で、その吐きそうになって、大体2時間?いや3時間だな、3時間が経過し今俺は図書室にいる。
なぜ図書室と思った人もいると思う、簡単に言うと真琴さんに誘われたからだ、授業が終わって帰る用意をしていたら
[時間ありますか、あったら…その…一緒に図書室行きませんか]と、そんなふうに誘われて断る馬鹿はいない。
初めての暁大学でとても疲れたから、早く帰りたいとも思ったが、その帰る家がどこにあるのか知らないし
もしかしたら、これで新しい能力が手に入るかもしれないしな。
「しかし、ここの図書室も広いな」
「そうですね…結構広いですよねここ、確か2500冊ぐらいの本が置いてあるって聞いた事があります」
「そ、そんなに、田舎の図書館並みにあるぞ」
2500冊の本を管理するって、だいぶやばそうだな、図書委員とかはかなり忙しそうだ。
「そう言えば城戸さんお腹の調子はどうですか」
「え?あぁ〜うん、大丈夫だよ」
「なんか食べ過ぎで倒れたって聞きましたよ、桜島くんから、食べ過ぎには気をつけてくださいね」
「は、はい」
もうあんな思いはしたくないな、めまいがしたもん、ざる蕎麦がちょっと怖くなった。
「そう言えば、真琴さんなんで図書館に呼び出したの」
「いやその…ほら、朝話した時に何を読めばいいのか分からない、って言ってたじゃないですか」
…言ったけ、そんな事。
初めての別世界にドギマギして、朝の事がよく思い出せない。
「だから、その…城戸さんに合う本を一緒に探そうかなぁ、って思って…」
「探すって言ったって、2500冊もあるんだろそんな中からどうやって」
「その点は大丈夫ですよ、なんって言ったって、壇野 彩芽先輩がいますから」
「え〜っと…誰?」
「図書委の部長さんです、完全記憶+検索能力を持っている人で、ここの図書館の本を全て記憶した人です」
「だ、大丈夫かその能力、いつかパンクしたりしない」
「6年前にしたそうですよ」
「したんだパンク」
自分の能力で記憶が消えるのか、なんかかわいそうな人だな、記憶を覚える能力なのにいつかは記憶が消える。
なんとも皮肉がきいた話だな。
「彩芽さんはこの時間、窓際の席に…あ、いた」
真琴が指を刺した先には、本を膝の上に置き眠っている女性がいた、あれが檀野 彩芽さんか…
何というか…その、彼女はもしかして厨二病なのか、左目には眼帯、右指には包帯、右腕には黒いフィンガーレスグローブ(指先だけない手袋)
両足にも包帯、首には十字架の首飾り、髪には謎の白メッシュ…やばい、よう学校は許したなこの姿。
「あ、あれが檀野 彩芽さん」
「そうですよ、あれが彩芽先輩です、ちょっと待ってください、起こしますから」
「え、ちょ…」
真琴さんはトコトコと、彩芽さんに近づき体を揺さぶった、すると彩芽さんは目を覚ました。
「ふぁ〜あ…私を起こす人がいると思ったら真琴さんと…こちらは」
「城戸 美穂です」
「城戸 美穂…2日前にこの大学に転校してきた人ですね、記憶にあります、それで私に何のようですか」
喋り方はわりと普通なんだな、こんな姿だから…もっとこう [闇に喰われろ] とか [闇の炎に抱かれて死ね] とかそう言う感じだと思ってたけど。
違ったな、おかしいのはファッションだけで喋り方は普通なんだな。
「えっと、真琴さんから聞いたんですけど、この図書館にある本全てを記憶していると、だから…その…」
なんか目つきが悪い、と言うかすごい睨んでくるじゃんこの人、服装と相まって威圧感が凄い、蛇に睨まれた蛙って多分この事を指すんだな。
「あの彩芽先輩、城戸さんは自分に合う本を探して欲しいと思ってるんですよ」
「自分に合う本ね、普段はどんな本を読むのかしら」
「いや、あまり読まないですね」
「なるほど、あまり読まないなら、文がギッシリ詰まってる物じゃなくて、スペースが空いてる物が良さそうね
後は登場人物の名前が覚えやすくて、世界観も分かりやすい作品が良さげね」
す、凄いあまり読まない、って言っただけなのに、ここまで条件を絞るなんて。
「それと城戸さん、バッドエンド系は好きかしら」
「え?まぁ好きといえば好きですけど…」
「だったら、Aフロアの2番目の棚、下から5段目、横から6冊目にある、【24 男は悪魔の上で踊る】 が良さそうね」
「な、なるほど」
たった2つの質問で、本を探すなんて、適当に言ってるような気もするが、これで本当に俺にピッタリだったら凄いな。
「これでいい、私は寝るから…後図書館ではお静かに、じゃあ」
彩芽はそう言うと、本を膝の上に置き、目を閉じた。
「…ね、寝た」
「彩芽先輩は起きてると記憶がたまるんですよ、記憶をためないために、こういう風によく寝るんです」
「そ、そうなんだ」
「えーと確か、Aフロアの2番目の棚、下から5段目、横から6冊目の本でしたよね、いきましょう」
「う、うん」
俺は彩芽さんが指定した、場所に行き【24 男は悪魔の上で踊る】を手に取った。
その後、図書室でその本を読んだけど…まぁ普通に面白かった、次回作は出てないみたいだけど、この人の作品は色々出てるようだし今度時間があったら読もうかな。
彩芽さんにお礼を言いたかったけど、本人寝てるし下校時間になったから、今日は帰った、またいつからお礼するか。
しかし…どうしよう、家がわからない。
今回初登場の壇野 彩芽さん、気のせいか能力が17年後の誰かにそっくりなような気がしますが…
そこら辺は後々分かると思います。