ひかる死神 第1章 第29話
第29話です、今回はいつも通り書いたつもりが見直してみるとなんかコレじゃない感がすごくありました。
そのためちょくちょく直しかもしれません。
「…うぅん、寒いなまだ5月のはずだろ、それなのにこんなに寒いのか」
現時刻は20時14分、わかりやすく言うと夜の8時14分、まだ5月なのにも関わらずとても寒い。
しかしアビスのやつどんだけ遠い所に居るんだよ、来るのに時間がかかったじゃないか。
まあ別にアビスをほかっておいても良いんだろうけど…そう言うわけにもいかないか、一応同じ家に住んでいる人だしな
いつか帰ってくるだろ、みたいな飼い猫感覚だと永遠に帰ってこないかもしれないしな。
「ルートによるとこの先か…やっぱり久詩と出会った路地裏だな」
あれからすごい時間が経った…はずなんだが、それなのに1歩も動いてない、何かあったのか。
よく考えればタナトスがついてないし、それモートンが言うにはあいつ戦える回数が限られてるらしいし、もしかしたら怪我してるんじゃないか。
…でも即死予知は発動してないから死んでるわけではないだろうけど…少し心配だな。
ビュー
「…クシュン、寒いな手が震えるほどに、しかしやっぱ気持ち悪いな、女の子ぽいくしゃみが出ちゃうな
何だが虫唾が走る、早く元の体に戻りたい……なんかこのセリフ転生した魔王みたいだな」
そんな事を呟きながら三輝はルートが示す場所に行くが…そこにはアビスの姿はなかった。
だがルートはその場合を指している、それなのにも関わらずそこにはゴミ袋やゴミ箱ぐらいしかない。
「あれおかしいなもしかして壊れた、いや能力だぞ壊れるなんて事あるのか、もしかして壊れているのは俺の方なのか
そうだったら大変だな、今すぐ帰って寝ないと」
「結局ただ単に眠りたいだけでしょ」
アビスの声が路地裏に響き渡る、だが肝心のアビスの姿がどこにもない、幽霊にでもなったか。
そうだったらこの能力は死んだ人間の位置もわかる凄い能力って事になるな。
「…残念ながらそれは違うわ」
「あ、そうなんだ…と言うかどこに居るんだよお前」
「どこってここに居るけど」
声は聞こえど姿が見えない、鏡の何かみたいだな、と言うか本当にどこに居るんだ、姿が見えない、見渡す限り壁壁壁、後ゴミ。
どこに居るんだまさか壁の中。
「うなわけあるわけないでしょう、足元を見なさいよ足元を」
「足元?」
ゲコゲコ
俺の足元には緑色の小さな蛙が居た、普通の蛙別におかしな所はない、だが足元にはその蛙しかいない、以外は硬いコンクリートの地面しか見当たらないな。
あいつどこに居るんだ、足元って言ってる癖に居ないさじゃないか。
いや違うもしかして壁の中じゃなくて地面の中にいるのか、瞬間移動の能力があるからな、移動する場所を間違えて地面に食い込むとかありそうだな。
「ゲコゲコ、何を思ってるだが、ほら足元に居るでしょ」
「…まさかこの蛙がアビスか」
その蛙はぴょんぴょん飛びながら泣き始める、本当にこれがアビスこの蛙が。
「やっと気付いたゲコゲコ、これも私が持ってる能力の1つでね」
こいついくつ能力持ってんだよ、と言うか何で蛙なんだよ。
「別に理由はないけど…強いて言うなら大きさかな、で私に何かよう今蛙になってるけど忙しいのよ」
「これと言ったようは無いけど…そろそろ家に戻らないか、剣が大切なのはわかるが少しは休んだ方がいいぞ」
「休んでる暇はない、この機会を逃したらいつ手に入るかわかったもんじゃない」
「だからって1人で探さなくてもいいだろ、タナトスも居るんだし、話してくれれば俺も動くから」
「できた男なら話す前に動いて欲しいもんだけどね」
「何無理なこと言ってんだよ、この剣の話だってモートンから聞かされるまで知らなかったんだぞこっちは」
「あらそう、それは悪かったわね、でも私は剣を手に入れるまで帰る気はないから」
そう言いながらその蛙は後ろ向くと、光はじめ青色のフードを被ったアビスに姿を変える。
だがそのアビスの姿はだいぶボロボロで、腕からは血が流れてたいた、なんならフードの被る所が破れていて、ただのパーカーに成り下がっている。
普段はパーカーで隠されていた素顔がよく見える、白髪で幼い顔立ち、夜中だからか輝いてみえる。
凄い傷だ至る所傷だらけだ、モートンとどこかに行った後何があったんだ。
「酷いわね人の顔を見た感想が幼いなんて」
「別に馬鹿にしたわけじゃない、何なら褒めてるだろ」
「はいはい」
「それよりその傷はなんだ大丈夫なのか、血まで出てるけど」
「こんな物すぐに治る、それよりもういいかしら私は探さないといけないから」
アビスはそう言うと歩き始めたが、三輝はアビスの手を掴んで止めた、自分でもよくわからない、理由は傷ついているからだと思う。
「なんのつもり」
「…お前が何に関わってるのかは知らないが、その傷を見て止めたい奴はいない」
「知った口を」
「確かに知らないさ、お前がどこで生まれたとか何でそんなに能力持ってるのかとか、何が目的なのか
タナトスやモートンとはどんな関係だとか全然知らないし興味すらない」
「ならほかってくれないかしら」
「そう言う訳にもいかないだろ、せめて何でそんな傷を負ったのかぐらいは話してくれ」
「鏡の何かが持つ剣を取り返そうとしてこうなっただけよ」
鏡の何か…そうか鏡の…って
「……ちょっと待て、お前の剣はあいつらが持ってるのか」
「そうよ、あなたも見たと思うけど、あの刀を使う十刀と呼ばれてた個体よ」
あいつだな、暁大学の生徒5名を殺したあいつ、もしかしてあいつが使ってた剣の中にアビスの剣があったのか。
あいつが持ってる剣を取るって結構難しいよな、それにアビスの傷を見る限り負けたよな、返り討ちにあったよなこれ。
「これでいい?」
「いやいい訳ないだろ、あいつは正体不明の怪物、やめといた方がいい」
「そんな事わかってる、だけどこの機会を逃したら2度と手には入らない、もし鏡の世界に隠されたら探しようがない」
「だけどそんなに急がなくても」
「悪いけど剣は1つじゃないの、後3つ探さないといけない…」
だいぶ焦ってるな、握ってる手が汗でびっしりだもん、しかしここで手を離したら絶対探しに行くよな。
こいつが戦って勝てる相手なのか、いや絶対に無理だな、だって返り討ちにあってるもんこの感じ。
だったら止めたいといけないな、しかしなんと言えば止まるか。
ここはいっそラブコメみたいに止めるか…いやラブコメみたいな止め方ってなんだよ。
そう言えば鏡の何かの目的って確か…
「…なあアビス今急いで探さなくても俺と一緒にいればいずれは手に入るぞ」
「何を言ってるのそんな戯言に耳を貸す私じゃない」
「よく考えてみろ、あいつらの狙いは俺だ、なぜかわ知らんがそれは確かだ
だがら俺と一緒にいればあいつらから寄ってくる、俺を殺す間は少なくとも剣を捨てないはず」
「手に入ると言ったけどそれは勝つ前提の話よね」
「だが変に探し回って見つからないよりはマシだろ、来ない間は休めるんだし、それにいずれは勝つ」
「…なんの確証もない話ね、それにあなたの目的はなに私を止めて何がしたい」
「目的なんてないさ、あるとするなら…この体になった理由を知るそれぐらいだ
心当たりがあるんだろ、俺がこうなった理由に、この世界でそれを知ってる人物はお前ぐらいだ」
「そうだったわね、全くやりたい事が多すぎる、剣探しに鏡の何かの解明、そしてあなたの解明にetc…本当に多い
だけどそれら全ては時間が経てばいずれ解決する問題、それなのにこんな傷を負ってまで急いで解決する意味はなかった」
アビスは少し落ち着いたのか、引っ張る力が弱まった、俺はそんなアビスの手を離す。
そのアビスの手には少し赤くなっていた。
「…強く握りすぎじゃない変な後ができてる」
「悪いなまだこの体に慣れてないんだ」
「厨二病みたいで気色悪い」
「気色悪いとはなんだ気色悪いとは、俺だって少しは気にしてんだよ」
「あ〜うるさいうるさい、少しは静かにしなさい、全く」
アビスは少し笑いながら手を横に振る、その行動と連動する様にポケットの中の死神が光り始めた。
「これって…新しい能力か」
このタイミングって事はアビスとの絆が結べたって事か…あまり実感はないけど。
「しかし一体どんな能力なんだろうなアビス…って居ない」
少し目を離したらすぐどこかにいくなあいつ、でもルートを見る限りあいつは家に居るみたいだ、と言うか帰るなら帰るで置いてくなよ俺を、寂しいじゃないか。
…なんか気持ち悪いな。
ビュー
「クシュン、うぅ〜寒いな、早く帰って寝よ」
思い返してみたら今日いろんなところに行ったな、博物館にも行ったし牧場にも行った、これを機にインドア派に目覚めてみるのもありだな。
新能力
ミス フロッグ
他者の認識を蛙にする能力、解除しない限り永遠に蛙だと認識される、防犯カメラや生体認証などにも蛙と認識されるためうまく使えば負担入らない所にも入れる。
自分だけではなく他者にも使えるが、他者が蛙だと認識される時間は1日だけ。
能力の影響で蛙だと認識された人同士は互いを普通に認識できる。
ミス とついているが性別の制限はない、もちろん野生の蛙にも雌蛙として認識される。




