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陽気な本は陽気な人 第四章 第十四話

第14話です、今回は第1章に登場したあの本が出てきます、なんか随分前なんでキャラがいまいち思い出せず、若干の違和感があるかもしれませんが気にしないでください。

「…被害は……まぁ見ればわかるか」


禁書の魔術を使って別の世界に行こうとした朝倉を止めるために、朝倉と戦った…だがその戦いの中、魔術が暴走し朝倉は謎の空間に吸い込まれ消えた。


それから10分は経過したが、朝倉を吸い込んだ空間は未だに閉じておらず、堂々と崩壊した裏図書に鎮座している。


「クソ…あの野郎」


「…兄貴……なんか謎穴見つめてないで、服着たら」


「あの、人が落ち込んでる時に現実見せるのやめてもらえますか、と言うか…服がないしそれに棘が…」


「その棘どうすんの、と言うか取れるのなんで生きてるの」


「死ねるわけないだろ、元の世界に帰るまで」


しかし、朝倉の事件が片付いだ訳だし、本題に入れる、俺と同じ異世界転生者を探すと言う本題をレシートさんは違ったけど、探せば他にも居るはず。


なんとかして探さないとな


「全く…私の図書室がめちゃくちゃね」


「彩芽さん、その…大丈夫ですか、なんかきつく縛られてましたけど」


「美穂がそれを言う?それより…その子は美穂の知り合い」


「まぁ…少し説明しにくいけど、私の妹ですよ、なカンナ」


「え?まぁ…そうだねアニ…いやお姉ちゃん」


なんだろう、妹からお姉ちゃん呼びさせるのは違和感がある、と言うかお兄ちゃん呼びすらされた事ないんだけど


普通ここは姉貴じゃないのか。


まぁ…お姉ちゃんでもいいけど。


「え〜っと、お久しぶりです…その……はい」


「どうしたカンナ、なんか凄いぎこちないけど」


「それに、悪いけど人違いよ、私の記憶にあなたはいない、つまり会ったことない」


冷たく言い放つ彩芽さんに、カンナはモジモジさせ少し恥ずかしそうにする、なんかカンナの様子がおかしい。


この2人になんかあったか、彩芽さんの言う通り初対面だろうし、カンナは初対面で緊張する性格でもない、じゃあなんで…


「いや、その…十刀って言えばわかります?」


「十刀は…鏡の中にいた怪物でしょ、朝倉に囚われた後に、襲われそうになった記憶があるわ」


「実は…それ私で……」


「…何を言ってるの」


「その……すいませんでした!!」


カンナは涙目になりながら、驚くほど90度のお辞儀をした、なるほど…さっきから様子がおかしかったのはそれが原因か。


「…美穂、この子頭大丈夫?」


「いや、彩芽さんコレは本当の事で、コレ実は十刀だったんですけど、記憶を取り戻してこうなっちゃって」


「…本当?あの怪物が…コレ」


「はい」


「あらまびっくり」


なんか翼さんみたいだな、表現が古いと言うか…


「…そろそろか、ここはかなり危険だし、檀野彩芽は俺達が安全地帯まで運ぶ」


「別に…私は1人でも大丈夫ですけど、それに美穂の方が運んだ方が…」


「棘が刺さるから触りたくない」


「そこかよ!!」


「それに、さっきの暴走のせいで所々壊れかけてる、一体何回壊されれば気が済むのか」


「それはみんな思ってる、と言うかなんで警備を厳重にしないんだろうね」


「した結果がこれなんだろう、日本の警備が雑なのか、それでもテロ側が格上すぎるのか、どっちでも良いか

とにかく檀野彩芽は俺達が運ぶ、美穂はレシートに運んでもらえ」


「え!?俺っすか」


「雑用は任せる、俺にも仕事があるからな、どうせ今日暇だろ」


「そうっすけど…」


「じゃあやれ、行くぞホーネット」


「わかりました、では彩芽一緒に行きましょう」


「…は、はい」


彩芽さんは崩壊した図書室を名残惜しそうに眺めながら、久詩と一緒に図書室を出た、なんで忙しいのに彩芽さんを助けるんだろう


そんなに助けが必要でもないし、仕事があるならほったらかしでもいいと思うんだけど…


まぁいいか、別になんか企んでる、とかでもないだろうし、人の善意を怪しんじゃダメだな。


「チッ、めんどくさい仕事押し付けられたっすね、ほら早く周回に戻りたいんっすから、行きますよ」


「そうだけど、ちょっと待ってください」


「なんなんっすか、もうここには用はないっしょ…」


「少し…ちょっと気になる事があって」


「気になる事?そんなことより帰ろうよお姉ちゃん、ここの本…なんか浮いてるし喋ってて君悪いんだけど」


「…いや、朝倉が言ってただろ、『世界移動と目的世界発見の魔術を使うのに、別世界の人間が必要なんてな』って」


「それがどうしたの」


「あの魔術を使ったて事は、別世界の人間この図書室にいたって事だ、彩芽さんは違うだろうし、私とカンナは準備が整った後に来たから違う」


「じゃあなんっすか、ここに君達が求める物があるって事っすか」


「だけどあ…お姉ちゃん、今ここに人は私達しかないよ、それに謎穴に吸い込まれたのも、朝倉しかいない」


「…そう、だけど1つ思ってた事があってさ、別世界の人は…必ず人になるのかな」


「なんか、俺だけ話に入れてないんっすけど、どう言う事っすか」


「ここで喋ってる本達は…元々別の世界の人間なんじゃないのか」


「え!?」


「それって…ここの本は人間って事すか、なにそれ怖!?幽霊!幽霊屋敷じゃないっすか」


「な、陽気なナルハお前の話を聞かせてくれ」


「へいへいへ〜い、随分昔の話を言わせる気かよ〜最高だな!!」


奥の本棚から蝶のように宙を舞う本が現れた、タイトルには『陽気なナルハ』と書かれている、たしか…裏図書の本代表とか言われてた気がする。


なんで喋るんだとか聞いたけど、結局教えてくれなかったし、なんか気持ち悪かったから、すぐにその場を去ったけど、それが…別世界の人間とは


「しかしよかったな、と言うか俺のことを見てくれんじゃないのか…ドキドキしてなのに、なぁ…今からでも……」


「気持ち悪い!?お姉ちゃん何この本、気持ち悪いんだけど」


「おいおい気持ち悪いは俺からしたらご褒美だぜ、さあ!!もっとカモーン!!」


「そんなことより、話を聞かせてくれないか、別の世界から来たのかどうか」


「…わかった、わかった、だけど教えてくれたら…見てくれるよな、もうお嬢も見てくれないからこっちはムラムラしてんだよォォ!!」


「相変わらずキモいな、と言うかムラムラやめろ本だろ、ちゃんと話してくれたら見てやるから」


「よっしゃゃぁぁ!!!」

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