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禁書を狙う怪物 第4章 第7話

第7話です、今回は第3章には登場しなかったキャラクターが3名も再登場します、久々な登場で忘れた人も居るかもしれませんが、そこに関しては過去の話を見返すなどして、思い出してください。

 〜暁大学前〜


「…朝倉だと」


俺はホーネットが覗いている、双眼鏡を奪い取り、さっきまでホーネットが覗いていた方向を見ると、そこにはフードを被った朝倉が居た。


かつて暁大学を襲撃し、罪なき暁大学の生徒を数多く殺した男、そんな奴が暁大学に当たり前のような顔をしながら侵入していた。


「…なんで警備が居ない」


「防犯カメラの映像を見る限り、裏図書に集まっているかと」


「なんでだ」


「禁書の輸送をしているみたいですよ、ブラックチルドレンの件を重く見た国が、禁書の保管場所を変えようとしているみたいですよ」


「…先に言えよ、そう言うことは、だったら別の日に行ったはずなのに…」


「聞かれなかったので」


「そんな輸送日に来るって事は、朝倉は禁書が目的か、禁書を使って何をする気なんだ」


「わかりません…でどうします」


「…………」


かつて朝倉は檀野 彩芽を洗脳して仲間に引き入れようとした事がある、実際に檀野彩芽の能力は強力で唯一無二、禁書のついでに攫う可能性もある。


それに、檀野彩芽は校長の娘、もしもの人自身にも使える、朝倉に檀野彩芽が取られたら、かなり不味い。


「チッ…仕方ない、朝倉を仕留めるぞ」


「やっぱりそう言うと思いましたよ」


「どっちみち朝倉は捕まえないといけない、それに…ターゲットが誘拐されたら、元も子もない」


俺は武器入りのバッグから銃を取り出し、ポケットの中に入れ、靴を仕込み刀や弾丸などが仕込んである靴に変え、準備を調える。


相手は朝倉だ、今まで大量の人間を喰らい、無数の能力を持つ、俺以上に何でもありな存在、準備はしておかないとな。



◼︎


 〜暁大学・補習部屋前〜


殆どの生徒には無縁である補習部屋の前には、数人の生徒が集まっていた、1人は猫耳を生やすキャットな少女愛菜 結菜。


そしてもう1人には、赤い目を輝かせる桜島 裕太が居た。


そんな2人と数人は赤点補習のため来ていた、普通なら授業後に行う補習だが、学校の修繕工事のため授業そのものが出来ず、その工事がある程度終わった今


こうして、補習がおこなえるようになった、だがそれが嬉しい事なのは先生側の考えであって、生徒側からすれば、めんどくさい事この上ない。


そのため集まった生徒達はどれもめんどくさいような表情をしていた。


「…暇にゃんね裕太」


「そだね…はぁぁ、何で補習が1時って言う微妙な時間なんだ」


「にゃ〜あ、なんか担当の先生が午前が部活の顧問をしているから、とか聞いたにゃんよ、私からしたら…この時間帯が丁度いいけど」


「え?なんで、昼間は遊びたいじゃん、俺…この補習が無かったら映画見に行ってたよ」


「映画か…私も好きだけど……やっぱり朝がぐっすり寝たい」


「そっか…確かに朝はぐっすり寝たいよな、と言うか愛菜ちゃん…1つ聞いていい」


「なんにゃん」


「…そんなキャラだったけ」


「いや…違うけど、なんだろう…なんとなく?嫌だった」


「いやいや、もっとやって!!」


「…(なんかキモい)と言うかそんな裕太も、なんでここに?体育祭に優勝して、色々忙しいんじゃないの」


「いや…それでも補習はやらないとダメだろ、それにモンスター事件が起こっただろ、もしあんな事件がまた起こった時

この学校を守らないとな…」


「…なんか臭いですよ」


「酷いないきなり、シャンプーはちゃんとしてるんだけどなぁ」


「いや、そう言うのじゃなく…」


ピョコ ピョコ


そんな話をしている愛菜の耳が突然動き、誰もいない長い廊下を眺めた、その廊下には何もなく、ただの廊下が広がっていた。


「どうしたいきなり、と言うかその耳触っていい」


「セクハラですよ」


「ごめんごめん、でどうしたのいきなり」


「なんか、変な足音がした気がして」


「変な足音?」


桜島はそう言うと耳の後ろに手を置き、音を聴き取ろうとしているが、猫の遺伝子を持つ愛菜と違い、耳が良いわけではないので聞き取れるわけもなく、すぐに首を傾げた。


そんな桜島は『本当に聞こえた』みたいな表情を浮かべながら、愛菜の方を振り返ると、2人は目が合い、愛菜も首を傾げる。


「気のせいじゃないか、足音ぐらいならするだろ」


「そうなんだけど…少し聞き覚えがあると言うか……忘れるわけがないと言うか、そんな足音だったから」


「どんな足音なんだ」


「朝倉の足音?かな、だけど前とは違って、義足みたいな鉄を叩きつけるような音?」


「朝倉?そんなわけないだろ、アイツなら警察に捕まってるはず…いや、アイツなら脱獄とかしてそうだな」


「もしかして、本当に朝倉だったりする」


「……だったら、なんとかしないとな」


そう言い、桜島は椅子から立ち上がった、そんな桜島の後ろにはいつの間にか巨大な人影があっり、その人影はゆっくり口を開くと、桜島の肩に義手を乗せる。


「なんとかするって…どうするんだぁ……」


「朝倉!!」


「「「キャー!!」」


朝倉に気づいた生徒達が叫び声を上げながら、走り出した、そんな生徒を鼻で笑いながら、朝倉は銃を作り出し、頭上に引き金を引く。


パリーン!?


頭上の蛍光灯に弾丸が食い込み、明かりを落とすと、桜島の肩に顎を乗せ、耳元で囁く。


「俺の噂をしてるみたいだったんでなぁ、良い感じな所で現れてみたぜ、俺って…良心的だろぉ」


「なんでここに…」


「禁書を貰いに来た」

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