アップデート 第3章 第55話
第55話です、今回で戦闘を終わらせてもよかったんですが、そうなると多分5000文字は行くし、徹夜確定になってしまうので、分けました。
と言う事で多分次回でこの戦いは終わる…と思います…多分……流石に第1章みたいに8話以上も戦闘はしないと思います。
〜神川牧場〜
廃病院から逃走した大月 良を追い、俺は真琴さんが住む牧場に向かった。
良は世界を変える意思?だったか、真琴さんに寄生した生物を狙って、牧場に逃げ込み俺はそれを防ぎに来たはずだが……
『かかって来なよ、僕は2人?いや3人同時でもいいさ』
俺が来た時には、牧場には見覚えがある紫色の怪物が居て、久詩が殺されそうになっていた。
何があったのかは詳しいことは知らない、だけど分かることは…良が寄生生物と融合し、賭けに勝利したと言うこと。
「…今更話し合いは無理そうだな」
「当たり前だろ、目の前にいるこいつは、いつ大爆発するかわからない地雷だ、早く撤去しないとな」
「と言うか…なんで久詩がここに」
「仕事でな、それよりくるぞ」
良の手元が怪しく光ると、手元に歪な形をした槍が現れ、それを投げつける、その槍は俺から外れ近くの木に突き刺さった。
あいつ…エイムクソすぎるだろ、と思っていると、突き刺さった木が一瞬にしてブロンズ像のように変わった。
「…………」
「次はお前達だ…って事か」
『フンッ』
良が鼻で笑いながら指をパチンと鳴らすと、さっきのと同じ形状をした槍が頭上に大量に出現し、重力に従って落下した。
これ…やばいわ、1発でも当たったらまずい、全てを避けれるわけがない。
だけど、そう言う時は…逆に避けずに向かう。
「出力最大…」
『ん?』
俺は足アーマの出現を最大に上げ、良に近づき歪んだ顔面に拳を喰らわせた瞬間、良の姿が消えた。
「なに?」
『そのアーマでも僕は倒せないさ』
声が聞こえ真上を向くと、そこには良の姿があった、良は顔から無数の光線を放ち、さらに離れていた久詩に槍をぶん投げた。
俺はその光線を横に移動し交わしたが、光線の軌道が変わり、結果俺は光線に当たって地面を転がった。
「痛ってぇ」
あり得ないぐらい痛い、冗談抜きで一瞬意識が無くなったよ、だけどまだ生きてるし立てる。
「まだいけ…」
立ち上がった瞬間、良は俺の首を掴み、容赦なく地面に叩きつけ、横たわる俺の腹を思っきり蹴った。
「グァァああ!!」
『さあ、終わらせよう』
「少しは…手加減を…って」
そう訴える俺を無視して、良は指をパチンと鳴らすと、俺の真上にあの槍が現れ落下する、俺は立ち上がる時間もないと思い、転がって交わしたが
転がった先には良がおり、俺の頭を思いっきり踏んだ。
メキメキメキ
別にヘルメット被ってるから、あまり痛み自体は感じないけど、それでも圧迫感がキツい…
『ぐちゃぐちゃに…』
「くそ…行くぞホーネット」
「ですが、プロジェクト10の調整中です、そんな状態で融合したら」
「いいから早く!!」
久詩はホーネットを急がせ、能力で融合しエイトナスティーに変化を遂げる。
エイトナスティーになった久詩はチェーンソーを作り出し、そのチェーンソーを投げるが、チェーンソーは良の体を透過し、地面に刺さる。
『もし僕がこれを殺そうとしたら、君は邪魔をするんだろうね』
「当たり前だ」
『だったら邪魔される前に、殺そう』
良はそう言うと手のひらから槍を作り出し、突き刺そうとした。
ここで…やられるぐらいなら。
「バーナ!!」
俺はいろんな燃料を能力で作り、良に思いっきり投げつけ、それらを空気を混合させ、突き刺そうとした良を燃やし尽くす。
※バーナ、まぁ…色々やって火を起こす能力
「熱っ!!」
めっちゃ熱っい、火力調整間違えてんだろ。
『…無駄な抵抗を……』
「いや、無駄でもない、おい美穂!!」
久詩はそう言うと作り出した本を投げつける、俺はその本に能力を使い、本の中に入り、その場から逃走する。
※ブックゲート、本と本を繋げる能力、簡単に言うと『どこでもドア』の本バージョン。
「危なかった…」
「驚かせやがって、そのアーマがあるとは言え、お前は人間なんだぞ」
「わかってるよ、それより…どうやって倒す、どうやったら倒せる」
今のところわかってる能力は、石化させる槍を無限に作り、瞬間移動したり、自動追尾式の光線を放ったり、物体を透過したりする能力。
今わかるのはこれぐらい…だけど、確実に奴はこれ以上の能力を持ってる、アーマを最大限に使っても勝てるかどうか…
『さあ、続きを始めよう』
どうする……
「いや、どうしかするだな、久詩…こんな土壇場だけど、ここは1つ私に賭けるつもりはない」
「その賭け事の内容によるがな」
和美さんが言っていた、このスーツは久詩の能力を擬似的に再現した物、バッグアームもレーザーガンも、原理としては久詩がチェーンソーを作るのと同じ
好きに物を作り出せない理由は、単純にそのプログラムが組まれてないから。
だったら…
「久詩の能力でデータ化して、このアーマ入って、アップデートを行えば…もしかしたら……」
「なるほど…それが賭けか、俺がこのまま戦っても勝率は5/5だ、それにそれを使ってネットワークに逃げ込めば俺は安全ってわけだ」
「お前…ここに来て逃げるのかよ」
「冗談だ、やるならとっとと行くぞ」




