再会 と 黒の衝撃 第一章 第十八話
第18話です、今回は珍しくと言うかこの作品初となる戦闘会です、少し短めですが、19話から本格的な戦闘が始まると思います。
公園を走り回り、俺と愛菜は声がしたであろう場所にだどりついた。
だが、その場所には公園とは似ても似つかわしい光景が広がっていた、その場所には人の死体がそこら中に転がっていた。
多分この学校の生徒の死体、かなり無残に切り刻まれていた。
「…オロロロロロロロロ」
「大丈夫美穂」
「大丈夫じゃな…オロロロロロロロロ」
美穂は草むらにゲ●を吐いている、安龍の背中を強めに摩りながら呟く。
「しかし変ね」
「ボコボコ、変な所しかないでしょ、と言うかなんでそんなに平気でいられるんです」
「こう言う時こそ冷静にしないとね、と言うより私が一体変なのは、この死体達の胴体がない事」
たしかに言われてみれば胴体がない様な…
「ウ!?」
ヤバイじっと見すぎて気持ち悪くなってきた。
「それに怪我人が居ない、と言うより人がいない」
「うまく逃げたんじゃオロロロロ」
「そうかもね」
「ヴオエ、…それよりもう離れよ、愛菜さんが言う強敵は居なかった様だし、なんか死体があるからか凄く臭し」
「いや、居るよ」
「居るって…どこにも居ないけど、池の中にも木の裏にも、ましてや空にも」
「でもまだ音がする」
「そんな音聞こえないけどな」
臭いなここ、居るだけで鼻が曲がりそうになる、死体ってこんなに臭いのか。
パリン
「あれ?なんか踏んだ」
「もうした美穂」
「いや、なんか踏んだ様な気がして」
俺は少し屈み、踏んだ物を手に取った、それは割れて破片になった鏡だった、多分手鏡かなんかだろう、後ろに下がった時に踏んで割れたのか。
「なんでこんな所に鏡が…」
俺が鏡の破片を眺めていると、愛菜が凄い剣幕で叫んだ。
「美穂そこから離れて」
「な、何いきなり」
「よくわからないけど、音が美穂方に近づいてきてる」
「なんだって」
音が近づいて来てるって言っても、見た感じ何も来てないぞ、音だって聞こえないし、近づいてくる気配だって。
『見つけたぞ…安龍 三輝」
「だ、誰だ」
どこからか声がした、若干聞き覚えがあるような…と言うかちょっと待てなんで俺の名前が出てきた、それに俺の周りには誰もいないぞ。
『見つけたぞ』
声はするけど姿がない、何かそう言う詩あったな、閑さや岩にしみ入る蝉の声、って言う詩。
詩だっけこれ、まあそんな感じの、声はするけど姿が見えない、この詩の様に岩にでもいるのか。
『お前を…必ず』
「この声一体どこから」
「…わ、分かった美穂鏡だ、鏡から声がする、多分それは透明化とかじゃなくて、鏡の世界にいる」
「鏡の世界…ま、まさか」
安龍は何かに気づき、その場を離れようとしたその瞬間、割れた鏡から手が現れ安龍の足を掴んだ。
ガシ
「な!?」
俺は鏡から出てきた手に足を掴まれ、滑り込むように後ろに倒れた。
鏡の中には思った通り、黒色の化け物がいた、この前の目が大量にある奴とは全く別の化け物、何か臭いと思ってたが、こいつの匂いだったか。
そりゃそうか、死体とは言え、こんな匂いがするのは早すぎるな、と言うかなんでこいつがここに居るんだ、それになんで俺の名前を言った。
ギュウウ
「くそ、こいつ握る力が強い、蹴っても緩める気配がない」
「…こうなったら、これで」
愛菜はそう言うとポケットからカッターナイフを取り出し、化け物目かげておもいっきり投げた。
ブス
『ウァァアア』
そのナイフは見事に化け物の手に命中し、化け物は耳障りな叫び声を上げながら、安龍から手を離し、鏡の中に戻っていった。
安龍はすかさず、割れた鏡を蹴って遠くに飛ばし立ち上がり、後ろに急いで下がった。
「痛てて」
「大丈夫美穂」
「折れてないからギリギリ大丈夫」
『ガルルル…ブラァラアン!!」
化け物は世にも奇妙な叫びを上げながら、勢いよく鏡の中から出てきた。
ドン!!
『グァァァァァ!!』
化け物はイメージよりかは小さく、大体168cmぐらいで、人間が中途半端に溶けたどうな見た目をしており、手が尖っていて赤いそして臭い。
「…凄い見た目だね、思ってたより化け物だ」
「と言うよりコイツ人の言葉喋ってましたよね、なんでいきなり化け物みたいな声を出してるんだ」
「さあねでも、戦えるならそれで十分」
「ちょっと」
愛菜は俺を無視、化け物がいる方に走り出す。
「相手にとって多分不足なし、くらえ三段跳び膝蹴り」
愛菜はそう言うと、足を揃えて飛び、化け物に飛び膝蹴りを1発かまし、そのあとすぐに顎に蹴りを喰らわせ、着地する前に腹に後ろ回し蹴りを化け物に当てる…が…
「え、びくともしてない」
化け物は少し後ろに下がっただけで、声の一つもあげなかった。
「う、嘘ォン」
愛菜はまさかのノーダメージに驚きその場で、キョトンとしている。
『グルルルル』
『待ちなさい、狙うのは安龍』
『ブグルルルル』
あれ、あの化け物が唸ってる時に、声がしなかったか、まさか2体いるのか。
『アアアア!!』
「まずい」
化け物は走り出し、安龍に近づき殴りかかろうとしたが、拳が顔に当たる寸前で攻撃をなぜか止めた。
シュー
「え?何が…」
『何をしてる十刀』
なんでこいつ攻撃をやめた。
シュー
「ゴホゴホ、なんだこの煙」
化け物が攻撃してくる瞬間に出てきたなこの煙、まさか俺の能力か、いやそんな能力は手に入れた覚えがない。
だったらこの化け物の能力か。
『ゴブホォ、ゴブホォ』
いや違うなこれ、と言うかこれ本当に煙か。
「ゴホゴホ」
突然発生した煙の様な物は、吸い込まれるように1カ所のところに集まっていき、それは煙から1つの生命体に姿を変えた。
『ババババ』
その生命体は…
「ホーネットなんでお前がここに」
「お久しぶりですですね、声だけなら昨日も居ましたけど」
「変なのが増えた」
「あ、お初にお目にかかります、私ホーネット0251監視役と言います」
「す、凄い名前ですね」
「偽名ですので安心してください」
「と言うかなんでお前がいきなり出てくる」
「私は城戸様の監視役として、久詩に頼まれあなたのスマホに入っていた
で、【鏡の何か】が出てきて、殺されそうだったので、スマホの中から出てきた、と言うわけです」
「おいこら、なんで当たり前の様に俺のスマホに入ってる、というかいつから入ってた」
「えっとー、第7話でケーブルを差し込んだ時ぐらいですね」
「ほぼ序盤」
「さて、こんな無駄話はこれまで、さっき人詩に連絡してら、何があっても捕獲しろと言われましたし
全力で相手をしましょうか、ちゃんとした契約者ですから」
ホーネットはそう言いながら、槍の様な右腕で化け物を差した。
18話で戦闘開始は遅いと私は思うけど…正直にいって、戦闘シーンはあまり書きたくないです。
今公開してる第3作目のレベル99は戦闘シーンが多すぎて書くのが疲れて、一旦没にしたと言う過去があり
戦闘シーンを書くとまた没になってしまうのか、と言う恐怖があり、あまり戦闘シーンは書きたくないんですが
いつまでも戦闘シーンから逃げていても仕方ないので、今後から徐々に戦闘シーンを入れようかと思っています。




