天気予報と戦争屋 第2章 第87話
第87話です、今回はあの2人の対決です、まぁ反逆者との戦いでもよかったんでさが、暁大学と難波大学の戦いをちゃんと書きたかったので、今回この回を書きました。
ちゃんと次回は反逆者との戦いを書きます。
『あ、暁大学 対 難波大学 の第2回戦の勝者は城戸 美穂選手だぁ!!』
会場に集まった多種多様な種族は2人の先輩に拍手を送る、と言うか美穂選手…マジでなんでもありすね
と言うかワイルドすぎんしょ。
「陽菜せんぱぁい…俺のあの後出るの嫌すよ、しかも勝てば3ポイント選手で暁大学は次のステージに行ける
そんな重要な役割じゃないすか」
「安心したまえ、天気予報くん君なら勝てるだろ」
「…ついでに対戦相手は」
「難波大学リーダー 新島 和美だ」
「よかったよかった…安心した……じゃねえだろうがよ、リィィダァァ!!!ふざけてるんすか」
「ウェザー」
「なんすかクソガキ」
「当たって砕けろ」
こいつ他人事みたいに言いやがって、と言うかなんで俺をこんな順番にした、まぁ…やるからには頑張るけどさ、でもあの人の能力って…体から必ず鉄が入っている物を作り出す能力
実質好きな物を創造する能力、銃や剣とかスマホとか作り放題、ついた二つ名が戦争屋、オーバキルとも言える戦いは容赦がなく、タイマン最強の女帝と言われている。
そんな人に…勝てってか、いや…俺をタダのかませ犬に使いたいだけじゃないのか。
「顔が悍ましい事になってるぞ」
「いや…だって…負ける気がするんすけど」
「…何を恐れてる、お前なら勝てるだろ、負けると思ってたら、お前をぶつけない」
…あ、違った、かませ犬のつもりなんて無いんだ、俺を信じてくれてる、そう…思う事にしよう。
----------------
『さて、白熱した第2回戦、そしてここでやらなきゃ後がない難波大学の第3回戦の対戦メンバーは…』
『暁大学からは天を煽るウルフ、ウェザー・シャイニング』
『そして難波大学からは新時代の女帝、新島 和美!!』
新時代の女帝、これ自分で考えたのかな、後俺の説明考えたやつ誰だ、美穂先輩の変幻自在のトラックスターとは大違いだな。
『難波大学は後がないですからね、ここで勝たないといけませんね』
『はい、新島選手のプレッシャーと言うのはかなりあると思いますが、そのプレッシャーを乗り越えられるか、そこで勝負が決まりそうです』
『逆にウェザー選手はどうでしょうか』
『なんと言っても、純粋なモンスター・ウルフですからね、どのような戦いになるか…』
やっぱりここでもか、俺を人間として見てくれていない、俺は怪物、子供向け番組に出てくる怪人だよ、わかってる…
どいつもこいつも…
『さて準備が整ったようです』
「始めましてですわね」
「まぁ…そうすね」
「さっきの解説でお聞きになったと思いますが、一応自己紹介させていただきますわ、私新島 和美と申します
今後ともお見知り置きを」
「あ、はい、俺はウェザー・シャイニングつて言います」
「ウェザー・シャイニング…いい名前ですわね、光…輝きですか」
「そうすかね…あまり名前に特別な感情を抱いた事ないんで」
「そうですの、名前と言う物はいい物ですわよ、名前は親からの最初の祝福ですから」
「最初の…祝福」
そんな考え方もあるのか、ウェザー・シャイニング、太陽の光のように誰にも縛られない男になれ、そんな意味を持ってつけたらしい。
最初の祝福…か。
「さて…ここに来たからには正々堂々、容赦はしませんわ」
「分かってます、俺も本気で行きます」
俺は息を整え嵐の用意をする、あの人がどんな動きをするのかは分からない、だけど一撃で仕留める。
『双方見合ってますね』
『はい、嵐の前の静けさ、と言うべきでしょうか』
『では、双方構え…3…2…1……試合開始!!』
「嵐!!」
俺はどこかのアイドルグループに間違われそうな名称を叫びながら、腕を前に出すと風が集まり、巨大な大嵐になってあの人に襲いかかる。
ついでにここで豆知識、嵐の前の静けさ、と言う言葉があるけど、気象的には正しくなく、実際は小雨等の予兆がある。
ま、どうでもいいか、さてこれで終わってくれてたらいいんだけど。
「開幕から仕掛けてきましたか」
あの人の声が聞こえたと思ったら、いきなり足元が爆発した、その爆発に驚き嵐が散らばった、何が起こった、そこまで大規模な爆発じゃないけど。
「さて…戦争の開始ですわ」
『な、なんだこれはぁ!!』
下を向いていた俺は解説の驚き声で前を向いた、そこにはすごい光景が広がっていた、大量の小さな戦車達が俺に砲口を向けていた。
そしてあの人が上にあげてた手を下げた瞬間、戦車達が一斉に攻撃を始めた。
ズギューン!! ドギューン!!
「やばい…蜃気楼」
俺は大気を操作して、至る所に自分の蜃気楼を作り出し走り出すが、戦車達はもう既に俺の周りを囲っており、全方向から弾丸が飛んでくる。
「だったら豪雨…そして冷気」
室内に黒い雲が生まれ、その雲から雨が降る、その雨は途中で氷柱に変わり、小さな戦車達を貫く、だが貫いても放たれた弾丸は止まらい。
だったら…
「台風の目」
俺を中心に台風を起こし、飛んできた弾丸を弾き飛ばす。
「…さて、どうするか」
シューウ
「ん?なんだ…」
何かが上から飛んでくる、そう思っていたら、空から大量のダイナマイトが降ってきていた、やばい、そう思った俺は台風の目を解除して、上に風を送ってダイナマイトを宙に浮かす。
「隙だらけですわよ」
「え…ちょそれは…やばすぎません」
あの人は見るからにヤバイ見た目をした機関銃を向けると、引き金を引いた、まずい俺は風を1つしか起こさない、今風はダイナマイトの処理をしている。
ここで解除したらダイナマイトが落ちてくる、こうなったら雷でなんとか…
ドガーン!!
そう思っていた俺の足元がまたしても爆発し、俺は体制を崩した、体制を崩した事で風が消え、ダイナマイトが落ちてきた。
「…まずい」
「チェックメイト」
「まだだ」
もうここで使うしかない、渋谷を壊滅させたアレを…できれば使いたくなかったけど、使うしかない。
「怪雨」
風が飛んでくる全ての物吹き飛ばすと、あの人の頭上にタコが落ちた。
「きやぁぁぁぁ!!」
乙女チックな叫び声を放つ、今日はタコだけか、そう思っていると、会場から叫び声が聞こえた…あ、何か嫌な予感がする
「なんなのコレ」
「ぬるぬるするゼ離れろ!!」
そう思って会場に目を向けると、会場に大量のタコとナマズと本マグロが暴れていた。
何アレ…
『な、なんだこれは…』
『突然息のいい魚が降って来ました…これは一体どう言う事だ、と言うかなんだこれは』
会場がパニックになった。
おかしいな…会場と格闘場にはバリアがあるって…聞いたんだけどな、もしかしてこれそのバリアすら貫通するのか
我ながら恐ろしい力だ、だけど今回は魚介類だけのようだ、よかったタンクローリーとか降ってこないで。
「あなた…ふざけてますの!?」
あの人は今にでも泣きそうな表情を向けながら、頭にしがみついたタコを地面に叩きつける、ヤバイすごいキレてる。
怖いけど可愛い、いやいやそんな事考えてる場合じゃない。
「いや、全然そんな気はなくて…」
「…もう怒りましたわ」
あ、ヤバイ、あの人の怒ったは洒落にならない。
「幻日」
俺は雲の中に六角板状の氷晶を作り出し、その水晶に俺の姿を写し、俺の偽物を作り出す。
本当は太陽が増える、って現象本当に増えてるわけではなく、雲の中にある結晶が太陽光を屈折して増えて見えるって現象
ぶっちゃけ蜃気楼でもいい。
「増えた…からと言って、動揺する私じゃ…」
「あ、うえ…」
「そんな嘘に耳を貸すと思いますの」
そう言うあの人の頭上には現在進行形でナマズが降って来ていた、そしてそのナマズは地球の重力に従って、あの人の服の隙間に入り込んだ。
「にょびゃあああああ!!」
あの人は萌えキャラのような声をあげる、ないすナマズ、2つの意味で、だけどコレはチャンスだ、アレほどの大きな隙はない。
「雷雲」
俺は黒い雷雲を手元で作り、悶えて苦しむあの人に向けて投げつける、その雷雲はその人の周りにまとわりつく。
「え?なんですの」
「雷」
バチバチと電気を貯める雷雲は、俺が合図を飛ばすと、連続で雷を放つ。
「ぐわぁぁぁ!!」
「解除」
あの人にまとわりついた雷雲が消えると、真っ黒になって地面に倒れ込んだ、なんだろう今の俺すごい卑怯なやつみたいだ。
なんか…勝った気がしない、いや勝ったは勝ったんだけど……イカサマして勝った気分だ。
『だ…第3回戦目、勝者はウェザー・シャイニング』
会場から拍手のような音はない、と言うか会場には魚介類が暴れていて、それどころの騒ぎじゃない、なんだろう…なんかごめんなさい。
俺が心の底で謝りながら、格闘場をこっそりと去った。




