ゲームスタート 第1章 第1話
間違えてキャラクター紹介の文を短期小説にしてしまった、なのでこの回を見る前に短期小説の方を見てください。
別に見なくてもストーリーはわかると思います。
「完全クリア」
俺はそう1人寂しい部屋で呟いた、パソコンにはゲーム進捗率100%と表示され、安っぽい花火が打ち上がっている。
俺の名前は 安龍 三輝 (あんりゅう みつき)たしか 身長 175cm 体重62kg 20歳の大学生だ。
最近集団昏睡事件と言う、原因不明の謎の事件が発生し、俺の通っていた大学はその事件の発生を恐れ、一時的に大学を休校にした。
その事もあり、バイトも部活もやってない俺は、かなりの暇な時間ができた、そのんな暇な時間を潰す為、俺はエロゲをやっていた。
なぜそこでエロゲに、と思う人も居ると思うが、始めた理由は…確か
[そう言えばもう20歳だから、エロゲ普通にできるな、うん、やってみよう]
みたいな感じだったような気がする。
ゲームのタイトルは [あんりみっと❤️能力者が当たり前な世界で学生生活] と言う最近のラノベでありそうなタイトルの物。
ゲームの内容は能力者や様々な種族が当たり前に暮らす世界で学園生活をする、と言うタイトル通りの内容
個人的には結構楽しめた方だと思う、だがネット上ではあまり評判は良くないみたいだった。
理由としては、エロシーンが少ない、エロシーンがもはや邪魔、と言う感じのエロゲとしては駄目な作品と言う意見が多かった
だが、逆にエロゲとして見なければ、普通に面白いゲームと言う意見が多く、去年エロシーン削除版が発売されネットを熱く昂らせていた。
まぁそんなゲームも完全攻略して、やる事が無くなったんだが…
【…削除…しま…す……】
「…あれ?」
俺はパソコンの画面を見て驚きのあまり声を出してしまった、ついさっきゲーム進捗率100%にしたばっかなのに、何故か0%になっていた。
「いやちょっと待て、どう言う事だ、どう言う事だ、え?バグ、そんなバグあるか、いや無いだろ」
『うるさい!!兄貴』
ドン!!
「あ、ごめん」
くそ、妹に怒られた、と言うか何でこんなバグが起こる、いや一旦落ち着け、こんなの何かの間違いだ
2週間もかかったんだぞ!!
そう気のせいだ、目を閉じて開いたら100%に戻ってる、そうきっとそうだ…
「………って戻ってねぇぇ!?0%のままじゃねぇか!!」
『静かにしてよ、今動画見てるんだから!!』
「あ、ごめん」
クソが、何でこんな事がまさか仕様か、このゲームだったらやりかねないが…仕様だったら正確悪すぎるだろ。
とりあえず、マウスを動かしてみよう、もしかしたら治るかもしれない。
俺はそう思い、マウスをガチャガチャと動かすが、パソコンの画面はピクリとも動かない。
それどころか動かすたび、パソコンの画面は黒くなっている。
「何このバグ、凄く怖いんだけど」
これってゲームのバグじゃなくて、パソコンのバグ、それだったら取り返しがつかないぞ。
【 ゲームを始めますか 】
そんな音声がパソコンから鳴り響き、パソコンの画面には ハイ と イイエ が表示されていた。
「なんだこれ、このゲームの選択画面にこんなのは無かったぞ」
これもバグか?いやでも流石に起こりすぎだろ、もしかして…そう言う仕様か
流石にこれは違うとは思うが…一旦押してみよう。
▶︎ハイ イイエ
「あれ?俺いつの間に寝てたんだ、ってどこだここ」
俺は目が覚めると、桜が咲き乱れる公園?公園なのかすら分からない場所にいた。
いや、ちょっと待て、今9月だぞ9月に桜が満開な場所ってあるか?それに何で俺は外にいる。
確か俺は自分の部屋に居たはず、ああ間違いない、間違いなく俺は部屋に居た
それなのに気づいたら桜が満開の公園のベンチに座っていた…え?何それ怖。
「…妹のドッキ……あれ?」
ちょっと待て、俺ってこんな声だったか、小説で文章だけだから、見ている側には分からないと思うが、声がおかしい。
例えるなら…そう、 あんりみっと の主人公の様な声だった…気のせいだよな、もう1回喋ってみよう。
「…そう、これは気のせ……違う!!明らかに違う、なんだこの声」
待て待て待て、桜に見惚れてよく見てなかったが…なんだこれ、何で俺が女子の制服を着てるんだ。
それに…胸がある…男には勿体無いほど大きいお胸がある、偽物だよな。
プニィ
「…うわぁ、すごい柔らかい、それに触ってる感覚もある、これ本当に俺の胸なのか…まさか俺…女になってるのか」
声といい体型といい胸といい、それに生まれた時から持っている、俺のマグナムがない、いったいどう言う事だ…
まぁとりあえずさっき揉んだ時に見つけた、生徒手帳を見てみるか、この訳がわからないこの状況、ほんの少しでも良いから情報が欲しい。
俺は少し戸惑いながらも胸ポケットから生徒手帳を取り出した。
「…暁大学の生徒手帳か?あんりみっとの舞台になってる実在しない大学、その生徒手帳だと
それにこの写真の顔、あんりみっとの主人公
城戸 美穂 にそっくり、と言うか本人だな、名前も 城戸 美穂 だし」
一体どういう事だ、まさかここはあんりみっとの世界とでも言うのか。
もし、この想像が本当なら、これはゲーム開始時のイベント…もうそうなら、この後すぐに謎の少女が話しかけにくるはずだ。
あんりみっとの物語は、公園で1人にいる主人公に占い師を名乗る少女から、1枚のカードを貰うところからゲームは始まる
もし、この世界がそうだって言うなら、このイベントは……
「そこの人」
俺は声が聞こえた方を恐る恐るみる、そこには本を持つ噂の少女がいた、ゲームで見た白髪フードの少女。
「…本当にでた」
フードを被る謎の少女、あんりみっとに出てきたキャラクターのまんまだ。
じゃあ本当にこの世界は、俺が居た世界とは別の世界、いわゆる並行世界って事か、だがそんな事本当にあるのか。
「失礼な人ですね、まるでお化けが出たみたいじゃないですか」
「…君は誰だ、そしてここはどこだ」
俺がそう聞くと少女はお辞儀をしながら、答える。
「私?私は謎の占い師よ」
セルフが全く同じだ、やっぱり俺はゲームの世界に来たのか。
この少女…結局何者か最後までわかってないんだよな、オープニングの1秒と序盤の占いのシーンしか出てこない。
公式もこのキャラクターの事は名前すら語ってない、いきなり出てきて主人公のこと占って終わりみたいな謎が多いキャラクター。
「あなた…奇妙な運命を持っている様ね、本来の話から外れた運命を」
…あれ?こんなセルフあったか、確か本当ならここのセリフは [あなた…面白い運命を持ってる様ね、少し占ってもいいかしら]だったぞ。
いや、エロシーン削除版にあったかも、だったらこの世界は削除版か?いや、削除版の主人公の胸は真っ平だし、名前がレンなんだよな。
「…この先あなたは運命に逆らうことになるでしょう、ですが結末は変わらない」
「な、何を言って」
少女はタロットカードを取り出し、数秒後カードをシャッフルし1番上のカードを表にした。
そのカードには、黒い鎧を纏う骸骨が、黒い旗を掲げ白い白馬にまたがる絵だった。
ゲームの時とは違う、全く別のカード。
「…あなたには 13番の死神 の正位置の相が出ています」
「え!?」
やっぱりおかしい、確かここは恋人の正位置が出るはずだ、それなのに死神?だと。
「離婚 別離 全てを捨てる 物事の終わり
一度、無に戻した方が良い 盗難 火災による損失 破産 退学 突然やってくる病気
飢餓 暴力死 事故死 不作
などの意味があります、しかし、本来なら恋人が出るはず…もしやあなた……いや、この話はする意味はないか」
「なぁ、君は一体何者なんだい」
「名乗るほどのものでもないですよ」
できれば名乗って欲しいんだけどな、そして今起きたことを説明してほしい。
「しかしあなた…特別な能力を持ってますね、【絆の重ね】他者との絆が深まるたび、新たな能力や力を手に入れる
まるで道徳の教科書の様な能力」
「言うほど道徳か?」
「…さて、初めてなあなたに1つ助言しましょうか、この世界は似た世界、あくまで似ているだけ
だけど、主な物語は同じ、例え貴方が家にいようが深海にいようが、その物語は発生するだけど…頑張れば結末も変わる…かも?まぁあなた次第だけど」
「さっき結末は変わらないって言ってなかったか」
「さぁなんのことかしら、後このカードあなたにあげる、いつか役に立つから」
そう言うと謎の少女は、タロットの死神のカードを俺に渡すと、少し笑いながらその場を去った。
あの少女、ゲームの時もそうだったが…謎だな、捕まえて知ってることを吐かせればよかったかな、でもそんな物騒なことしたら警察ごとだな。
まあ、そんな事より暁大学に行ってみよう。
あの少女の話を俺なりに解釈するなら、俺は今後ゲームのシナリオ通りに動く、例え俺が家にいてもそのシナリオが強制的に発動する。
…こんな感じか、ゲームのシナリオを解決する為にはさまざまな条件がる、その条件を達成するには、大学に行かないといけないのか…めんどくさいな。
「ハァァ…とりあえず行くか」
俺はそう言葉に出し、暁大学に向かった。
とりあえず第1話終了、何か短い気もしますが…まいいか、そう言えばこの作品のタグに悪徳令嬢をつけましたが…悪徳令嬢物なのか?
主なストーリーとしては、悪徳令嬢物にも見えなくはないですが…別に主人公は悪徳令嬢じゃないし、時代背景も違うけど、まぁいいか。