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女神に愛されて過ぎて困ってます!  作者: 鯖太郎
第一章 転生そして盟友との出会い
8/11

初めてのダンジョン探索 一

 サンタル伯爵の屋敷で一泊した次の日、早朝からダンジョンへと入った。

 中級とは言え、階を降りる度に強くなる魔物、地下30階層以降は中級冒険者では勝てない強敵も現る為に慎重に進まなくてはならない。

 そして10階毎にボス部屋があり、ダンジョン構造から魔物の種類までガラッと変わる。

 1階〜9階はゴブリン、オーク、オーガである。

 ドロップ品は皮やボロボロの鈍器だ。

 それとなにも落とさなくても必ず倒した魔物の核となる魔石はドロップする。

 10階のボスはゴブリンロードだ。

 難なく1ゴブリンロードを倒すとアイテムがドロップした。

 アイテムは指輪だった。

 ミリアーヌから貰った鑑定スキルを使い調べる事に。

 

 ゴブリンロードの指輪

 D級 体力微上昇

 

 「君の初めての戦果ね」

 「なぁ、これ貰ってくれるか?いつも貰ってばかりだからね」

 「えーいいの?」

 「こんな低い性能の指輪だけどね」

 「じゃ左手の薬指に嵌めて。ウフウフフフフ」

 「えー」

 「それじゃー危ない時や野宿をしたくない時なんかに避難出来る空間と、その空間内での各種能力即回復をセットであげちゃうー勿論、貴方が許可する者を連れてこれる様にしてあげるわ」

 「なにその空間・・・」

 「そうね、貴方の空間よ。貴方が好きなように空間を広げ、好きなように弄れるわ」

 「それは面白そうだね。はい指輪」

 ミリアーヌが指を差し出すので嵌める。

 「キャーキャー、これで婚約ね、はぁ嬉しいわ」

 「冗談はそこまでにして、進むよ」

 「ふーん冗談か・・・」

 「なんか言った?」

 

 11階からは低級の魔獣階層、狼や猪、大型の猫やヘビ等他種に渡る。

 階を降りる度、レベルが上がるようで強くなるがそこまで苦にはならず進む。

 ドロップアイテムは皮や肉だった。

 20階層のボスはダイヤウルフだった。

 とても大きな狼だが一瞬で間合いを詰めてくる速度を持ち、力もある。

 粗悪な剣では斬る事も出来ないだろうが、国宝級の刀を持ち剣スキル神を持つアーグクリストフは一閃でダイヤウルフの首を落とす。

 「ふぅー」

 一息付くとドロップアイテムを手に取る。

 ダイヤウルフの皮と牙だった。

 

 21階からはゴブリン、オーク、オーガのロードと、ゴブリンメイジだった。

 ロードは楽勝だったがゴブリンメイジは中級魔法のファイヤーウォールや火、水、雷のアローを放ってきた為、なかなか時間とMPを消費させられてしまった。

 ドロップアイテムは皮や肉、ゴブリンメイジの1匹から杖がドロップした。

 30階のボスはオークジェネラルだ。

 装飾の付いた大型の剣と盾を持ち、フルアーマーを着た巨大なオークだ。

 なかなか強い魔物と言われるがアーマーは刀でサクサク切れるし剣や盾も野菜を切るかの如くだった。

 武器や防具を全て切り終えればただの大きなオークに変身、恐怖に怯えるオークを一払いすれば胴から真っ二つになって倒れる。

 ドロップアイテムはオークジェネラルの肉と盾と剣、貴族が屋敷に飾る為、そこそこな値段で取引されるらしいが、こんなの飾るなんてセンス無いよ全く。

 

 中級には難しいとされる31階、敵はトロールだった。

 トロールは再生力が強く、核を壊すか、細切りにするかしないと倒れない。

 後は聖の魔法や聖剣が弱点とされる。


 聖魔混合刀に聖の魔力を流し斬りつける。

 予想通り再生はしない。

 そのまま首を落とし倒した。

 トロールのドロップアイテムは魔石だけだが、形もよく、大きい為に高額で引き取ってくれる。

 40階層のボスはゴブリンキングだった。

 化物染みた大きさにパワー、ゴブリンキングの魔力によって変形すると言われる魔剣は斬れ味も良く丈夫だ。

 31階から40階は本当に中級冒険者泣かせだ。

 ゴブリンキングは刃渡り数メートルの巨大な魔剣を振り下ろす。

 すぐに横へと避けるがゴブリンキングも横へ一閃する。

 早い!

 が、飛んで避けると空いた頭目掛け刀を振り抜いた。

 胸の辺りまで切った所で仰向けに倒れたゴブリンキング。

 31階から40階は本当に中級冒険者泣かせだ。

 だが、俺は含まれない。

 

 ドロップアイテムはゴブリンキングの魔剣だ。


 ボス部屋から出て、セーフエリアへと向かうと、休憩する。

 「ちょっとちょっと、私があげた貴方の空間へ行かないの?」

 「忘れてた」

 「えー・・・」

 「どうすれば行けるの?」

 「それじゃ貴方の空間の名前をつけましょう」

 「名前?」

 「君が好きなように出来る家というか、庭と言うか、村と言うか国というか・・・世界ね」

 「え?世界?」

 「うん、君の世界よ」

 「クリストフ・・・クリス・・・タル。クリスタルってどうかな?」

 「いい名ね。転移クリスタルで転移するわ」

 「わかった。転移クリスタル」

 

 薄暗いダンジョンから急に明るい場所へと転移した、少し眩しくて目を閉じる。

 少しずつ目を開けるとそこに広がる広大な土地が目に入る。

 「ここは?」

 「貴方の世界、クリスタルだよ。君が好きなように開発して構わないし、海や大陸に山好きなように作りなさい。この杖を渡すわね」

 「これは?」

 「主神の杖、創造神が持つ杖よ」

 「なんでこんな物を俺に」

 「貴方がここの創造神となるからよ」

 「そして、君がここに連れてくる者はいずれ貴方の補佐をする神となるわ。勿論、その者達の許可は此方で貰うけどね」

 「神になるなんて・・・」

 「勿論、今の世界で死んでからの話よ」

 「ずっと一緒に居たいと思う者を連れてきなさい」

 「わかった」


 創造神ミリアーヌによって創造された惑星は、アーグクリストフによってクリスタルと命名され芽吹いた。

 

 「先ずは拠点となる家を作りましょ」

 「そうだね。でもどうやって?」

 「杖を掲げて想像して、貴方の拠点よ」

 「わかった、やってみる」


 目の前には創造したまんまの屋敷が建っていた。

 「凄い・・・なにこの建築物は?」

 「レトロな西洋建築風、父方の祖父の家を再現してみたよ」

 「素敵ね」


 家具も創造魔法で作り出していく。

 井戸を設置して川を作り出す。

 田畑も杖で創造するだけで出来てしまう。

 

 「あっ種がないじゃん・・・」

 「創造してみて、勿論地球の野菜でも大丈夫よ」

 

 米、大豆、ジャガイモ、ニンジン、玉ねぎ、ピーマン、苺にスイカ!

 地球にしかない野菜や、似たような野菜があるけど味が悪い野菜、大好きな果物を創造した。


 種を植え、水をやると芽吹く。

 「え?」

 「生まれて間もない魔力の濃いこの星では5日から半月程で収穫できるわよ」

 「へぇー」

 気の抜けた返事をするのが精一杯だった。


 夕飯を食べ、風呂に浸かりベッドで微睡む。

 久しぶりに地球での夢を見た。


 「じいちゃん、※※※の所に行ってくる」

 「気をつけていくんじゃよ」

 「うん」

 あぁ、※※※と会った最後の日だ。

 

 「おはよう」

 「ん、おはよ・・・はぁなんか懐かしい夢を見た気がするけど、起きて直ぐは覚えていた気がするけど忘れてしまったよ」

 「夢なんてそんなものよ」

 

 朝食を食べダンジョン探索へ戻る。

 クリスタルから出る為には入った場所以外に、転移ポイントを複数設定出来る。

 クリスタル経由で長距離転移も可能である。

 ただし、ポイント設置にはその場に居なくてはならない為、一度は自分で訪れなくてはならない。


 ダンジョン41階からは虫エリアだった。

 巨大な昆虫の外皮はとても厚く硬い、聖魔混合刀でやっと斬れる代物だ。

 

 そして何より厄介なのはその生命力、身体を分断しても死なずに襲ってくる。

 それも分断された腹部や胸部も此方に襲いかかる始末。

 核を狙うもしばらくは生命活動を辞めることはない。

 それを複数相手にするのはとても厄介だった。

 

 やはりここまで来るとソロでは辛くなる。

 それでも諦めずに進む。

 一応41階のセーフエリアに転移ポイントを設定したので危なくなったらクリスタルに転移しよう。


 今のところ確認した虫は蟻、蜂、蟷螂、蜘蛛、蠍だ。

 蠍って虫?


 進む度にレベルが上がる虫達、47階辺りからは刀も気を抜くと弾かれる。

 「厄介な虫達だ」

 「そろそろ魔法使ったら?」

 「そうだね・・・」

 

 「ファイヤーボール」

 大きな火の球が虫に直撃する。

 虫の丸焼けになるまでそう時間は掛からなかった。

 魔法でゴリ押しして到達したのは50階のボス部屋。


 ボスは虫種最強のアラクネだ。

 そこら中に張り巡らせた糸を這いながら此方に向かってくる。

 

 低級、中級の魔法を放つも糸さえ傷一つ付けられない。

 火と風の混合上位魔法の煉獄の嵐(インフェルノストーム)を放つ。

 それでも糸が少し焼け爛れただけでアラクネは今にも襲いかかって来ようとしていた。

 


 


 


 


 



 

 


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