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女神に愛されて過ぎて困ってます!  作者: 鯖太郎
第一章 転生そして盟友との出会い
4/11

謁見

 アークは両親と共に馬車に揺られていた。

 領地の隣は王都の為半日程で王都の屋敷へと着く。

 とは言え公爵家、私兵をゾロゾロと引き連れての

旅だ。

 数時間経過した所で出発前にミリアーヌから貰ったサーチスキルに反応が・・・。

 「父上、サーチに反応がありました」

 「なんだ、サーチも覚えたか?それで距離は」

 「早い、直ぐに来ます!」


 「ギャァァァァァッ!」

 けたたましい雄叫びと共に現れたのはC級上位のワイバーンだった。

 「アーク、エミリアと共に馬車で待機していろ」

 「はい、父上ご武運を」


 英雄の一族の長たる父にワイバーンは物足りなかった様だ。

 剣技スキルのスラッシュで首を落とし呆気なく終わったのだ。

 「アーク、よくやった。探知スキルのサーチか?助かったぞ」

 「ありがとうございます」

 私兵達も歓声をあげている。

 父は隊長を呼ぶ。

 「ガルシア、アイテム袋にワイバーンを入れ王都のギルドで売ってきなさい。換金した金はお前達が好きにする様に」

 「はっ!閣下ありがとうございます」

 「「ありがとうございます」」


  たかがCクラスとはいえ羽のあるワイバーン、気付くのが遅れると命取りとなる。

 売ればそこそこいい稼ぎになるそうだ。

 アースドラゴンはいくらになるかな?

 

 日が暮れる前に王都の屋敷へと着いた。

 幻想的な王城が目の前に聳え立つ一等地である。

 「「おかえりなさいませ」」

 王都の屋敷で勤める者達に出迎えられ屋敷へと入った。

 領地の屋敷も広いがこちらの屋敷も負けず劣らず広い。

 父は貴族には珍しく母としか婚姻していない、その為父は仕事が休みの日以外はこちらで、母はパーティー等に出席する為だけにこちらへと行ったり来たりしているのだ。

 そして領地のある貴族の子は8歳の謁見の日に社交界デビューとなる為に領地から出ることはない。

 領地のない法衣家族や低位貴族の子も同じようにその土地から出ることもなければパーティー等にも参加することはない。

 

 爵位

 上から公爵、侯爵と辺境伯、伯爵、子爵、男爵、準男爵と騎士爵となり、準男爵以下は一代限りで上位貴族でも叙爵する事が可能である。

 上位貴族、公爵〜伯爵までを言う、下位貴族、子爵〜男爵までを言う、準男爵、騎士爵は男爵以上の爵位とは違い貴族の召集されず暮らしは平民と変わらない。

 平民が叙爵される場合、準男爵、兵士が叙爵されるの場合、騎士爵となる。

 貴族にはそれぞれ国から毎月お金が支給される。

 爵位順で支給額が大幅に変わるが男爵まで支給され、準男爵や騎士爵は叙爵した者が微々たる者だが出すことになる。

 領地は公爵〜子爵、男爵の一部までが拝地される、爵位順に王都に近い領地を与えられ男爵クラスは小さな村なんて事もある。

 税金、国の定める範疇で徴収し国と領主で折半となる。




 次の日の朝、しっかりと正装して両親と共に馬車で王城へと入る。

 「アーク、お前は三男だが英雄一族の1人でその能力の高さは皆に知られている。と言うか嬉しくて皆に話した。だからお前目当てに見合いや婚約を申し込んでくる者が集まってくるだろう。女の子に言い寄られてヘラヘラするなよ」

 「はいわかりました」

 

 大広間の会場に入ると一段高くなっている玉座の前へと移動する。

 爵位順に並ぶ中公爵で元帥である父と同じく公爵で宰相であるアシッド公爵の一家が並び立つ。

 その一歩後に公爵家以外爵位順に会場に入った。


 暫く待つと国王、王妃、第二王女が入場し席に着いた。

 「全員揃っております」

 宰相のアシッド公爵の一言で王族が立ち上がる。

 

 「マリーアルベルタ第二王女殿下、8歳となられました事大変おめでとうございます。この先のご多幸、ご健勝を国民全員がお祈り致しております。そして国王陛下並びに王妃様におかれましてもマリーアルベルタ第二王女殿下が8歳の儀を迎えられました事、大変おめでとう御座います」

 元帥である父の祝いの言葉を聞き終わると。

 「元帥並びに宰相、全て貴族、全ての国民に礼を言う。そしてここに集まった者達にはおめでとうと言わなくてわな。ここにいる子供達は10年後20年後、国の為、国民の為に中枢で働く事になるだろう。その前にこれから勉学や魔法や剣などを学ぶ為に学園に入る事となる。精一杯頑張ってくれ。これよりの時間8歳の儀・・・と言うと分かりにくいな、8歳の社交界デビューを楽しんでくれ。乾杯!」

 「「乾杯」」

 国王の挨拶で社交界デビューが始まった。


 「アーク、陛下の元へ行こう」

 そう言って連れて行かれたのは国王の御前だった。

 

 「陛下、王妃、第二王女殿下、この度はおめでとう御座いますそして今日はお招きありがとうございます」

 「うん、礼を言おうアーグストそしてよく来てくれた」

 「三男のアーグクリストフです。アークも挨拶しなさい」

 「はい、アーグスト・フォン・パワードが三男アーグクリストフと申します」

 「ほうこの子があのとんでもない能力の三男か。どうじゃうちの次女と婚約せんか?ほらマリーよ挨拶しなさい」

 「第二王女マリーアルベルタで御座います。よろしくお願いします」

 「アーグクリストフと申します。よろしくお願い致します」

 「殿下、そう言うお話はまた後日改めてお願い致します。ここではなんですから」

 「そうだな、ではまた後日としよう」

 「では失礼いたします」

 

 挨拶を終えると、今度は挨拶される番となる。

 「アーグスト元帥閣下、この度はおめでとうございます」

 「ありがとう。ユーガルスタ辺境伯もおめでとう」

 「ありがとうございます。こちらが次男のユラザルです」

 「ガエザス・フォン・ユーガルスタ辺境伯の次男ユラザルと申します。どうぞよろしくお願い致します」

 「アーグスト・フォン・パワードの三男、アーグクリストフと申します。よろしくお願い致します」

 

 男親達は挨拶程度だが・・・。

 「元帥閣下、おめでとうございます」

 「ルクレーラ公爵、おめでとうございます」

 「三女のユリエラです。ご挨拶して」

 「サイライト・フォン・ルクレーラが三女ユリエラと申します」

 「アーグスト・フォン・パワードの三男、アーグクリストフと申します。よろしくお願い致します」

 「アーグクリストフ様はが婚約者はおられるのでしょうか?」

 「えっ?い、いえ、いません」

 「そうなのですね。ちなみに私もいませんの」

 「は、はぁ・・・そうですか?」

 「いやー奇遇ですな。元帥閣下、どうですか?うちの娘は」

 「検討してみます。では次の方がいらっしゃいますので申し訳ありません」


 そんなやり取りを繰り返し挨拶が一通り終わると子供達は子供達用の広間へと移動する。

 全員が移動すると第二王女が入場する。

 男女問わず第二王女に近づこうとするが、護衛の兵士によって守られている。

 そんな第二王女が俺の座るソファーの隣に腰掛けた。

 「先程は父が申し訳ありません」

 「いえいえ。僕は三男で家を出る身ですから残念です」

 「家を出るのですか・・・」

 「はい、僕は冒険者になろうと思っています」

 「学園に通い始めると冒険者登録はするみたいですが・・・もしよかったら私もご一緒させてください」

 「はい勿論、よろしくお願い致します」

 「お隣よらしくて?」

 「はい構いませんよ」

 「マリアは早速英雄を口説いていらっしゃるのですか?」

 「マインこそどうしたのかしら?」

 「「ウフフ」」

 知り合いらしいが僕を挟んで笑っている。

 「アーグクリストフ様、カインズ・フォン・アシッドが四女、マインです。どうぞよろしくお願い致します」

 「アーグスト・フォン・パワードが三男アーグクリストフと申します」

 アシッド宰相閣下の娘だった。

 それからパーティーが終わるまでずっと3人で話し込んでしまった。

 結局、学園へ入学したら一緒にパーティーを組む事になってしまったのだが。


 帰り際、1人の兵士に呼び止められた。

 「陛下が明日、アーグクリストフ様お一人で王城へ来られたしとのお達しです」

 なんだ?


 次の日、朝食を済ますと王城へ向かった。

 徒歩1分、兵士に事情を説明すると中へと案内された。

 通されたのは国王の自室だった。

 「来たか。もう少し待ってくれ、この書類を終わらせるのでな」

 「はい」

 

 30分程で書類の山を片付けるとソファーに座った。

 するとトントンっと扉がノックされた。

 「入れ」

 「はい、失礼いたします」

 

 「すみません、俺、僕は何故呼ばれたのですか?」

 「嫌ね、学園へ入学したら君と冒険者パーティーを組むと言っていたね。しかも第二王女殿下も組むと言うものだからどうしたものかとね」

 「あっ」

 「心当たりがあると言う事ですね」

 「はい」

 「宰相よ、犯人を追い詰めている様な顔しているぞ」

 「陛下もさっきまで同じ顔をしていましたよ」

 なんだかとても良くないことが起きそうです。


 そしてそんなやり取りをしていると父も部屋に入ってきた。

 「アーク、お前って奴は」

 「元帥、アーグクリストフの強さは?」

 「はい。正直に申し上げますと、我が一族でも類を見ない大変素晴らしいステータスです」

 「そうそうか。それではアーグクリストフよ、練兵場へこれから向かおうか」

 「え?はい」


 練兵場へ入ると、ゴリゴリのマッチョ兵士が数名待っていた。

 「では試合をしてもらう。5名の兵士と総当たりしてもらおう」

 「はい」

 

 俺は訓練用の剣を選ぶと初戦が始まった。

 初戦の相手は剣士。

 「始め!」

 俺はすぐさま剣士の懐に入り込むと剣の柄で鳩尾を強襲した。

 「グホッ」

 前屈みになった兵士の脳天に一閃、寸止めをした。

 「勝負あり!」


 二試合目は槍持ちだった。

 試合開始早々、槍の突きが炸裂するが冷静に対処していく。

 疲れたのか、足を狙ったのか穂先が下がった所で槍に乗り首に剣を突き付けた。

 「勝負あり!」


 三試合目はレイピアだった。

 今までで一番の速さを見せるが全く持って余裕だった。

 全て剣で捌く。

 「クソ!こっちはレイピアだぞ」

 俺は徐々にスピードを上げ攻守が変わるとレイピアを跳ね上げ首に寸止めをする。

 「勝負あり!」


 最後は盾持ち片手剣だったが俺のスピードについて来れず後ろから首に剣を突き立てる。

 「勝負あり!」


 「ありがとうございました」

 そう礼を言って国王達のいる所へと戻る。


 「流石だアーク!」

 そう父が言いながら頭を撫でる。

 「アーグクリストフ、儂は英雄一族の友としてとても嬉しい。どうじゃうちの娘と婚姻して儂の護衛とならんか?」

 「アーク君よそれではうちの娘もお願いしたい」

 

 「申し訳ございません。とても栄誉な事だとは思いますが私は冒険者になりこの国を護りたいと思います。ですので成人したら平民となる私にはご息女と婚姻する事は出来ません」


 「そうか・・・では12年待とう。20歳迄にS級冒険者となれば貴族が頭を下げる。その資格は十分だ。宰相の娘と共に第二王女も降嫁させる。そしてこの国で初めてのSS級冒険者となってみせろ」

 「はい。謹んでお受け致します」

 「うむ」

 

 「所で父上、S級冒険者ってどれくらい強いのでしょうか?」

 「そうだな・・・。Aクラスの魔物を一人で倒せるようになれば問題ないぞ。実際S級冒険者2人で倒すのがやっとだとは思うがな」

 「そうだな。最近S級冒険者になった冒険者も3人パーティーでアースドラゴンを倒して昇格を決めたからな」

 あれあれ?アースドラゴン?

 「あ、ああそうなんですね・・・」

 「どうした?何かあったか?」

 「まさかアースドラゴンでも屠ったのか?なんてなワハハ」

 「え?ええ、まぁはい」

 「えーーーーーーっ!?」

 

 その日は混乱したまま終わったが次の日も呼び出しを受けた。


 「ゴホンッ!先ずは昨日のアースドラゴンの件だ。それはどこで倒したのだ?」

 「あーはい。パワード領の森でです」

 「そうか、それでどの様に倒したのだ?」

 「はい、魔法です」

 「魔法か・・・。それで倒したアースドラゴンはどうした?」

 「冒険者になれば売れると思ってアイテムボックスに保管してあります」

 「アイテムボックス持ちだったか」

 「は、はい。洗礼式でステータスに表示されていました」

 「そうか。それでは練兵場へ行き、出してもらえるだろうか?ギルドマスターも召集しているからそこで売っも構わんぞ」

 「ありがとうございます」


 俺、国王、元帥、宰相で練兵場へと着くとゴリゴリのマッチョが片膝を付いて待っていた。

 「国王陛下、お呼びという事で馳せ参じました」

 「済まなかった」

 「そんな滅相もございません」

 「それでだ、この子がアースドラゴンを屠った者だ」

 「え?ご冗談を」

 「誠のことだ。名を聞けば納得するだろう。パワード元帥の三男、アーグクリストフ・フォン・パワードだ」

 「よろしくお願い致します。ご紹介に預かりましたアーグクリストフと申します」

 「そういうことなら信じましょう。それで何故呼ばれたのでしょう?」

 「アーク」

 「はい」

 そう言われて、アークドラゴンをアイテムボックスから出した。

 「「おおおおお」」

 

 

 

 

 

 

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