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空白

ソラノカケラ

作者: そにお

果て無く続く空に 僕は願った

明日は晴れますようにと

渡り鳥が空を背にして鳴いた

願いを旋律に乗せるように静かに優しく

国道に交差する人 ホームに反射する音 真っ白な景色の中で窓を眺めるあの子

願いを 想いを届けるために 明日はもっと笑えるように


 地面に縛られた僕らは 空を向いて走る

 渡り鳥よ、君の世界はどこに向いているの

 走って、走りぬけて、追いかけて 君の世界に追い付くように 

 ソラノカケラ 朝日が僕らを真っ白に照らすから


憂鬱に染まった空に 僕は思った

雨が降らないようにと

渡り鳥が屋根を背にして鳴いた

願いが雨風に勝つように、確かに大きく

ビル街に花咲く傘、窓辺に瞬く歌 灰色の景色の中で目を閉じるあの子

願いが 想いが届けばと あの子はずっと泣いていたから


 自由に縛られた僕らは 前を向いて走る

 渡り鳥よ、空の向こう側はどんな景色なのかな

 迷って、迷いぬいて、踏み出して あの子の願いが届くように

 ソラノカケラ 昨日が僕らを真っ黒に染めないうちに


 雨粒が僕らを隠す、行く先を隠す、とうに渡り鳥の姿は見えなかった

 雨曝しのカラスは、僕を背にして飛び立った それでも

 行かなくちゃ、走らなくちゃ、雨が止むのを待てるほど世界は優しくないぜ、優しくないぜ

 ソラノカケラ ソラノカケラ ここにはないぜ、どこにもないぜ


 平和に願われた僕らは どこに向かって走る

 渡り鳥よ、君は今どこを飛んでいるのかな

 転んで、汚れきって 追いつかなきゃ あの子の涙が止まるように

 

 地面に汚された君らは、足をどこで休めるの

 飛べない子よ 君の向かう景色はここにないよ

 走っても 休んだって いいんだぜ 自分に誰かに優しくなるように

 明日はそれでもやってくるから

 

虹かかる桟橋に足を止めた僕は、背中から延びる影にようやく振り向いた 

優しく微笑えんだ 君こそ僕の


ソラノカケラ




 

 



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