柚希さんはマッサージしたい
マッサージの知識がほとんどないので軽い感じで読んでください。
最近、体が重く感じる。実際のところ、毎日パソコンに向かい仕事をしている日々は運動していることとは違った疲労が溜まりまくっていると思う。
25歳の一般女性社会人の私が上から回されるおぞましい量の仕事を何とかこなしていけるのは、家に唯一の幸せがあるからだと思う。・・・アニメやドラマ主人公になって私生活を紹介するような、そんな恥ずかしいことを考えながら、玄関の扉を開けて、膝から崩れ落ちる。
「おかえりなさi・・みーちゃんどうしたの!?」
生きた屍を見て、私のお付き合いしている女性、柚希さんが驚いた声をあげる。
このあたりで大体察しはついてると思うが、何を隠そう、いや、隠すことではないのだが、私達は同性で付き合っているのだ。
「いや、ちょっと疲れただけだよ」
「本当?」
「本当、本当」
柚希さんが怪しそうにジーと私の顔を見てくる。んはぁ、美人さんだなぁ。
「...わかった。あまり無理をしないようにね」
「はぁい」
柚希さんが心配そうな顔をしていたので、無理しすぎないようにしようと心に刻もう(出来るとは言ってない)。
「お風呂湧いてるけど、ご飯とお風呂どっち先にする?」
「んー、お風呂入って少し休憩したらご飯食べる感じでいい?」
「オッケーわかった」
\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\
「は~さっぱりした~」
風呂から上がり、手で扇ぎつつリビングに入る。クーラーの冷気が火照った体に気持ちいい。
「あぁ~溶ける~」
ソファーに座った後そのまま倒れこむ」
「みーちゃん、ちょっとこっちこれる?」
カーペットの上に座っている状態で柚希さんが訪ねてくる。
「んー、行きたいのは山々なんだけど、もう動きたくない...」
「こっち来たらぎゅ~してあげる」
その刹那身体が勝手に動いた。投げ出していた足を床につけ、足を動かした反動を利用して、上半身を前傾にする。次に指先から体を連動さして、爆発的な加速力を生み出す。このままのスピードでは、柚希さんが危ないので一瞬だけブレーキをかけ減速をし、柚希さんの豊満な胸に飛び込む。この間わずか1秒。
「キャッ」
柚希さんは一瞬にして胸に飛び込まれたことに驚く。
「ふひひ...至福」
私は谷間に顔をうずめて頬ずりをする。い、癒されるぅ。
「もぉ~...。動けるなら最初からうごいてよー。はい、ぎゅ~」
頭を撫でられながら、空いている手でぎゅーとされる。ドクン、ドクンと柚希さんの心音が聞こえてなぜか懐かしいような、安心したような気持になる。
「そうそう、お疲れなみーちゃんに癒しを提供したいのです」
「え?」
胸に埋めたままの顔を少しだけ上げ、柚希さんを見る。
「例えば...ほらこことか」
「グッ」
肩を指で押されて痛みが走る。
「デスクワークで大分体が凝ってるでしょ?」
「んでも、これが普通になってるというか...」
「んもー、そういう鈍いところがダメなんだよ、しっかりとコンディションを整えないと」
「はい...」
「それじゃあ楽な体制で座って」
「はぁい」
「まずは、肩を温めていくね」
柚希さんの手が肩をさする。シュッシュッと音を立てて手が肩をさするたびにじわじわと手の温度と快感が広がっていく。筋肉の緊張がほぐれていくようなイメージが湧いてくる。これだけでも大分気持ちがいい。
「それじゃあ少し押していくね」
掌で首の付け根の真上を上からぎゅっと押される。ちなみに少し体重をかける体勢になっているので胸が後頭部に当たっている。ごちそうさまです。
ぎゅむ、ぎゅむと押される。柚希さんは筋力があまりないので、体重をかけて押すのがちょうどいい具合なのだ。
「下へ、下へ」
集中しているときの癖で、呟きながら、掌でリズムよく押しながら下へ下がっていく。
ある程度まで下がったら、上へあがっていく。ぎゅむ、ぎゅむと押されるたびに気持ちよさで変な声が出そうになるがこらえる。
この動作を何度か繰りかえした後に柚希さんが手を止める。
「みーちゃん、首と肩の間の背骨周りの筋肉と肩甲骨の横の筋肉がすごいこってるよ」
「そんなに?」
「もうガッチガチだよ〜」
改めて言われるとなんかすごい張ってるように感じ始めてきた。
「指で押していくからね」
「お願いします」
先ほど言っていた背骨周りを指で軽く押される。優しくクッ、クッと押した後に、円を描くように指圧される。そして、すこしほぐれてきたら、力を強めてぎゅっと押される。
「んんっ」
思わず声が出てしまう。
「別に我慢しなくてもいいのに」
「ちょっと恥ずかしいから..」
粗方ほぐした後に肩と首の付け根を指で押していく。柚希さんの細い指が見事にツボに効く。
何度か押した後に、背骨の横に移り、ぎゅ、ぎゅと下へ下がりながら、指圧していく。そのあと、上に上がり、指を肩甲骨の横に持っていく。指に力を加えたまま肩甲骨に沿って下がっていく。
ゾクゾクとした快感を感じ、指が通った後に筋肉がほぐれ、血液が流れるような感じがする。
「やっぱり肩甲骨の横硬いね、重点的にやっていくね」
指の力だけではなく、体重もかけて押される。
ぎゅぎゅ、グニグニと揉まれるたびにジワジワと快感の波に襲われる。解してほしいところを分かっているかのように指が動く。
あぁ、最高だ。ゴリゴリとした感覚が徐々に無くなっていくのがわかる。
「んー、肩甲骨の辺りはこのくらいでいいかな...んじゃあもう一回付け根の背骨の横辺りマッサージしていくね」
上へ、横へ、下へと指が動いていき、まんべんなく押されていく。筋肉の内部にまで届いてる気がする。血液の流れがよくなって、肩が軽くなっていくのが感じる。
「はい、肩は終わり。うつ伏せになって」
「次は何するの?」
「背中から腰にかけてのマッサージだよ」
柚希さんの手がワキワキと動く。い、いやらしい!
柚希さんが私の上にまたがる。
「背中をもんでくからね」
グニグニと背中を揉まれる。だが、だがしかし、今はその快感を味わうよりももっと重要なことがある。今!私の!体が!柚希さんの!太ももに!挟まれている!やわらかい!それに、ひ、ヒップまで当たっております!ここここ、これは最高じゃぁ…!
...私の太もももこのくらい女子女子しているのだろうか...。ていうかなんだ女子女子って。
「はい。背中終わり、次は腰ね」
「え!?」
「ん?どうしたの」
「いや、なんでもないです」
なんということだ、欲望に駆られ、太ももとお尻の感触を全身で感じていたら背中のマッサージが終わってしまった。
そんな事情を知らない柚希さんが腰のマッサージに取り掛かる。
掌で体重をかけ、押される。これだけで大分気持ちがいい。グッ、グッと位置を変えながら腰を揉まれていく。
「腰も結構凝ってるね、今楽にしてあげるからね」
押し方を手のひらから指に変えて、面から点に圧の加え方が変わる。
「ここら辺もグニグニと...ちょっと強く押すよー、はいグーっと」
指が離れたところに血液が老廃物を流しながらサーっと流れていく。
適度な圧迫加減でいい具合に解されていく。あぁ、眠ってしまいそうだ。
「はい、マッサージ終わり」
「すごく気持ちよかった、ありがとう」
「そっか、それならよかった...あ、一つマッサージ忘れてた」
「え?どこ?」
「こーこ」
むぎゅとお尻を掴まれる。
「ふぇ!?」
突然のことで驚きの声が漏れる。
「フーム、引き締まったいいお尻だねぇ。お尻だけじゃなくて身体も引き締まってるよね、うらやましいなぁ」
そう言ってる間にもお尻をグニグニと揉まれる。
「柚希さん!?」
「みーちゃんこれは、セクハラじゃないよ。お尻は筋肉の塊で、ずっと座っているみーちゃんには必要なマッサージなんだよ」
真剣な声音で言われる。
「そ、そうなんですか...それならおねがいします」
「んじゃ、言質もとったことだし、揉み放題だね!」
「え!?ちょっ!ま!って!ひゃぁ!!」
この後、滅茶苦茶揉まれた。
「みーちゃんって外顔だと格好いい女性って感じだけど、私の前だとだらしないよねぇ」
「そうかなぁ?」
「それと、ベットの上だと受けになること多いよね」
「な!そ、それは柚希さんの気のせいですよ…」
「へぇ…」
「なんですかその目は!」