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【Web版】Let's ISEKAI shout  作者: 並木道 礫
17/49

017話 人間としては最悪だな…


【魔法憑依剣:全合:理返し】


【四面障壁 第2障 擦殺】


【薄羽妖刀:並列魔法:黒髭一発】



「す、すごい…」

「聖魔の魔法具なしでここまでとは。」

「人間業じゃねぇよ。」

「竜殺しもそうだけど、【五剣】と【守護】も伊達じゃないわね…」



レイス、グランドレイス、レッグデーモン、ブラットデーモン、リッチ、アサシンリッチ…強力な魔法耐性を持つ魔物を着実に駆逐してゆく三人を見て、冒険者達は感嘆する。三人が死霊系、デーモン系の魔物を一手に引き受けているお陰で、他の冒険者は実体を持つ魔物に専念でき、その数も先程の一体で終わりを迎えた。これで残るは三人が対峙する魔物のみだった。



魔法憑依剣のバリエーションで様々な効果、威力を生み出し、魔法耐性の許容範囲を超える攻撃を加えることで魔物を倒すブライト。



デーモン系の魔物を本来直接戦闘に不向きな障壁で、圧死、擦死、斬死…と拷問チックな攻撃を繰り出し、一体、また一体と数を減らして行くミランダ。



反比例アンチアップの恩恵を受け、ブライトと同じく許容範囲を越す威力を叩き込むサトキ。此方は技量ではなく、特異魔法と魔力に物を言わせた力技であるが。


「これなら魔法具は必要ないんじゃないか?」

「…と、いや、普通は必要さ。今だって僕たちの攻撃力で何とかというレベルだからね。」

「そっすね。私達は色々規格外っすから。」


千差万別の魔法理論と実践経験を元に、己の限界を引き出すブライト。防御系の特異魔法にも関わらず、その殲滅力の高さをうかがわせるミランダ。そしてもはや規格外の代名詞であるサトキ。確かにこの三人だから…というのも一理ある。


「(というか、ブライトは兎も角、ミランダの戦闘能力は明らかに受付嬢でも街の守護者でも持て余す程だぞ?)」


当初のミランダのサトキの評価は駄目人間だ。怠惰をまさに絵に描いたような人物だが、ここ最近その認識を改めるような機会が増えた。その態度からはあまり知られていないが、魔法と魔物に対する知識、戦闘における立ち回り、個人の戦闘能力…本人のランクはサトキと同じランクC領域らしいが、とてもそうは思えなかった。それに、ラミットはああいいながらもミランダを結構重宝、というより信頼している節があるが、その関係性はサトキには分からない。


「【ボックス】…【黒髭一発】!」


デーモン系の魔物をボックス内に閉じ込め、並列魔法で作り出した薄羽妖刀を複数全方位から叩き込み、絶命させる。おもちゃの黒髭危機一髪からインスピレーションを受けた魔法だが、ボックス自体が透明なので、その見た目はかなりエグい。ちなみにサトキの使っている【並列魔法】は、ブライト達が使う【並列魔法】と少し異なる。ブライト達は同系統の魔法を複製する為の魔法技術だが、サトキは他系統、この場合薄羽妖刀に付与する属性魔法を一つ一つ違う属性にして複製する魔法技術だ。本来なら多大な研鑽と技術の上に成り立つものだが、サトキはその授かりもののスペックと、ゴリ押しの魔力量でそれを成していた。



日も完全に沈み、周りの火も鎮火しつつある。光源が乏しくなってきてはいるが、魔物もあと残り数体。サトキ達以外の冒険者は周りの警戒と万が一に備えて控え、半ば討伐待ちの状態だった。


「…ふぅ。あとはあの鈍重な“重き死霊番テレサテレサ”っすかね。こいつが居たから今回は死霊が多かったんすね。」


重き死霊番とは、死霊を生み出す死霊の事で、その容姿は聖母マリアの様な綺麗な女性だ。だがその魔物一匹いるだけで周りは死霊で溢れかえるのだ。基本的に移動はしない魔物なので見つければ聖魔の魔法具で一発、と討伐難易度はそれほど高くない。この魔物単体での攻撃力は皆無なので、本当に魔道具さえあれば、最悪子供でも討伐可能なほど。


実はこの異常発生…特に死霊系が多いのはこの重き死霊番テレサテレサの要因が大きかった。何故ならその重き死霊番のすぐ近くには、この騒動の原因でもある魔力溜まりがあり、重き死霊番はそこから無尽蔵に魔力を吸い、死霊を生成するという最悪なコンボを繰り出していたからだ。


「あそこまで魔力を吸ってるからね。並みの魔法じゃダメだろうから、サトキ、ミランダ、合わせていこうか。」

「…もうこれで最後っすよね、もう流石に疲れたんすけど。」

「はぁ…俺もだ。」


実体のある魔物を含めて、実質このあたりの魔物は殆ど三人で討伐した様なものだ。ミランダは兎も角、サトキとブライトも流石に疲労の色が濃い。


「帰ったら一杯付き合ってもらお…サトキ、ミランダ、ストップだ…」


「「?」」


それぞれ、思い思いの最大火力で魔法を放とうとしたとき、不意にブライトが制止を呼び掛けた。その目は険しく、嫌な予感が過ぎる。


「どうしたブライト。」

「どうしたっす?」

「…すこし、おかしいと思わないかい?重き死霊番は確かに攻撃性のない魔物。だがそれは生み出した魔物を使役するからだ。そして、重き死霊番の死霊使役には二通りある…」


一つ、魔力による死霊召喚。あの場合、実体を持たないレイスなどが主となる。


二つ、死体に魔力を注ぎ傀儡と化すアンデット生成。この場合、その素体となる物の強さのままアンデット化する。


更にはこの二つの方法で重き死霊番が使役する魔物は、総じて魔法耐性を持つというおまけ付き。


ここでおさらいである。魔物とは通常、知性を持たない。食う、動く、襲う、逃げる…本能的な行動しかしない。竜や龍など、一部知性を持つ、もしくは考える魔物と聖獣はいるものの、ほとんどの魔物が知性はない。さて、重き死霊番の本能的行動とはなんだろうか?


それは…死霊を生み出す、これに尽きる。サトキ達の目の前にいる重き死霊番は、魔力溜まりから魔力を存分に吸い上げ溜め込んでいるが、何もせずに鎮座して居た。これなら殲滅も容易いだろう…


重き死霊番が魔力を溜め込んでいる・・・・・・・・・・?本能行動を主とする魔物が?


「…ッ」


ブライトには見えた。否、見てしまった。その聖母の様な顔が、醜く口元をニヤけさせるのを。


「総員退…!!!!!」


「うわぁぁぁ!?」

「キャァァ!!!!!」



ブライトの背中を走る嫌悪感。次の瞬間には総員退避の号を出そうとしたが、それは遅すぎた様だ。


「な、倒した魔物が!?」

「一斉アンデット化だと!?」

「嘘だろ!!」


倒したはずの魔物達が一斉に起き上がる。首のない竜、心臓を潰した筈のオーク、胴が今にも千切れそうなゴブリンキング…それまでに冒険者が死力を尽くして倒した魔物達。それがまた立ち上がったのだ。


「くそっ…罠だった…か?罠?」


それはもっとあり得なかった。魔物が罠を、いや、知略を巡らせる。それこそ本能行動からはかけ離れすぎていた。ここで漸く、ブライトもある可能性にたどり着く。


異常発生スタンビート混合型ミクスチャー重き死霊番テレサテレサ、もしも全てが人の手によるものだったら…」



この災厄とも呼べるものが、人の手により引き起こされたという可能性に。


「サトキっ!このままでは総崩れだ!結界をっ!!」


「そんな急に…がっ!?」


「サトキ!?」

「サトキっち!!」


サトキが冒険者全員に結界魔法を張ろうとしたその時。一陣の風がサトキの横を吹き抜けた。と、共に訪れる左腕の激痛。


「…がっ…」


肘から下が見事に消失しているのは紛う事なき自分の腕だ。切断された訳ではない、その断面はもぎ取られたかの様に荒々しい傷口だ。視線の先には自分の腕を大事そうに抱える重き死霊番テレサテレサ


「ちく…しょ…が(苦痛耐性が効いてない、だと?)」


物理的な、精神的な痛みを問わず軽減する筈のサトキの苦痛耐性。しかし、それはまるでない物として扱われたかの様に今、意識が遠のきそうな程の激痛が襲ってくる。


「く…」


傷口を無理矢理薄くした【ボックス】て塞ぐ。これで出血によるHP減少と出血死のリスクは避けたものの、状況としてはかなりまずい。



「ミランダ!」

「わかってる!!」


ブライトとミランダの対応は早かった。目の前の重き死霊番テレサテレサの異常性をいち早く咀嚼し、排除にかかる。ブライトは魔法憑依剣【狂歌水月】で、ミランダはブライトの戦線の邪魔にならない角度から【四面障壁 第三障 刺削】を放つ。


「…かjt∂…pmj∋ら…た…」


「何っ!?」

「うっそ…」


重き死霊番テレサテレサへと放たれた二人の攻撃は、重き死霊番テレサテレサの目の前に現れたガラスの様な粒子に防がれる。森の延焼からくる光源をキラキラと乱反射させ輝く粒子。まるで意思を持つかのようにブライトとミランダの攻撃を阻むと、その形を剣、槍、斧へと変え、二人に襲いかかったが、即座に回避してサトキの側へ。


「粒子操作に粒子武器…まるで特異魔法だね。サトキ、傷の具合は?」

「まぁ似て否なるっすけどね。見た感じそこまで出血はしてなさそうっすけど。」

「なんか、俺の事…二の次感が半端ない、けどな。耐えれないほどではないが、戦いが長引くのは…勘弁してほしい。」


冷や汗を流しながらもそう答えるサトキ。何時ものような軽い口調での会話。内容こそそんな軽さだが、三人の表情は反対に険しいものだった。まず異常事態イレギュラーの存在。


知性を窺わせる重き死霊番テレサテレサ…否、もはや別ものである魔物。更にどのような効果を持つのかはわからないが、特異魔法の様なものを使う。そしてその存在感は明らかに異質で、強敵である。三人はそのイレギュラーを睨む様に戦闘態勢に入った。








そしてもう一つは、アンデット化した魔物達だ。いくら上位冒険者達と言えども、この量のアンデットを再び相手するのは体力的、魔力的にも絶望的。かといって、ここで自分たちが倒れれば間違いなくハランスは襲われる為、全員が死をもってここを食い止めると心に誓う。彼ら冒険者にとってハランスとは、掛け替えのない場所であり、帰る場所なのだ。


「皆、行くぞ!!!!!」

「「「「おぉ!!!!!」」」」


フランの掛け声に、全員が気合いを入れ直し、自分の武器を構えた。全員が既に満身創痍。普通あれだけの魔物を狩った後、更に同数の魔物を相手する…自殺行為に等しい。だが、ここで引く気は誰にも無かった。


「死力を尽くせ!道を開け!未来ある子供達に、明日を残すぞ!」


フランの叫びは死を覚悟した言葉。その明日に自分たち・・・・は含まれていない。それは誰もが分かっている。サトキ達は亜種の魔物に手を取られ、こちらは自分達でなんとかするしかないのだ。魔物の中には、ブライトが倒した小型ドラゴンなども含まれているが、それも自分達でやるしかない。


フランはランクB+の冒険者だ。通り名こそ無いものの、実力は折り紙つき。投擲併用剣【ハウル】を駆使した戦闘スタイルから、基本的にはソロではなく、パーティーで魔物を狩ることが多いフランは、その指揮能力も卓越していた。その為、今回の討伐戦では全体を取り仕切る様な立ち位置なのだ。


「フッ…指揮官としてはいいが、人間としては最悪だな…」


その指揮官が、みんなに【死ね】と命令したのだ。これが最善の策、指揮官としては間違っていない。それどころか、その指揮官も同じ死地に出向くのだ。口先だけの指揮官よりはかなり立派な部類だろう。


だが人間としては最悪だと、フランは自分に嫌気がさす。この冒険者集団の中にも子供がいる者は多数いる。恋人が待つ者、夫・妻が待つ者…それら全ての冒険者に命を掛けろと命令した。実際、フランには命令権などない。たが皆がフランの言葉に応えたということは、つまりそういうことだ。ならば、そのもの達が少しでも生き残れる様、自身が率先して道を開く。


「(幸い、私には待つ人などいないからな…)くくっ…」


内心で吐露した自虐に、苦笑を漏らす。フラン自身、容姿は悪くない。重装備で固められた上からでは分からないが、出るところは出て、引っ込むところは引っ込んでいる。所謂抜群のスタイルで、その燃え上がる様な髪に端整な顔つきで隠れファンも多いのだ(本人は知らないし、そのファンの9割は女性)。ただ少々男勝り過ぎるのと、その高圧的な目力で誤解されやすいのが玉に傷なのだ。


フランの目の前に、首のないオークが立ち塞がった。首がないのでどんな表情をしているかは分からないが、あったところで醜いのには変わりない。


フランは剣を逆手に構えて、局所的限定的な土魔法と雷魔法を行使する。それはまず、土魔法で剣の金属へと干渉し、重量を10倍に跳ね上げる。元より小柄な部類に入る剣とはいえ、重量がそこまで跳ね上がってしまっては振り上げるのさえ難しい。


そこで次の雷魔法。この対象はフラン自身で、脳から送り出される電気信号に無理矢理干渉し、筋肉の力を底上げ…要は脳のリミッターを外す魔法だ。


「はぁぁっっ!!!!!」


下から上へ、重量級の剣が跳ね上がり、オークを下から上へと両断する。そしてそのままの姿勢で瞬時に辺りを見渡し、今にもワイバーンから攻撃を受けそうな冒険者を視界におさめるフラン。


その距離およそ50メートル。ワイバーンの爪が冒険者に振り下ろされるまで0.5秒ほどといったところ。


「…十分だ。」


リミッターを外したフランの脳は思考速度まで加速しており、瞬時に状況の把握、判断、対策を講じ実行に移す。風魔法によりワイバーン迄の道のりに指向性を持たせた竜巻を作り出し、その道筋に沿って【ハウル】を投げ込んだ。竜巻の回転が加わり、ギュュンッッと唸る様な音と共に【ハウル】はワイバーンの胴体を爆砕する。


「【再置換】…よし。」


ワイバーンを爆砕した後、【ハウル】は遥かに飛んでいったはず。しかしフランが言葉を紡ぐと同時に、その手には【ハウル】が握られていた。それはこの剣【ハウル】が特異・・魔法具だからだった。


「(こいつには何度も助けられたな…最後の一仕事も、頼むぞ。)」


フランは爆発的な膂力、脚力でアンデットを屠って回る。時には小規模魔法を幾多にも掛け合わせ、大魔法にも当たらない攻撃。時には遠距離を一点突破し、他の冒険者の補助を。一人でも多く生き残らせる為に。





–魔法登録原書–禁止魔法一覧より


部類:雷魔法


固有魔法名 【雷神の秘薬】


使用・開発者名:フラン・アランドール


概要:脳から出される身体を動かす為、思考する為、判断する為…あらゆる電気信号を雷魔法(厳密に言えば魔力を雷に性質変化させたもの)により強制的に強化・伝達速度向上させる魔法。

精密な魔力操作技術と強靭な精神力を必要とする為、難易度は上級中位魔法に部類。身体向上系の魔法としては異例。


禁止要項:人間の脳の限界を外す為、神経系、身体に多大な負荷が生じる。この魔法の開発者フラン・アランドールはこの魔法に対して幾多の魔法的安全策を講じた上、自身の特異性も合わさって使用可能であるが、その他の者が使用すれば5分と持たずに心停止、機能不全、脳死、全身粉砕骨折、ショック死等を引き起こす。


特例:開発者フラン・アランドールに限り、この魔法の使用を許可する。


–魔法統括院 元老院 魔法開発課–




「(今、私は何匹倒した…五匹?五十匹?…)」


戦場を駆けるフラン。重装備にも関わらずここまで動けるのは単に【雷神の秘薬】のお陰だった。外見上はほぼ無傷、しかしその首元から前面の鎧にかけて血の跡が一筋、二筋と跡が残っている。


「(まだ…あと何匹なんだ?)」


魔物の血は、アンデット化した時点で凝固し身体の内部で固まってしまっている為、フランや冒険者たちが返り血を浴びることはない。ならばその血は何なのか?


「ごふっ…はぁ、はぁ…まだだ。」


胃から込み上げる鉄のような液体。思わずむせるフランだが、口を拭うこともせずひたすら駆け、ひたすら斬る。


「姐さん!!もうやめてください!」

「ランド…か?タップと…マリンは…」

「姐さん…もう目が…」


そこによくパーティーを組んでいた仲間の一人が駆け寄ってきた。しかしフランにはその顔がよく見えなかった。辛うじて声で判断しているようなものだ。随分前から視界が悪くなっていたフラン。それは【雷神の秘薬】の副作用であるが、魔物は魔力探知によって補足している為問題ない。問題あるとすれば今後の日常生活だが、フランはここで尽きる覚悟なのだ。後先を考える必要もなかった。


「皆はどうした、ランド。」

「マリンはまだ戦ってます…タップは…死にました。」

「そう…か。…では私がおちおち休む訳にもいかんな。」

「姐さん…」


ランドという冒険者はそこそこフランとの付き合いが長かった。新人冒険者だったころから面倒を見てもらい、今はこうして肩を並べて戦える程には強くなっていた…筈だった。しかし、フランの実力はまだ先にあったのだ。自分の弱さが嫌になる…ランドはそう思った。


「…お前たちは強くなったさ。」

「え?」

出来損ない・・・・・のわたしに較べれば、よっぽどな…」

「っ!姐さ…」

「生きろよ?」


最後の言葉…そう捉える事が出来るほどフランの状態は酷かった。口からは幾度ない吐血の後。視力はかなり低下して、恐らく身体の機能も低下し始めている。だが尚、フランは止まる訳にはいかなかった。ランドの言葉を遮るようにフランは再び走り出す。


「(あと一回秘薬を使えば確実に死ぬな…だが、それで一人でも多く生き残れるなら!)」


一人でも多く…そう願いながらフランは【雷神の秘薬】を発動しようとした。




「全く…フランは無茶しすぎですね。あとは私がやりますから休んで下さい。」




「…?その声、アロンか?何故こんなところに!」


ふと背後から聞こえた声。それはいつも受付のカウンターで凛と仕事をこなす受付嬢のものだった。いつもギルドで声をかけられる時の声色で…だが同時に驚愕を浮かべる。なぜ非戦闘員のアロンがこんなところにあるのかと。霞んだ視力で姿をはっきりと見る事が出来ないが、恐らく微笑んでいるであろうアロンはこう続けた。



「あ。私が戦えないと思ってますね?まぁ直接戦闘はあまり得意でないですけど…アンデット系相手なら、負ける気はしませんよ?」



思いもよらない助っ人で、事態は大きく動いて行く。





覚悟を決めた人間の出鼻をへし折る…


この世界の人間はあえて空気を読みません 笑

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