9/17
幻想 ヨウカ ハッピーエンド 乱入
「僕、行くよ」
ヨウカの兄を問いただし、お見合い場を聞き、ドラマティックに乱入する。そうすれば、きっとすべては解決だ。
そのためには、ヨウカの兄の足取りを追う必要があるだろう。
『大きくなったらヨウちゃんをお嫁さんにする!』
――待っててね、ヨウちゃん! 決意を固めると、僕は駆け出した。
「あらぼっちゃん」
「ミコトさん」
玄関を出ると、ちょうど彼女が歩いてきたところだった。
本当にメイドさんはいつもニコニコしていて、とても綺麗な人だ。
「ほかの人の婚約者になるお嬢様に会いにいらしたんですか?」
「そうです……邪魔をするなら式神を召喚します」
笑顔で尋ねる彼女に、僕は素直に答えた。
彼女はくすりと笑う。そして、僕の頭を撫でながら言った。
なぜだろう……あの女狐を思い起こす。
「お嬢様は待っています」
「え」
「うそ……」
「言っとくけど婚約を止めにきたんだ。君が悲しそうな顔で気になったから」
照れ隠しでツンケンしてしまう。こんなこと言っては怒らせてしまう。
「それでもいい……来てくれた」
「そっそっか」
それからいつもの通り、学校に来てつかず離れず過ごしている。




