美少女戦隊 4
いつも通り家に帰ると、玄関に見慣れない靴があった。
誰だろうかと恐る恐るリビングに向かうと、そこには綺麗な紫髪の女性が座っていた。
一瞬ドキッとしたがすぐに法事帰りの母親だと気づく。
母は僕を出迎えず、ただテレビを見続けていた。
僕はため息をつく。母さんはいつもそうだ。
仕事や趣味に夢中になって僕には見向きもしない。
いいや女手一つでここまで面倒みてくれて、世の中のネグレクトやら過干渉に比べればマシだ。
生活水準だってドキュメントに出てくるような同年代に比べれば、はるかに恵まれている。
掃除は定期的に雇った人が来るが、いつかは一人でかたずけしないとだ。
食事はいつか一人暮らしするために適度な自炊は必須だとして、今からバイトを探す必要がある。
このまま母親の脛をかじるなんて男としちゃ情けないからな……。
……さらわれる役を承認したやつが何考えてんだろ。
僕は黙々と宿題を済ませて、勉強でわからないところがあるのでたずねる。
こっちから話しかければ一応は話をきいてくれるし……。
「どこがわからないの?」
「えっとさ、筆者の気持ちってところ」
「こういうのは作者は思いついたのを適当に書いてるだけで何も考えてないでしょうけど、“後世に残ればいいと思いながら書いている”とでも書いておけば教師が満足するわ」
世の中の母親はこんなこと答えない気がする。この人やっぱり変わっているなあ。
子供のころは気にならなかったのに、中学になるころには僕は母さんのことがよくわからなくなった。
そもそもこの人は本当に僕の母親なのか? そんな疑問が浮かび上がってくる。
僕が中学2年のとき、母親は何歳だったか? ラノベじゃないんだから、と何度も否定してきたのだ。




