初デート ゆかside
竜樹くんと初めてデートすることになった!
場所は美術館、私は結構美術館巡りがすき
色んな作品に出会えるし、色んな感性が見えるから
竜樹くんは初めて行くみたい
たのしんでくれるといいな、と
髪の毛をクルクル巻きながら考える
今日はハーフアップにして
ニットにタイツを履いてショートパンツ、
ロングブーツを合わせてコートを羽織る
美術館まで車で送ってもらうのでアパートの前で待つ
竜樹くんがきた!
「おはよ、乗って」
ずっと警察官の制服姿を見てきたからなのか
プライベートな一面にまだ慣れずドキドキしてしまう
「お願いしますっ」
「俺、コンサートの時もだったけど今回の美術館もどんな格好していいからわかんなくてググったわ笑」
「ふふふ、この前も今日もいい感じです」
「あ、敬語」
「あっ、…」
「次敬語使ったらデコピンね笑」
「わ、わかった」
竜樹くんが満足気にフッ笑う
え、笑った顔初めて見たかも!!少しだけど……
めちゃくちゃかっこいい……
美術館の近くのパーキングに停めて、
「デートだから手繋いでもいい?」
「…………えー、」
「……ダメか」
「…………あんまりしたことないから」
「わかった、ごめんね、少し浮かれてた」
残念、手繋ぎたかった……
入り口で入場手続きを済ませて
中に入る
「……わぁ、」
次々と展示されている物を見て
しばらく夢中になる
あ!つい、夢中になりすぎて
竜樹くんのこと忘れてた!
キョロキョロと竜樹くんを探すと
展示されている絵の前で鑑賞していた
「竜樹くん、楽しんでる?」
「……うん、意外といいね美術館も」
「ふふ、よかった」
嬉しくてにっこり、竜樹くんを見つめると
横目で見下ろされる姿にまたドキッとする
「腹減ってきた」
「私も」
「パスタ行こうか笑」
「だね笑」
また飽きもせずあの店に行く私たち
もう2度もここで食事をしている
「やっぱ美味しいね」
「ほんとうまい」
2人でパスタを頬張って食べる
竜樹くんは無口で無愛想だっていうけど、
ちょっとした表情の違いがあるし
私は無言でも全然気にならなかった
「この後家まで送っていくけど、なんかしたいことある?」
え……もう帰っちゃうのかな?
「公園お散歩したいです」
「え、犬?笑」
「私がです!!笑」
「公園お散歩ねぇ〜?」
「ダメですか?」
「……いいけど」
なんだかんだ優しいんだもんなぁ笑
「竜樹くん、シャボン玉!」
日曜日ということもあり、子供向けイベントがあっている
シャボン玉が大量に風と共に流れてきて光っている
「おー」
「ふふ!綺麗〜」
手を広げてくるっと反転して竜樹くんを見ると、
かかとからつまづいてしまい、
あっ、!!尻もちついちゃう!!
ぎゅっと待ち構える衝撃に目を瞑ると
「っぶね〜!」
腕を掴まれて寸前のところで転ばずに済んだ
「…ッ!!!ビックリしたぁ〜!」
「はしゃぎすぎ笑」
「ありがとう〜!尻もちつくとこだった!ふふ!」
「鈍臭いな笑」
「ひどい!……まぁ何も言い返せないけど」
「バイオリン弾いてる時は鈍臭そうではないけど笑」
「……なにそれ、嬉しくないんだけど」
「え、褒めたんだけど」
「絶対うそ」
「はは!バレた?笑」
……イタズラに笑う顔にキュンとしてしまった
「帰ろうか〜鈍臭いゆかさんの散歩も終わったし」
「ね〜ひどい!本当失礼だよ?」
「はは!!でもこれが俺の素だから笑
嫌いになる?」
「……それは冗談だってわかるからないけど笑
妹さんも大変そう」
「俺の方が大変だわ、小さい頃からあいつの面倒ばっか見て」
「……少し羨ましいな〜私、一人っ子だから」
「まぁ、騒がしいからうるさいけどな」
話しながら車に戻る
また家まで送ってもらい、
「ありがとうございました、楽しかったです」
「おー、じゃあね〜」
サーっと帰っていく
あっさりしてるよなぁ、なんかモテなそう笑
女慣れしてないようで少し安心材料にもなってしまう笑
家に入り、美術館の余韻に浸る
楽しかったなぁ〜、結局公園まで一緒に着いてきてくれたし
口調の割に優しさを感じるギャップに
ときめいてしまう
もう完全に沼……
「ピンポーン」
……?誰?――――――




