二日酔い 竜樹side
――コンサート当日――
「お兄ちゃんその格好どうしたの!?」
「今日、色々あってコンサートに行くことになって
コンサート 格好 でググったら綺麗めな服って書いてあったから」
「……ふーん」
「うるせえな」
「何も言ってないじゃん」
「顔がうるせえんだよ笑」
妹のまこに格好を茶化されながら支度する
会場に行き、席に座る
親族の席だからかステージにやたら近いような気がする
本番が始まり、指揮者の横で演奏している
なんで指揮者の横なんだ???
初めてすぎてさっぱりわからなかったが
演奏がすごいことはわかった
演奏が終わり拍手をしていると目が合う
それにしても派手なドレスで
豊満な胸がわかりやすく露出している
全ての演奏が終わり、
会場を出ると
副島さんがお見送りをしている
「お疲れ様です」
と声をかけて帰ろうとするが
お礼をするからと食事に誘ってくる
お辞儀をされるたびに目のやり場に困る
あー、別にめんどくさいことしなくていいのにな、
と思い、断ろうとするが上手く断れなかった。
イタリアンの店で待ち合わせになり、
合流してパスタを頼むと、めちゃくちゃ美味い
なんだここ、初めて来たけど雰囲気もよくて
どの料理もハズレがない
少しお酒も進んできたところで
「私と結婚を前提に付き合ってもらえないでしょうか?」
と提案される
おばあちゃんが繋いでくれたご縁だと運命的なものを感じたらしい
それって考えすぎじゃ…………
とりあえずまた押され負けしてしまい、
友達からと連絡先を交換することになった
それから記憶がどんどん曖昧で……
起きたら自分の家で寝ていた
うー、頭がガンガンする……
またしばらく横になる
時間を確認しようと携帯を見ると
[昨日は無事に家に着きましたか?]
副島さんからLINEがきている
[大丈夫です、朝起きたら家でした]
返信してまた携帯を閉じる
次にパッと目が覚めるともうお昼を過ぎていた
昨日の美味し過ぎたパスタが無性に食べたくなり
ランチタイムを狙ってお店に行く
「……うま」
やっぱりめっちゃ美味いわ、ここ
いいとこ教えてもらったな、
[またパスタ食べに来てます笑]
暇なのでまたLINEを送ってみる
[え、誘ってほししかったです笑]
[今家にいるんですか?テイクアウトできるみたいなんで持ってきましょうか]
[いいんですか?待ってますね]
帰りにパスタを持って副島さん家に寄る
確か、この道……不思議と酔っ払って記憶が曖昧でも
通った道は覚えてるもんだなぁと感心する
家に着くと玄関の前で待っている
「まじで待ってたんですか?笑」
「さっき出たとこです」
……明らかにさっきじゃない気配がする
「すみません、待たせて」
「いえいえ、寒いので中入りません?」
「……えぇっと……」
「友達ですから、ね?」
「……そっすね…」
また断れない無言の圧を感じで押され負けてしまう
あんまりこんなことないんだけどなぁ……
中に入ると落ち着いた色の部屋で
大人の女性の部屋という感じがした、
妹の部屋がパステルピンクだらけだからかな……
「こちらにどうぞ、今お茶だしますね」
ソファに座るよう促されて、お茶を出される
「すみません、わざわざ持ってきてもらって」
「いいですよー、よく使われるんで慣れてます」
「妹さんにですか?」
「……え、俺妹いるって言いましたっけ?」
「ふふ、話してましたよ?」
「……あ、すみません、所々記憶があいまいで」
「ふふ、私の心配もしてくれてました」
「俺、変なこと言ってました?笑」
「今の服装とメイクが似合ってるってコンサートの時は派手すぎるって言われました、ふふ」
「……えっ全然覚えてないです、失礼を言ってすみませんでした」
「いえ、あれ、舞台衣装とメイクなので派手にしなきゃいけないんです」
「あ、そうなんですね、初めてコンサートだったんで……、出しゃばってすみませんでした」
「あの、敬語やめません?
それに、名前も呼び慣れないので竜樹くんって呼んでもいい?」
「あ、えっと、はい、じゃあゆかさんで」
「ふふ、敬語も」
「あーうん」
「…………」
「なに?」
急に無言になったので不安になり聞いてみると
「……なんだかドキドキします」
は?
ゆかさんを見ると手で顔を隠して少し顔が赤くなってる
「ゆかさん、敬語やめるんでしょ?」
「……うん、、ふふっ」
なんかこの感じ調子狂うなぁ、ふふって笑われるたび花が飛んでるようなオーラが出ている
「パスタ食べないの?冷めちゃってるけど」
「これは夜食べるの」
あー、もう14時だもんな、流石にタイミング遅かったか
「二日酔いでお昼まで寝てたから遅くなったもんね」
「竜樹くん酔ったらお喋りになってたよ?」
「うわーバレちゃったな〜笑
ゆかさんお酒強いんだねー」
「竜樹くんよりは強かったみたい、ふふ」
クセなんだろうな、ふふってのが
常にニコニコしているような感じだけど
変なとこ頑固で無言の圧がある
なんか俺の中でまだ信用しきれてない
「そろそろ俺帰るね」
「竜樹くん……警戒してるよね、?私のこと」
「……そういうわけじゃないけど」
「私はもっと仲良くなりたいって思ってる」
目を見て話をされる
「ゆかさんは平気で男を部屋にホイホイ入れちゃって
もう少し警戒した方がいいと思う」
「……竜樹くんだからだよ?
私は結婚を前提にお付き合いって言ったよね?」
「でも、友達からって俺は言ったよね?」
「友達を部屋に上げちゃダメ?」
「ゆかさんは男友達を部屋に上げるの?」
「上げないよ?男友達なんていないし、竜樹くんが初めての男友達だよ?これから気をつけたらいい?もう男友達を家に上げないから」
「はぁ…」
なんだか、何も言い返せない
部屋に上がった俺が1番悪いんだけどさ
俺はどっちかというとこう言い負かされる経験をあんまりしたことがない
「竜樹くんに恋人になってもらえたら
その時はまた家に上がってもらう、ね?」
「……」
俺、このまま言い負かされて
恋人になってしまいそうだな笑
「デート、するか……」
「……いいの?」
「いいよ、どこいく?」
結局、場所は美術館になった、
俺はまじで未知の世界
美術館にお金払う意味あんのか?
って思って生きてきたんだけど笑
また【美術館】【服装】と検索する竜樹だった――――




