表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
川で携帯落としてるおばあちゃんを助けたら孫と結婚を前提に付き合うことになった俺の話  作者: koruta5


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/10

出会いと別れ ゆかside




「ゆかちゃん、ちょっと出掛けてくるねぇ」

 そう言って出掛けて行った祖母

 軽度の認知症を患っており祖母にはGPSを付けている

 帰りが遅く、気になって祖母の居場所を確認してみるけど、追跡できませんの表示が。


 ゾワゾワと手汗が出てき始めて

 悪い予感がしてくる、居ても立っても居られず、

 家を飛び出して、探してみる

 キョロキョロと周辺を見てみるが祖母の気配はない

「おばあちゃん、」

 軽く呼びながら10分ほどで行ける距離を隈なく探してみるが見当たらない……


「はぁっ、はぁっ、」

 どうしよう、どうしよう!!!

 私のせいだ!!私が迂闊におばあちゃんを1人にさせたから……!

 警察!!警察に連絡!!

 あわあわと携帯を取り出して、震える手で110――


 ―――ブーブーッ―

 電話だ!!

「副島ゆかさんの携帯でお間違いないでしょうか?」

「っはい!」

「警察です。実はゆかさんのおばあさまが――」

 


「おばあちゃん!!!」

「ゆかちゃん、ごめんねぇごめんねぇ」

 警察から連絡があり、家から20分離れた場所にある

 川の近くでおばあちゃんを発見。

 橋の上から携帯を川に落としてしまったらしく、

 河原の近くまで降りてそわそわしていたところを

 巡回していた警察官の方が発見して

 話を聞きに行ってくれたらしい

 おばあちゃんの手帳に私の電話番号があり、

 おばあちゃんの指示でかけてくれたそうで……


「おばあちゃん、よかった……」

 普段運動という運動をしていないので

 汗だくになってしまった



 

 その捜索事件から3ヶ月後――

 祖母が他界した


 御葬式にはその時巡回しておばあちゃんを

 見つけてくれた警察官の方も来てくれた

 実はあの日からおばあちゃんの様子を見に

 何度か家に様子を見にきてくれていた

 申し訳なくてその都度謝っていたんだけど

 巡回中だから、これが仕事なんですと

 優しく言葉をかけてくれた。

 


 両親が共働きで小さい頃からおばあちゃんによく面倒を見てもらっていた

 中学校、高校と送り迎えをしてもらったこともあり

 私の好きなことをなんでもやらせてくれた

 優しくて大好きなおばあちゃん

 


 小さな頃、テレビで映ったバイオリン奏者を見て

 バイオリンに興味を持った私におばあちゃんが毎月授業料を出してくれた。

 決して安くはない金額で、両親は反対していたが

 おばあちゃんが説得して習わせてくれた。

 それが私のやる気を奮い立たせ、

 今ではプロのバイオリニストになることができた


  両親が忙しいので、こうやって私の仕事がない時は

 おばあちゃんの面倒を見るのが当たり前だった


 御葬式が終わり、

 おばあちゃんの家に帰って

 みんなで軽く荷物の整理をする

 一周忌を終えたら

 この家はかなり古いので

 壊して売地に出されるらしい

 

 おばあちゃんとの思い出の場所

 みんなで思い出話をしながら涙を流した――――



 ―――1週間後――

 おばあちゃんの家に寄ってみると

 近くでキョロキョロしているあの警察官の人がいた


「……こんにちは」

「おぉっ!こんにちは」

「っこの間はありがとうございました」

 おばあちゃんの御葬式に来てくれていたことを

 思い出してお礼を言う


「よかったら少し話して行きませんか?」

 おばあちゃんの家でお茶を淹れて出す

 縁側に座って2人で並んで座る


「実はおばあちゃんからお願いされてまして…

 私が死んだら孫の様子をたまに見に来てくれって

 その時は冗談言って返してたんですけど

 まさかその通りになっちゃうなんてね、」


「そうだったんですね……

 私も今日はたまたまこっちの家に寄っただけで

 いつもはいないので、もうお気遣いなさらず大丈夫ですよ」

 パッと顔を上げて顔を見る

 何回も会ったことはあるのにこんなに近くで話したのは初めてだった……

 綺麗な瞳……


「副島さん、副島さん!」

「……っはい!!」


 私ったら、恥ずかしい!

 じーっと見惚れてしまってた!

 

 

「実は、生前おばあちゃんからコンサートのチケット預かってて……

 最近忘れがちだから、前日に来てチケット渡してくれって頼まれてて、それで……これ返しにきました」


 もう2週間後に迫ったコンサートのチケットだった


「……そうだったんですね、おばあちゃん、

 私に言ってくれたらよかったのに……」

 

「楽しみにされてたみたいですよ」


「……これ、どうせ余っちゃうので

 よかったら、使ってもらえませんか?

 来られなかったら捨ててもらっても結構です」


「……えっ、

 …………俺、コンサートって顔じゃないですよね?笑」


「ふふっ、コンサートって顔で来たらいけないとか

 ないですよっ、ふふふ、」

 少しツボに入ってしまう

 

「俺、もう仕事に戻るんで、

 お茶、ご馳走さまでした」

「はい」


 印象的なシュッとした横顔と綺麗な瞳


 でも、もう会うことはないだろうな……

 

 おばあちゃん、自分が亡くなった後のことも

 私のこと心配してくれてたんだ、

「…………っ」

 また涙が溢れ出す

 こんなに、大切に育ててもらって

 私は少しでもおばあちゃんに恩返しできたのかな?

 思い出の分、たくさんのありがとうと涙が溢れる


 しばらく泣いて落ち着いた後

 気付けばもう外が暗くなり始めている

 そろそろ慣れなくちゃね、

 一人暮らしの家に帰って行くゆかだった――

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ