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【超短編小説】千手観音菩薩Fucksヶ丘

掲載日:2025/12/16

 繰り返し見る夢。

「違う、そうじゃないの」

 泣きながら言う女を俺はどうする事も出来ずにいる。

「何が違うんだ」

 俺は手にした血塗れの釘バットを握り締める。

 巻きつけたテーピングはボロボロになっていて、その釘バットの先端には衣類や皮膚、頭髪が掛かって風に揺れている。

「お前が泣いていたから俺がやったんだ、なのに」

 女は地面に横たわる白い皮膚の巨大な男の手を取って泣いている。

 俺は釘バットを大きく振りかぶり、泣く女の頭めがけて全力で叩きつける。


 繰り返し見る夢だ。

 だがそれも今日で終わりだ。

 俺は燃え盛る本堂を眺めて満足していた。

 焼き尽くせ!アンドロイドの観音よ!

 この世の全てを灰燼に帰せ!

 千手観音菩薩は手にした全ての重火器で辺り一面を火の海にしていた。

「そうだ!これからは仏教国家の儒教思想が世界を席巻するのだ!アングロサクソンの支配など恐れるに足らぬ!」

 国内の宣教師じみた駐日大使どもは死に、イキがっていた外国人たちは処された。

「そうだ!リメンバー生麦事件!立てよ国民よ!奴らにおれたちのケツを舐めさせるのだ!」


 巨大なアンドロイド観音は北方領土を奪還してロシア経由でアラスカに突入した。

 そして瞬く間にアメリカ中の巨大な十字架を引っこ抜き、巨大な方舟をひっくり返し、恐竜に乗る原始人を蟻の様に踏みつぶした。

「いい気味だ」

 今日からユナイテッドステーツ・オブ・ジャパンになるんだよ。

 これは火の七日間と呼ばれいずれ歴史の教科書にだって載るだろう。

 もはや日本人にとってのエロ本だ。

 ユナイテッドステイツオブジャパン!

 星条旗の左上に旭日旗を縫い付けてやる。お前らの家畜人ノベルが書けたら読ませてみろよ、ブロンドもチョコレートも綺麗だったら摘んでやる。



 太平洋を歩いて渡る牛久大仏の群れ。

 空を飛ぶ一億の三十三間堂仏像たちは広大な空を埋め尽くしている。

「いいぞ、もっとやれ!」

 俺は笑っていたはずだが、頬には涙が流れていた。

 俺の青春はもう返って来ない。

 俺が好きだったあの子の青春はもう返って来ない。

 俺が得るはずだったあの子の処女は永遠に返って来ない。

 あの白人の所為だ。

 あのアメリカ人の所為だ。

 アメリカさえなかったら。

 いや、日本が戦争に負けさえしなかったら。

 富嶽なんていらない。

 お前らは千手観音菩薩や大仏に蹂躙され尽くして灰になった街でひとり立ち上がり最初に叫んだ言葉がロックンロールだと言っていればいい。

 それとも冷蔵庫に隠れて凌ぐのか?

 俺の恨みはその程度ってことか?


 とんでもアメリカ映画を量産し続ける映画配給会社に就職したアメリカ人は日本に恨みを抱きながら薄給で買う日本の商売女に射精する月末に死ぬ。

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