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言い訳は「幼馴染」  作者: 双鶴


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21/22

21話

春の校庭は桜の蕾が膨らみ、柔らかな風が吹いていた。昼休み、武田聡太はベンチに座り、サンドイッチをかじっていた。隣には竹田沙織。二人は自然に並んで座り、笑い合っていた。だが、その距離はいつもより近かった。


「ねえ、今日の授業、ノート貸してくれる?」

「いいけど……沙織の字の方が綺麗だろ。」

「でも、聡太の書き方、好きなんだよ。」


その言葉に、聡太は耳まで赤くなる。沙織は楽しそうに笑った。周囲にはクラスメイトがいたが、二人のやり取りは自然すぎて、誰も疑わない――はずだった。


---


午後の授業後。廊下で友達が声をかけてきた。

「なあ、聡太。お前ら、やっぱり付き合ってるだろ?」


その言葉に、聡太は固まった。沙織も驚いた顔をする。周囲の友達がざわめき始める。


「いや、幼馴染だから仲がいいだけで――」


いつもの言い訳を口にしようとした瞬間、沙織が遮った。


「違うよ。私たち、付き合ってる。」


その言葉に、廊下は一瞬静まり返った。友達は目を丸くし、やがて笑い出した。

「やっぱりな!ずっと怪しいと思ってたんだよ!」

「おめでとう!」


歓声が広がる。聡太は顔を真っ赤にしながらも、心臓が温かくなるのを感じた。


---


放課後。体育館の片隅で、二人は並んで座っていた。


「……言っちゃったな。」

「うん。でも、すっきりした。」

「俺、ずっと隠してたけど……もう堂々とできるんだな。」

「そうだよ。幼馴染じゃなくて、彼女として。」


沙織は微笑み、聡太の手に触れた。温もりが伝わり、心臓が跳ねる。だが、その鼓動はもう不安ではなく、確かな決意だった。


---


帰り道。夕焼けの空の下、二人は並んで歩く。人通りが多くても、もう手を繋ぐことをためらわなかった。


「……やっと言えたな。」

「うん。これからは堂々と一緒にいよう。」

「幼馴染じゃなくて、恋人として。」


二人は笑い合いながら歩き続けた。夕焼けの光が背中を押すように、未来への一歩を照らしていた。


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