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言い訳は「幼馴染」  作者: 双鶴


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15/22

15話

冬の体育館は冷たい空気に包まれていた。バスケ部の練習試合が終わり、部員たちは汗を拭いながら片付けをしている。武田聡太はタオルで顔を拭き、ベンチに腰を下ろした。そこへ、見慣れない女子が近づいてきた。


「お疲れさま。すごいプレーだったね。」


声をかけてきたのは、相手校のマネージャーだった。長い髪を後ろで束ね、爽やかな笑顔を浮かべている。聡太は少し驚きながらも答えた。


「え、あ、ありがとう。」


その様子を、竹田沙織は少し離れた場所から見ていた。タオルを片付けながら、視線をちらりと聡太に向ける。胸の奥に小さなざわめきが広がる。


---


試合後の挨拶が終わり、体育館の外に出る。相手校のマネージャーは再び聡太に声をかけた。


「今度、練習試合でまた会えるといいな。」


その言葉に、聡太は曖昧に笑って頷いた。沙織は横で黙っていたが、心臓が少し速くなっていた。


---


帰り道。夕焼けの中、二人は並んで歩く。沈黙が続いた後、沙織が口を開いた。


「……さっきの子、すごく楽しそうに話してたね。」

「え?ああ、ただの挨拶だろ。」

「そうかな。」


沙織は少し拗ねたように視線を逸らす。聡太は慌てて言葉を探した。


「俺にとっては……沙織が一番だから。」


その言葉に、沙織は驚いた顔をしたが、すぐに頬を染めて笑った。

「……そういうこと、もっと早く言ってよ。」


---


翌日。昼休みの教室で、友達が冷やかすように声をかけてきた。

「昨日の試合、相手校のマネージャー、聡太にめっちゃ話しかけてたよな。あれ、怪しいんじゃない?」


周囲がざわめく。聡太は慌てて答えた。

「ち、違うって!ただの挨拶だよ!幼馴染の沙織と仲がいいだけだから!」


沙織は笑顔で頷いたが、心の奥では「幼馴染って言い訳ばかりだな」と少し複雑な気持ちを抱えていた。


---


放課後。体育館の片隅で、二人は片付けをしていた。沙織がふと口を開く。

「ねえ、幼馴染って言い訳、そろそろ限界じゃない?」

「……そうかもな。」


聡太はタオルを握りしめながら答えた。

「でも、バレたら困るだろ。」

「困るけど……私は、彼女として見てほしいんだよ。」


その言葉に、聡太は息を呑んだ。沈黙が流れる。だが、心臓の鼓動は確かに二人を結びつけていた。


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