義理とはいえ妹に嫌われるわけがない!
義理の妹とラブコメ展開なんてよくある話だ。僕もそう思う。少なくとも妹と恋愛なんて考えられない。だけど僕は知っている。今だから言える。ラブコメのヒロインは妹が最高だと。
俺はいつもそうだった。できないことが無い。なんだってやればできると思ってたし実際にそうだった。友達関係や運動、それに恋愛だって全てうまくいく。自慢ではないが俺は顔がいい方だと思う。
俺の名前は黒瀬成。ごくごく普通の高校二年生だ。そんなある日深刻そうな表情をした父さんがいった。「実はお父さん再婚しようと思うんだ。」マジかよ!母さんと別れてから一向に結婚する気のなかった父さんが!?「ま、まぁまずはおめでとう。相手さんとはいつ会えるの?」
俺の反応を見て気が落ち着いたのかさっきより明るい表情でいった。「明日家に来てくれるらしい。そのまま家に住むことになると思う。」は、はぁ~〜?いきなりすぎるだろ!「ちょっ、なんでもっと早く言わなかったんだよ!」「ごめんごめん言おうとは思ってたんだけど、なかなか言い出しづらくて。」ほんっとにこの人は。
「とりあえずそういうことだからよろしくな!」「もうわかったよ。」若干呆れながらも明日どんな人が来るのかと想像しただけで、胸が躍る。
翌日の昼すぎ。「ピーンポーン。」どうやら来たらしい。父さんと玄関にいき扉を開けるとそこには綺麗な女性と、まるで物語の世界からでてきたかのような容姿で、子犬のような可愛らしい目つきの小さな少女が立っていた。
「こんにちは。今日からよろしくお願いします。」そう女性が言った。「こちらこそお願いします。さっここじゃなんですし中にあがってください。」父さんがそう言った。おいおいおい。誰も少女の方に触れやしない。誰なんだこの子は!「ち、ちょっとまってくれよ。この子はなんなんだ?俺は聞いてないぞ。」「あっ、あれ?言ってなかったか?この子は今日からお前の妹になる子だ。だから仲良くしてやれよ。」こ、こいつ〜〜
場所はかわりリビングへといき椅子に座ると向こうの女性が口を開く。「始めまして成君。これから家族としてよろしくね。」「はい。こちらこそよろしくお願いします。」なんだか優しそうな人で安心した。「こらっ、ちよっと陽真莉も挨拶しなさい!」そう言われても少女は喋る気配すらない。「まぁまぁ。いいじゃないですか。初めて会う人初めて入る家じゃ緊張して当たり前ですよ。」そう父さんがフォローをいれた。それからもいろいろな話をすることで緊張もほぐれ家族の親睦を深めていった。そうして夜になり父さんと母さんが寝静まったころにお腹が空いたのでリビングに行こうとすると、その途中で陽真莉に会った。どうやろ陽真莉はトイレからでてきたところらしい。
「どうだ?少しは緊張はとけたか?」「………」相変わらず無視か。「じゃおやすみ。」そう言って立ち去ろうとした瞬間後ろから「軽々しく喋りかけないで。貴方を兄だとは思はない。」え?思いもよらない言葉にふと立ち止まる。後ろを振り返ると少女はもういなかった。