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《 終焉の日 》

あれ? 間違ったページを開いたかなと思われたあなた

いえ、間違いではありません


『航海日誌、宇宙歴418年(西暦2818年)6月2日、宇宙船パーシヴァル号は5回目のワープを終了、最終目的地太陽系に到達した』


デスク上のタブレットに航海日誌を記し、ロバート・モートン船長はコーヒーカップを持ち上げ、窓の外に浮かぶ海王星を眺めた。


「30年振りか・・・ 早く地球のコーヒーが飲みたいものだ」

モートンは化学合成されたコーヒーを一口飲み、顔を顰めた。カップをデスクに置き、日誌の続きを記録しようとした時、腕の通信機が緊急信号を発した。


「モートンだ、どうした」


「船長、火星ステーションから緊急機密通信が入っております」

ブリッジの通信仕官からだった。


「分かった、ここで受ける。回線を繋げ」

モートンはデスク上の赤いボタンを押し、船長室にシールドを張った。


「こちらパーシヴァル号船長、ロバート・モートン中佐。機密措置完了、受信OKだ」

壁のモニターにモートンが話しかけた。


「こちら火星ステーション副指令、ハロルド・ベーカー少将。モートン中佐、緊急事態が発生した。地球で終末兵器が使用され、壊滅的状態に陥っていると月基地から報告が入った」

モニターに映し出されたベーカーの顔は蒼白だった。彼の顔色を見てモートンもただ事ではないと悟った。


「ベーカー閣下、壊滅状態とはどのような状況なのですか? 我々は直接地球へ向かう予定でしたが、一旦火星で待機ということでしょうか?」


「かなり深刻だと言える。その為待機ではなく、火星ステーションで乗客は下船してもらう。そのうえでパーシヴァル号は調査団を乗せ月基地への派遣とする。ただし、月基地での活動が長期に渡る可能性がある為、乗組員に強制はしない。それは君も含めてだ。パーシヴァル号は民間人輸送用の艦艇だ、危険な地への派遣は強制できない。だが、現在火星ステーションには長期派遣可能な船艇が無く、申し訳ないがパーシヴァル号を使うしかないのだ」

モニターの向こうのベーカーの表情は更に険しくなる。


「了解致しました。パーシヴァル号船長として、その任お引き受け致します。艦艇運航に必要な上級仕官に説明し、志願者を募ろうと思いますが、火星に着く前に話してもよろしいでしょうか? その上で、下士官の選定を行い希望を聞きたいと思いますので」

モートンは部下らの顔を思い浮かべ、辛い任務を告げなければと暗い気持ちになった。


「勿論だ、乗組員への説明のタイミングは中佐に一任する。ただし、乗客へは火星に到着するまで全ての情報を伏せてもらいたい。その点だけは乗組員に徹底してくれ。では、調査団の詳細については火星で話そう。以上だ」

敬礼するモートンの前でモニターは光を失った。


モートンはシールドを解除すると、腕の通信機のスイッチを入れ、副長を機密回線で呼び出した。

「パトリック、ブリッジ当直以外の上級仕官を内密に船長室に集めてくれ。くれぐれも他の乗組員に気付かれないように頼む」


「了解しました、直ぐに手配致します」

(これはただ事ではないな・・・)

常にないモートンの緊張した声に、パトリック副長は拳を強く握りしめた。



アエネーイスと会い、別の世界に来たと思っていたエステル

しかしここは・・・

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