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《 魔獣 》

「治療師育成」をジークフリートと共に進めることになったエステル

ウィリアムの配慮で『魔法』の件は公にはなりませんでしたが、また危機が訪れます


治療師育成のための教本作りもほぼ終わり、最終的な講義内容打ち合わせの為、ジークフリートがラスゴーを訪れていた。診療が始まる前にと、早朝からエステルの治療院を訪ねている。


「これが完成した教本です。王城の侍医長とも相談し、初歩的な記述を少し付け足しましたが、ほぼエステル殿が書かれた通りです」

エステルの原稿を見た侍医長が、このままでは専門的過ぎて理解出来ない者が多いだろうと、基礎的な注釈を所々に付け加えたのだった。それほどにマーリンから教わったエステルの医学薬学の知識は高度なものだったのだ。


エステルがジークフリートとの打ち合わせを進めていると、治療院の外が騒がしくなった。急患でもあったのだろうかとエステルが表に出ると、武具屋の親父が警護の兵士と揉めていた。


「どうしたんですか? 親父さん」


「すまんエステルさん、力を貸してくれ。アンタしか頼れる者が居ないんだ!」

親父は切羽詰まった様子で縋るようにエステルの手を取る。


エステルはジークフリートに一言断りを入れ、診察室で親父の話を聞いた。親父の息子アレンが2日前の朝から湖に釣りに行ったきり帰らないと言う。心配した親父が砦に捜索を頼んだが取り合ってもらえないのだと。


「大の男がたった2日帰らないからって騒ぐほどの事かと言うんだ。だが、アレンは妹の誕生日に好物の魚を食べさせたいと出かけた。例え釣れなくても夕方までには絶対に帰る筈なんだ」


「そうですね、アレンさんが妹さんの誕生祝に遅れる筈はありません。私からも捜索をお願いしてみましょう」

エステルはジークフリートに事情を説明する為に戻ろうとしたが、すでに彼は診察室の戸口に立っていた。


「聞こえていたよ、私も一緒に砦に行こう。小隊長、エステル殿とその方を馬車に案内してくれ」


エステルは万一の為にと薬剤と飲料水などを用意し、肩掛け鞄にアベルとそれらを入れた。ジークフリートの後を追って外に出ようとした時、壁に掛けた剣が目に入った。


「必要ないと良いけれど・・・」

エステルはそう呟いて剣を手に馬車に急いだ。



エステルがアレンの人柄を説明し、改めて捜索を依頼すると隊長は直ぐに手配をしてくれた。ジークフリートが口添えしてくれていたようだ。


「親父さんは家で待っていて下さい。私も捜索に加わりますから」

エステルの手を取って感謝する親父にそう言って笑いかけ、砦が用意してくれた馬に向かって歩き出した。


「エステル殿、私も行こう」

ジークフリートが声を掛けてきた。


「ダメです。以前私が申しあげたことをお忘れですか、殿下」

エステルは厳しい顔でジークフリートを振り返った。


「私が行くと足手まといか・・・」


「お分かりのようで安心しました」

シュンとするジークフリートに優しく微笑み、エステルは走り去った。



湖は静まり返っていた。

湖畔には釣り具と荷物が散らばっていたが、アレンの姿はない。


「やはり何かあったようですね」

捜索隊を率いる伍長がエステルを振り返った。

「荷物に噛み跡があります。血痕は無いから無事に逃げ延びていると良いが・・・」

とは言え、未だ帰宅できない状況下にあるのは間違いない。

捜索すると森に近いところにバラバラになった釣り竿が落ちていた。襲われた際に防御に使ったのだろうか。


(探すとしたら森ね・・・ でも、静か過ぎるわ。鳥の声も聞こえない)

エステルは魔法で周囲の気配を探った。いつも居る妖精たちの気配もなく、森は静まり返っていた。


「十分警戒をしながら森を捜索しろ」

伍長が号令をかけ、5名の兵士が横に広がって森に入って行った。

エステルも気配を探りながら彼らに続く。森に入ってしばらくして一つの気配を感じ取った。かなり高い位置だが鳥にしては大きい。気配に近づくとそこには大木がそびえていた。


エステルは鞄からアベルを出した。

「アベル、上を見てきてちょうだい。用心してね」


「ミャ~」

一声鳴いてアベルが木に駆け上っていく。


「どうかしましたか? エステルさん」

兵達も集まってきた。


「木の上で何か動いたような気がしたんです。もしもアレンさんなら、うちのアベルが懐いているので見に行かせたんです」


「猫をねぇ~」

一人の兵が呆れたように呟いた時、上から声が降ってきた。


「もしかしてエステルさんがいるのか!」

掠れてはいるが、確かにアレンの声だった。


「アレンさん、下は安全です。アベルを抱いて降りて来て下さい」

大きくはないがよく通る声でエステルが答えた。


木の上方で葉が揺れ、男が姿を現した。地上近くになるとアベルが男の腕から飛び出してエステルの肩に飛び乗った。エステルは微笑んでアベルの頭を撫でてやった。


「アレンさん、無事でよかった。親父さんが心配していますよ」

エステルがアレンに水を渡しながら声を掛けた。


「ヤツがいつ戻ってくるかわからん。早く逃げないと・・・」

アレンは水を一口含み、不安げに周りを見回した。


「やはり何か居たんだな。詳しい話は後だ、急いで撤収しよう」

伍長が命令し、ふらついているアレンを兵士が両脇から抱える様にして森を出た。馬を繋いでおいた所まで来た時、エステルは森からの気配を感じ振り返った。


「ブラックドッグ・・・」

エステルの呟きと魔獣が咆哮を上げたのがほぼ同時だった。恐ろしい咆哮に皆も一斉に振り返る。


「ヤツだ! ヤツが戻ってきた!」

アレンが悲鳴を上げる。


エステルは鞄にアベルを入れアレンに渡すと、隣の兵が持っていた弓を取り上げ矢を番えた。


「皆、ここを動かないで。あれは馬よりも早いから逃げては返って危険よ」

そう言いおいて、エステルは弓を引き絞りながら魔獣にゆっくりと近づいて行く。


魔獣は怯えて嘶く馬達に気を取られているようだった。エステルは静かに横に移動し矢を放つ。矢は魔獣の右目に命中した。


「ギャオー!」

魔獣は刺さった矢を抜こうと狂ったように頭を振り咆哮する。


「こっちよ! 来なさい!」

アレン達から十分離れると、あろうことか、エステルは大声で魔獣を呼んだ。

魔獣が声に反応し、エステルを見据える。まるで俺を射たのはお前かと言わんばかりに。

次の瞬間、魔獣は矢が刺さったまま、エステル目掛けて突進してきた。

それを待っていたかのようにエステルも腰の剣を抜いて魔獣に向かって走り出す。


「「「やめろ!!」」」

兵士とアレンが叫んだ。アベルは鞄から出ようともがいたが、アレンがしっかりと抱きしめていて出られない。


魔獣が大口を開けてエステルに飛び掛かった刹那、エステルは魔獣の下へとスライディングした。滑り込みながら剣を逆手に持ち魔獣の胸元目掛けて突き上げる。


「ギャオ~!」

断末魔の叫びを上げて魔獣が地面に転がる。エステルは返り血を浴びぬように反対側に転がり出た。


「「「やったー!!」」」

歓声が上がった時、森から黒い影が歩み出てきた。


「二匹いたのね・・・ 参ったな」

エステルは気配を感じ取れずにいた自分に苦笑いした。


魔獣は警戒するようにゆっくりとエステルに向かって来る。エステルは倒した魔獣を飛び越え、ヤツの胸に食い込んだ剣を抜こうと右手を伸ばした。魔獣は剣に気付いたのか、猛然と走り出した。

その時、魔獣とは別に自分に向かって来る者が居ることにエステルは気付いた。


「殿下?!」

横から魔獣とエステルの間に飛び込もうとしていたのはジークフリートだった。


「困った人・・・ しょうがないわねぇ」

エステルは不意に可笑しくなり口元を緩めた。


剣に届きかけていた右手をジークフリートに向けると、彼の腕を掴み倒れている魔獣の裏側に投げ飛ばした。草地だから大怪我はしないでしょう、エステルは呑気にそんなことを考えていた。


次に左手を飛びかかってくる魔獣の鼻先に向け、呪文を二つ立て続けに脳裏に記した。

今にもエステルに食らいつこうと大口を開けた魔獣が空中で静止した。多くの者が見ているが、魔法で止めるしかないとエステルは腹をくくったのだが、その時思いがけない事が起こった。

魔獣が静止した瞬間、誰かが魔獣の横腹に体当りをしたのだ。宙に浮いていた魔獣が動けぬまま地面に転がる。エステルは魔法で右手に現れた剣ですぐさま魔獣の心臓を貫いた。


体当りをした男は勢い余って草原に転がっていた。


「アレックス?!」

体を起こしたジークフリートが目の前に転がった男に呼び掛ける。


アレックスと呼ばれた男は直ぐに立ち上がり、ジークフリートに駆け寄ると片膝をついた。

「ジーク様、お怪我はございませんか?」


エステルはぼんやりと二人のやり取りを眺めていた。あのタイミングなら、離れて見ていた者とジークフリートは、魔獣が静止した事には気付いていないだろう。でも、この人は・・・


「エステル殿、お怪我はありませんか。この者はウィリアム兄上の側近でアレックスと言います」

エステルが黙っているのは、男の素性を怪しんでいるからと考えたジークフリートが説明をした。


「ウィリアム殿下の・・・ そうですか、お陰で助かりました」

そうか、ウィリアムの側近ならば既に知っている可能性もあるか・・・ ならば、自分から話題を振るのはやめようとエステルは考えた。


「すみません、エステル殿。やはり私は貴女の足を引っ張ってしまいました・・・」

自分を安全な場所に投げるために、エステルが剣を掴もうとしていた手を離したことをジークフリートは知っていた。余計な真似をして返って彼女を窮地に立たせたことを心から恥じていたのだ。


あちこちに草が付き、居た堪れない顔をしているジークフリートを見て、エステルは可笑しくなり微笑んでしまった。

思いがけないエステルの笑顔にキョトンとしたジークフリートの前にエステルの手が差し伸べられた。


「殿下、お怪我はありませんか。さぁ、早く帰りましょう」



エステルは早くアレンの診察をしたいからと直ぐにラスゴーの街に向かった。砦の兵士一人が念の為にとついて来る。幸いなことに、比較的近くに居たアレンや砦の兵士もジークフリートと突然走りこんできた謎の男に気を取られ、魔獣が停止したことも剣が突然エステルの右手に現れたことにも気付いていなかった。


アレックスは残りの兵士4人に湖に通じる道の封鎖を命じ、付近の住民が獣の死体を目にすることが無いようにした。さらにジークフリートの警護を近衛騎士団に任せると、エステルを追って馬を走らせた。

ラスゴーの街に入る少し手前でアレックスはエステル達に追いついた。


「すみませんエステル殿、二人で少しお話が」

一行を呼び止めたアレックスがエステルに申し出た。


「『あの獣の事は内密に』ですよね。アレンさんにも既にお話ししています。正体が分からぬうちにラスゴーの者に不安を植え付けてはいけませんから」

エステルがそう答えると、彼女の馬に相乗りしているアレンも頷いた。彼も軍隊にいたのでその辺のところは心得ていたのだ。


「治療院に着いたらアレンさんのお宅には使いを出します。親父さんがみえたら、見慣れぬ獣に追われて木に登っていたとだけ話してもらう予定です。二日間飲まず食わずだったので、しばらく治療院で様子を見るからと言えば納得されるでしょう。それくらい時間を稼げば、砦がどう発表するか判断されるのでは?」


既に砦の出方まで考慮して対策を立てているエステルにアレックスは舌を巻いた。


「ご配慮有難うございます。砦に死骸の回収を命じ、軍関係者以外の目に触れぬように迅速に処理させます。発表についての見解が纏まり次第、エステル殿にご報告させて頂きますので、それまではアレン殿の保護をお願い致します」

アレックスはエステルに頭を下げると砦に向かって走り去った。



ジークフリートは砦に戻る道すがら、己の行いを恥じていた。ついて来るなと言われたのに、エステルを守るのだと近衛兵を引き連れて追いかけてきた。

彼らが到着した時、頭部に矢が刺さった大型の獣がエステルに向け飛び掛かっていくところだった。


「エステル殿!」

馬で駆けこもうとするジークフリートを脇に居た近衛小隊長が阻んだ。


「何をする!」

ジークフリートは怒って小隊長の胸倉を掴んだ。


「殿下、落ち着いて下さい。もう決着しましたよ」

小隊長の声に前を向いたジークフリートの耳に、捜索隊の兵達が上げる歓声が聞こえてきた。エステルはと目をやれば、横倒しになった獣の傍らに手ぶらで立っていた。

ホッとして馬を進めようとした時、ジークフリートは森から現れたもう一頭の獣に気付いた。馬に鞭を入れ猛スピードで駆けだしたジークフリートを止められる者はいなかった。


獣の恐ろしい容貌に馬が尻込みした為、ジークフリートは直前で馬を飛び降り、エステルと獣の間に走り込もうとした。自分が盾になればその間にエステルが剣を握れると思った時、エステルは剣ではなくジークフリートの腕を掴んだ。何故?と思う間もなく後方へと投げ飛ばされる。ようやく体を起こした時、獣は胸を貫かれて地面に転がっていた。どうやってエステルが獣を倒したのかは分からなかったが、自分の愚かな行動のせいでエステルをさらに危険な状態に追い込んだのは間違いなかった。


「何故、エステル殿は笑っていたのか・・・」

駆け込んできた自分の腕を掴む時もエステルは穏やかな顔をしていた。いや、笑っていた。獣を倒した後も、叱責を受けるだろうと覚悟していたのだが、エステルは笑顔で手を差し伸べてくれた。


「怒る価値もないと呆れられたのかな・・・」

すっかり自信喪失したジークフリートは、エステルに別れの挨拶をすることもなく、砦に戻って来たアレックスと共に魔獣の報告の為に急ぎ王都へと帰るしかなかった。




【 やっと帰って来たわね、エステル 】

アレンを連れて帰宅した時、エステルの頭にシルフィーの声が飛び込んできた。急用があり朝から待っていたのだと言う。診察が必要な患者が居るから少し待って欲しいと告げ、知らせを受けた武具屋の親父がアレンと話している隙に奥の部屋でシルフィーの話を聞いた。


早朝、森の精霊ドライアドからアエネーイスに魔獣の報告が入ったそうだ。人間が森に取り残されているとの事で、エステルに知らせようとシルフィーが差し向けられたのだが、行き違いになってしまった。

ドライアドによると、魔獣は森の北側からやって来たと言う。二頭で来る場合が多いが、一頭の事もあり、総数は分からないとの事。


【 北? あの森の北って国境よね。アイルレアから来たってこと? 】


【 たぶんね。あの辺り、瘴気が立ち込める所があって、私達もあまり近づかないのよ 】

いつもではないが、たまにかなり濃い瘴気が立ち込める為、妖精達も寄り付かない場所があると言う。

妖精が近寄らない程の瘴気が濃い場所。この世界の遥か昔と繋がっているのか、それともエステルが居た世界の過去となのか・・・ 




「アレンさん、湖のほとりからあの大木までよく逃げられましたね」

武具屋の親父が帰った後で、アレンに早めの夕食を振舞いながらエステルが尋ねた。


「ちょうど大物を釣り上げた時に後ろから凄い唸り声が聞こえたんだ。慌てて振り向いたもんで、勢いよくアイツの鼻先に魚を投げる形になってさ。俺が滅茶苦茶に釣竿を振り回した拍子に、魚が外れて釣針がアイツの鼻の孔に引っかかったんだ。針を取ろうとアイツが顔を地面に擦り付けてる隙に俺は森へと走った。デカいとはいえ犬だ。木には登れないと思ったが、細い木じゃ体当りされたら折れると思い、あの大木まで必死で走ったよ。下で唸っているかと思えば数時間静かだったり、中々降りる切っ掛けがなくてさ。もし親父が探しに来たらどうしようって考えてる時にアベルが登って来たんでマジ焦ったよ」

シチューを頬張りながらアレンが状況を話す。


「湖畔の荷物に噛み跡があったので、大声で呼びかけられなかったんです。アベルはアレンさんに懐いているから探してくれると思って」

エステルは膝で寛いでいるアベルの頭を撫でた。実はアベル、つい先ほどまでかなりむくれていた。エステルが魔物を挑発した時、鞄から出してもらえなかったことを怒っていたのだ。いつもより大きな干し肉をもらってようやく機嫌が直ったところだった。


「それにしても、アイツはどこから来たんだろう? あんなデカい犬がいるなんて聞いた事もない」


「そうですね・・・ あの二頭だけだと良いんですけど。いずれにしても砦から捜索隊が出るでしょう。アレンさん、怪我はないとはいえ一睡もできなかったんです、診療用のベッドですみませんが、早めに横になって下さい」

念のため、食後のお茶に安定剤を入れておいたので、アレンはもう眠そうだった。


夕飯の後片付けをしながらシルフィーとの会話を思い出していると、診察室からアレンの声がした。起きたわけではなく、うなされている様だ。平気だと口では言っていたが、極度の恐怖に長時間晒されたのだ、神経が参っていて当然。エステルはアレンの頭に手をかざし、脳裏に呪文を記した。安らかに眠れるようにと。



翌日の午後、砦から知らせが届いた。

死骸の回収と並行して、精鋭を揃えた捜索隊を森に派遣したが、成果は無かったそうだ。アレンが登っていた大木の周りには大型の獣が歩き回った跡があり、踏み荒らされた跡は森の北側に続いていた。国境手前まで追跡したものの越境は断念した為、残党が居るかは確認できなかったと。

アレンを襲ったものについては、『稀に確認される異常に大型化した狼』に遭遇したものとするとのことだった。


「まぁ、そういう説明しかできないわよね」

エステルが報告書をアレンに渡した。


「仕方ないさ、あんなバケモノが出たなんて言えないものなぁ。だが、もう現れないとは言えないし、あの湖にはラスゴーの者もよく行っている。何か理由を付けて立ち入りを規制しないとな。じゃ、俺もそろそろ家に帰るとするか。エステルさん、本当に世話になった、有難う」

アレンが立ち上がりドアに向かおうとする。


「アレンさん。お願いした通り、獣を倒したのは砦の兵士と言うことにして下さいね」

エステルが念を押した。


「でも、エステルさんが王都の武術大会で優勝した事は有名だぜ。砦の兵士より強いのをみんなが知ってる。構わないんじゃないか?」

エステルの武勇伝を話したくてたまらないアレンが反論する。


「『狼殺し』なんて変な二つ名がつくのは御免被るわ。私は治療師なのだから」

エステルは腰に手を当て、怒った顔をした。


「分かった、分かった。エステルさんは『最強の治療師』さ!」

笑いながらアレンは手を振って帰って行った。




ジークフリートに対するエステルの気持ちが、少し変わってきたようです

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