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神楽坂クロの逆襲

 「あぁぁぁぁずぅぅぅぅさぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 俺は声を上げながら、怒りに任せて屋上の扉を押し開けた。その理由は簡単だ。俺が二階から落ちた直後、あずさのやつからこんなメールが届いたからだ。


 『やっほ~不幸な目にあった~(; ̄ー ̄)?もしあってたら~その原因、実は私でした~(* ̄∇ ̄)/ざま~みろ~\( ̄▽ ̄)/悔しかったら来てごらん~ヾ(´ー`)ノ』 


 そして扉を開けると、アイツスザクたちとのんきにお菓子をつまんでいた。


 「ああおかえり。意外と早かったわね。食べる?」


 「てんめぇぇぇぇぇ!!!」


 「まあ落ち着けクロ。ほらとりあえず座れ」


 「そうだよクロ。ほらポッキー」


 「ポッキー・・・何か思い出しそうな気が・・・」


 ああこいつら見てると怒ってる自分が馬鹿みたいに思えてくるわ。


 「ほらほら。殴るんでしょ~?殴れるモンなら殴ってみなさいよ~その代わり、その瞬間アンタの退学決定だからね~」


 「っく・・・・」


 あの野郎、脅しまでかけてきやがった。


 「それに、あれにだってちゃんとした理由があるのよ。ほら、一旦座る」


 「・・・はいはい」


 あずさに言われ、俺はしぶしぶ地面に胡坐をかいた。


 「では実験内容を発表しま~す!」


 「「いえ~~!!」」


 「お前ら本ッ当に乗りいいよな」


 「・・・い、いえ~・・・」


 秋風さん、小声で無理しなくていいよ。


 「今回のテーマは、『クロが神様レンタルの契約を破ったら?』でした!そしてその結果は・・・大成功!!予想通り、クロが約束を破ると力がマイナスに働いて彼はどんどん不幸になります!!」


 「「やっほ~~~!!」」


 「テメェら人の不幸を笑うんじゃねぇ!!」


 そのせいで安西先輩どっか行っちゃったんだぞ!どうしてくれんだよ!!

 

 「実は私達、ここからずっとあんたの様子見てたんだけどさ、すっごい面白かったよ。特にアンタが美恵子と喋りながらキモチ悪いくらいのにやけ顔してたときなんか笑いが止まらなかったわよ」


 最悪のシーン見られたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!恥ずかしいわ!もう恋とかどうでもよくなるくらい恥ずかしいわ!!穴があったら埋まりたいわ!!


 「更にアンタがその顔で2階から落ちたときなんか、ビデオにとって無かったことを後悔したくらいよ。本当に惜しかったわ」


 なあ誰か教えてくれ!俺一体どんな顔してたんだ!?


 「あずさ・・・いつか復讐してやる・・・」


 「できるモンならやってごらん!ただしそれができたらねぇ」


 クソォ・・・こうなりゃどれだけの時間かけてでもアイツの弱点探してや・・・ん?


 「くぅ~ん」


 俺が開けたっきり開きっぱなしだった扉からさっきの毛がもこもこした子犬が入ってきた。ついてきちゃったのかな?


 「わぁかわいい~ほらワンちゃんこっちおいで~」


 「あんあん!」


 「うわ~かわいい~!よしよし」


 スザク、秋風さんが子犬のもとに二人そろって犬を撫ではじめた。やっぱ女子って動物好きなんだな。

 そんな中、あずさだけが引きつった笑みを浮かべ一切子犬に近寄ろうとしなかった。いやむしろ徐々に子犬から離れていた。


 「・・・あずさ。どうした?犬触んないのか?」


 「えっ!?いや~その~え~と・・・そう気分!私は今日そう言う気分じゃないからパスさせてもらうわ!!」


 「・・・・ほう」


 なるほどな~そういうことか~


 「ほ~ら犬~こっちおいで~」


 「ば、バカ!!アンタ何呼んでんのよ!?」


 俺の呼びかけにこたえ足元まで来てくれた子犬を抱えながらゆっくり、そうゆっくりと俺はあずさに近づいた。俺が近づくに比例してあずさも後ろへ後退する。やっぱりそうだ。アイツは、犬が苦手なんだ!!まさか、


 「まさかこんなに早く復讐する機会が訪れるとはなぁ」


 「や、やめてよぉ・・・ちかくにこないでぉ!いぬいああ!!」


 あ、あの気丈なあずさが幼稚園児みたいな反応をし始めた!?これは、予想以上だぞ!!


 「ほれどうした~?かわいいワンちゃんじゃねぇか~?」


 「いあああ!!こないでぇぇぇぇぇ!!ふ、ふえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」


 とうとう俺に背を抜け走り出したあずさを俺も負けじと追いかけた。

 きっと今のこいつの言葉を文章にしたら全部平仮名なんだろうな。


 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 「・・・・・」


 「こないでぇぇぇぇぇぇぇ!!」


 「・・・・・」


 やっべ、なんか楽しくなってきた!!


 「もういいだろ」


 「いった!」


 竜馬に頭を叩かれせいで抱えていた子犬が俺の手をすり抜けあきかぜさんたちの元へ行ってしまった。


 「クロ、さすがにもういいだろ。あずさだって反省してんだから。ほれ」


 「う、ぐす・・・ごめんなさぁぁぁい!もおわるいことしませんから!だから、だからゆるしてぇ!ふ、ふえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」


 竜馬の指差した方向を見ると屋上の隅っこであずさがわんわん泣いてた。さすがにやりすぎたかなと思う反面、もうしばらくしたら、またあの姿を見たいなと思う不思議な感情が俺の中にあった。

あ「ぐす、ふぇ・・・こあかったよお・・・」                 

ク「ああ、ごめん・・・さすがに、やりすぎた」                

あ「ぐすす。こ、これからはあーちゃんをこわがらせちゃだめなんだからね!!」                                  

ク「はいはい。分かりました。・・・ってあーちゃんて!?」                    

あ「と、とういことで、じかいもよおしくおねがいします!!」

 

 

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