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聖女。

 ガッシュにいさんが一番に貰われていった。


 マイアもオルテも貰い手が決まったらしい。


 あたしも誰かに貰われていくのかな?


 そうだよね。ここにはもう二匹猫がいるんだもん。子猫は貰われていく運命だよね。


 レイアと離れ離れになるのはちょっと嫌だなぁ。


 貰われていった先でいじめられないかな。


 そんな不安な気持ちの中、レイアと奥様レテシアの会話が聞こえてきた。



「いやー。ミーシャはわたしのー」


「まあ。わがまま言ってはいけませんよ? あなたにはお世話が出来ないでしょう?」


「ダメー。ミーシャは命の恩人だよ? わたしの大事なミーシャよそにあげたりしないでー」


「また。ミーシャは猫なんですよ? それはあなたの夢ですよ」


「夢の中でもいいんだもん。わたし助けてくれたのは金色の聖女さまだもん。ミーシャが金色聖女さまなんだもん!」


 え?


「まぁ。金色聖女さまが猫だなんて。そんな筈がないでしょう? あなたの傷が治ったのはきっとあなたの中に眠っているチカラが発現したのだとお医者さまも言ってましたけど……」


「わたしの中?」


「もしかしたらあなたには聖女さまの加護があるのかもしれませんね。それでそんな夢をみたのかも」


「わたし、お世話頑張るから。お願いおかあさま。ミーシャをわたしの猫にして!」


「しょうがないですね。わかりました。しっかりお世話するのですよ?」




 そっか。


 あの時の事はそういうふうに片付いたのか。


 確かにね。


 服に血がついてるのに何処にも傷が無いなんてあり得ないしね。


 考えてみればあたしのお母様の家系能力が聖魔法系だったから、あたしもその血のおかげで聖女なんて呼ばれてたわけだしね。


 レイアはレテシアの子、で、レテシアの母親とあたしのお母様は姉妹だ。


 だからレイアが次代の聖女になってもおかしくないわけだ。


 それなら。


 もしかしたらレイアと一緒にいれば、あたし少しくらいチカラ使ってもごまかせる?


 それはそれでちょっといいかも。





「ミーシャー。遊ぼ」


 あたしが寝床で寝てるとレイアがやってきてヒョイっと抱きかかえられた。


 まああたしいまちっちゃいし。


 大人の人だったら片手に乗るくらいの大きさしかないし。



 レイアに抱っこされてそのままベッドルームに連れていかれて、お布団の上にぽすん、と、置かれた。


 レイアもドンってベットに乗って。


 その可愛い顔をあたしのすぐ近くまで寄せてくるレイア。



「ねえ。ミーシャ、また金色になってみて?」


 そう言った。

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