闇
今日も今日とて挑んだ勇者ちゃんですが、奇妙な事が発生します
今日も今日とて金髪碧眼の美少女勇者ちゃんは、黒髪黒目の美少女に挑んできたのだ。
対する魔王ちゃんは仏頂面で玉座に腰掛けていた。今日もあんまりやる気は無いのだが、魔王を倒せばどんな願いも現実に出来るという話がある限り挑戦してくれば受けて立たねばならない。
炎が背後に浮かぶ勇者ちゃんはやる気満々に長剣を構え、魔王ちゃんに突撃してゆく。
対する魔王ちゃんも玉座から立ち上がると手のひらに闇を集束させて彼女に叩きつける。力と力がぶつかり合い、反発し爆流を生み出し。
何と玉座の間を全て闇で満たしてしまい、二人は大慌てで脱出したのだった。
◇◇◇
困った状況に二人は顔を見合せていた。それはそうだろう。何せ暗闇が広い部屋を満たしているなんて混乱しかない。
勇者ちゃんは顎に手を当ててうろうろ。魔王ちゃんは腕組みして唸っている。
やがて魔王ちゃんはぱちんと指を鳴らし闇の中へと入ってゆく。勇者ちゃんも勝負がお預けなのは腹が立つので一緒に向かう。
ガガガガッッ!!
そんな音と共に。若干ずたぼろの二人が闇から出てきた。何故か魔王ちゃんはちり取り、勇者ちゃんはカラーコーンを持ってだ。
二人は地団駄して不機嫌になると。持っていた者を投げ捨ててさらに闇へと侵入する。
ギョリギョリギョリ!!
その音と共に二人が闇から何か持って転がり出てくる。魔王ちゃんはお玉、勇者ちゃんは爆弾だ。二人共更にぼろぼろの姿でうんざりと首を振りながら。再度闇の中へと入ってゆく。
ゴンキコゴンキコ!!
そんな音が中から響いた後、またしても二人が投げ出されてくる。今度はぼろぼろな上に煤けた二人。勇者ちゃんがヤカンで魔王ちゃんがひまわりを一輪持っている。煤にまみれた顔を拭いながら、魔王ちゃんはひまわりの先を勇者ちゃんの顔面に向けて怒る。勇者ちゃんはそれについては頭を左右に激しく振って平謝りだ。
魔王ちゃんはマントを翻しつつもう一度闇の中へと向かう。勇者ちゃんも後を追った。
ドガ! ドガ! ギコギコ!!
更なる珍妙な音の後、ちょっと遅れて。髪がちりちりに焦げた魔王ちゃんとずぶ濡れの勇者ちゃんがよろけて出てきた。
魔王ちゃんは髪が焦げてご希望斜めのようだ。糸ノコを振り回してご立腹。
対する勇者ちゃんも。黒板消しを片手に水を吐いていた。
とりあえずもう一度。二人はそう顔を見合せるとまた闇の中に向かってゆく。
きょるりおおおおおおッッ!!
次はそんな音の後、魔王ちゃんと勇者ちゃんが投げ出されてきた。今度はそれぞれ鼻眼鏡を着けて、二人共鼻血を出しながら起き上がる。そして闇に向かって蹴りを放った。魔王ちゃんはちょっと品のある蹴り方だが勇者ちゃんは完全にヤクザキック。顔『だけは』美少女ちゃんなのだが台無しだ。
とりあえず鼻眼鏡をひっぺがして地面に叩きつけ地団駄で踏み潰しつつ。二人は腕組みをして唸る。魔王ちゃんは人差し指で二の腕を叩いているところから、結構頭に来ているのが見て取れる。
勇者ちゃんと魔王ちゃんは顔を見合せ息ぴったりの悪い笑顔で頷くと。それぞれ得物を取り出した。
魔王ちゃんは雷をくしゃくしゃに丸めたような巨大な球電。
勇者ちゃんは両手にロケットランチャーだ。
魔王ちゃんは球電を叩き込み、さらに創り出して闇にぶち込んでゆく。
勇者ちゃんも負けじと両手のロケットランチャーを連射して――両手で出来るものなのだろうか?――まぁとにかく、弾をぶちかます。
ズガガガガガガガガッッ!! ドガドガドガッッ!! ガギガゴガギガゴガギガゴッッ!! ズゴドベビバゲキボカッッッッ!!
どれぐらい攻撃が続いただろうか? いつしか外の太陽が傾いて来た時、やっと二人は体力が尽きて動きを止めた。
ぜえはあと肩で息をしながら額の汗を拭い得物を捨てる二人。お互いを見合うと今度は魔王ちゃんは巨大火球を。勇者ちゃんは身の丈を超える大剣を。それぞれ別の得物を持って闇の中へと最後の攻撃をしかける。
ドンチキプップクポンポカギコギコバコスクドバクスゴキゴキベコベコバキバキチャカポコチャカポコドンドンバコバコチャカポコチャカポコポコスカポコスカトットコチキチキカンカンダンダンピコピコにゃんにゃんペンスケペンスケキコキコズリーンガガガガギリリリスパンスパンバコバコチャカポコチャカポコドンドンスットコスットコパリーンバコスクチャキチャキドチャポコラリラリゴロゴロバキバキダンダンピコポコガギガゴガガガガギガゴゴドンチキパカスカデケデケメケメケボケスットコバコスクチャキチャキドチャポコチャカポコプレキョスガガガガチンドンチンドンドンドンゲコゲコまんまんまんまんまんまんまんまんまんまんきょるりおおおおッッッッッッッッ!!
……そんな轟音が闇の中から鳴り響いた後。結局二人は出てくる事無く静かになり。闇はそのまま尚、在り続けたのだった。
また更新は不定期に行いますね