第七話 「迷宮と冒険者」
「さて、今日は迷宮の事だったわね」
「ああ」
「まず、場所だけど、迷宮の森に二ヶ所。王都の直上の森付近に1カ所。計3カ所ね」
「そもそも、迷宮ってなんなんだ?」
「迷宮は、神が与えた試練って言われているわ。5階層ごとに一際強い魔物がいて、そいつを倒すと、なんらかの報酬を貰えるわ」
「例えば?」
「迷宮の森にある迷宮の、片方は『魔法の試練』。報酬は、魔力上限が上がったり、新しい魔法を教えて貰ったりね。
もう片方は『剣術の試練』。こっちの報酬は、武器や防具などの物が多いわね。
最後の迷宮は、『勇者の試練』。こっちは、『弱者が強者に勝つ為の術』を教えて貰えるらしいわ。
魔法の試練は、魔法士と十勇士。剣術の試練は、剣士と十勇士。勇者の試練は、全員が入れるわ」
「十勇士は、全部に入れるのね」
「十勇士は、魔法や剣を縛られる事が無いからね。まあでも、決まった瞬間、その人の周りに、貴族達が群がって行ってるけどね」
「そ、それはめんどくさいね」
「っと、話がズレたわね。まあ要するに、速く強くなったりするのには、迷宮は最適って訳。あと、最下層とか、分かってないから、腕試しとかにも使えるわね」
「今の所の最高は?」
「魔法は、59層。剣は、64層。勇者は124層だったかしらね」
「お母さん達の最高は?」
「私は55層でやめたわね。お父さんは60層だったかしら」
「パーティー?ソロ?」
「両方ともソロね」
「ソロで記録最高近いって。マジで何者だよ俺の両親…」
「ま、そんな事はどうでも良いわ。何か聞きたいことは?」
「冒険者について」
「冒険者ね。なるためには、『冒険者ギルド』で資格を取らないといけない。そして、月に最低一度、依頼を受けないといけない。成功すれば、大金が手に入る可能性があるが、失敗すれば、最悪死ぬ。そんな職業ね」
「なるほど。それで母さん達は成功したと」
「そう言うことね。で、他に聞きたいことは?」
「ない」
「私もない。あ、あとどれくらい習うことあるの?」
「もう殆どないわ。強いて言えば狩りね」
「狩り?」
「まあ、それは午後に父さんに習えばいいわ。じゃ、今日の授業はここまでね」
「「はーい」」
これでこの序章は終わりです。
次回からは学園編ですね。