大四話 「剣術の才能」
途中から父親視点です。
午前の、魔法の授業が終わり、昼食をとった後、父さんと、木剣で素振りをしていた。
「そういえば紅」
「ん?」
「お前、剣の種類は、何使うんだ?」
「何があんの?」
「片手剣、両手剣、細剣、短剣、双剣、剣じゃねーけど槍、戦鎚、戦斧、とこんなところか」
「ん〜。片手剣かな」
「盾は?」
「動きにくそうだしパス。父さんは何使ってるんだ?」
「俺は両手剣だな」
「どうやって修行すんの」
「基礎ぐらいなら教えてやる」
「わかった」
〜〜〜
「さて、今日から、取り敢えず3日で止まっている相手を横薙ぎで切れるようにするぞ」
「どうやって?」
「こうやってだ」
そう言うと、父さんは、一本の細長い木の棒を地面に立てて置いた。
「これを鉄剣で切ればいい」
「? そんぐらい3日もいらんだろ」
俺は、棒の前に立つと、その棒を横から、切った…と思ったが、
「あれ?どこ行った?」
「剣を見てみろ」
そう言われ、剣を見ると、剣の刃に半分ほど切れた棒がくっついていた。
「は?」
「取り敢えず、そうならないように、しっかりと真っ二つにしろ。お手本ぐらいなら見せてやる」
「わ、分かった」
そう言って、父さんと場所を入れ替える。
父さんが木の棒を置き、
「はあ!」
切ると、棒が切れて…ない。
「ん?父さん。切れて無くない?」
「よく見てみろ」
そう言って、棒の上部分を持って、持ち上げると、丁度真ん中で別れた。
「は、はあ!?どうなってんの!?」
「剣の速度が速過ぎて、棒が動かなかったんだ」
「いや、父さん…何者?」
「ただの引退した冒険者だが?」
「あ、そう」
取り敢えず、剣を速く振れば出来る、と言うことは分かった。なら実行するだけだ。
俺は、木の棒を置き、剣を鞘に入れた状態で前に立ち、構える。
「なんで剣を鞘に入れてんだ?」
「いいから、見とけよ」
そう言い、鞘から剣を抜き、その流れのまま棒を切る。
そうすると、棒が真ん中で切れ、倒れた。
「ありゃ、父さんのようにはいかなかったか。ま、いいや。ほら、出来たぞ、父さん」
「ま、まじか。3日はかかると思ってたんだがな。まさかあんな方法で成功するとは。天才か?」
「そんなもんは知らん。次は?」
「一回、父さんと打ち合って見ないか?」
「お、いいね。やろうよ。あ、手加減してよ?」
「流石に、俺もそこまで鬼じゃない。先手は譲ろう」
「よし。じゃ、やろうか」
〜〜〜
俺と紅は、向かい合い、構える。
「じゃ、いくぜ」
紅がそう言い、剣を鞘に入れながら突っ込んできたと思うと、目の前に木剣の剣先があった。
「おっとと。おい紅。初手から顔面狙ってくんなよ」
「いいだろ別に」
そう言って、紅は、剣を構える。
「じゃ、次はこっちからいくぞ!」
俺は、斜め上部から木剣を振るが、あっさりかわされたが、避けた方向に剣を横薙ぎに振るい、命中させる。
「がはっ!ちょ、飛んだじゃねえか!手加減しろよ!」
「おっと、すまんすまん。だが、こうゆうことになるから、避ける場合は、直ぐに構えろよ」
「はーい」
「じゃ、今日はこれで終わりな。明日も朝、素振りするんだろ?」
「おう」
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