第三話 「異常事態発生」
「さて、今日は、他の属性の作り方と、詠唱の基本だったわね」
母さんから、魔法を教わり始めて、2日目。朝食が終わると、俺たちは、昨日のように魔法を教わっていた。
「まず、他の属性の作り方だけど、単純に、複数の属性の同じ魔法陣を合わせて、作成後の属性を唱えれば、精霊がその属性を記憶してくれるのよ。そうすれば、次からは、直接その属性が使えるって訳。わかった?」
「唱える属性が間違ってた場合は、どうなるの?」
「魔力だけ消費して、失敗よ」
「どうやってその組み合わせえを知るんだ?」
「魔法なしで、その属性と同じような物をどう作るか考えて、その組み合わせで作る。それを繰り返せば、いつかできるわ」
「なるほど。ついでに、お母さんは、どれだけ出来るの?」
「私は、光、氷、風と、熱、雹、水ね。熱は光と氷。雹は氷と風。水は氷と熱ね」
「ん?六大属性って、魔法士なら全員使えるんじゃないの?」
「ああ、そういえば言ってなかったわね。魔法士でも色々いてね。二属性使える『二属性魔法士』。三属性使える『三属性魔法士』。四属性使える『四属性魔法士』。魔法士の中では最大級の『五属性魔法士』。と、まあこんなところね」
「なるほどね」
「六属性全部使える人はいないんだな」
「ん?魔法士の中では、確かにいないけど、使える人はいるわよ?」
「ん?どうゆう事だ?」
「うーん。まあ、これは後でいいわ。それより、続きよ。えーと、詠唱だったわね」
「ああ、そうだな」
「まず、詠唱するには、一番最初に《magic spell》その次に属性。そして、形、どのように実行するかを言って、魔法陣完成。あとは、昨日言ったとおり、魔力をながして、詠唱すればOKよ。とりあえず、やってみましょうか。外に出るわよ」
〜〜〜
「よし、じゃあ、やってみましょうか」
外に出て、近くの平原までくると、お母さんはそう言って、右手を前に突き出した。
「《magic spell》《wind》《cutter》《projection》」
母さんがそう言うと、まず、黄緑色の円が母さんの手のひらの前に描かれ、真ん中に三日月が、に中央に点が出来た。
「はい、これで魔法陣完成。天命を授かって無くても、ここまでは出来るから、やってみて」
「「はい」」
「《magic spell》《wind》《cutter》《projection》」
母さんと同じように唱えると、全く同じ魔法陣が描かれた。
「おお、出来た」
「すごい!お兄ちゃん!よーし、私も。《magic spell》インド《catter》《projection》!」
翠も唱えるが、円すら形成されなかった。
「えー。なんでー?」
「翠、windの部分、インドになってたわよ」
「なにそれ、判定厳しくない?」
「私達が唱えてるのは、精霊語なのよ。だからしっかり発音しないと、精霊が陣を描いてくれないのよ」
「へー、そうなんだ。よし、じゃあ、もう一度。《magic spell》《wind》《cutter》《projection》!」
翠が唱えると、今度は、しっかりと魔法陣が描かれた。
「さて、あとは、その魔法陣に魔力を流して、《windcutter》!と詠唱すれば、こんな風に飛んでいくわ」
母さんが唱えると、魔法陣が光り出し、三日月型の風が、薄っすらと見え、目の前の岩に傷が付いていた。
「「おおー」」
「俺も、ダメ元でやってみよ」
手のひらから、魔法陣に向かって力を込めてみる
「《wind cutter》!」
ヒュッ
「「………」」
「あ、なんか出来た」
「いや、出来たじゃないわよ!なんで出来るの!?」
「いや、そんな事を言われても、出来ちまったとしか…」
「すごい!すごいよ紅兄!」
「おう、ありがとよ」
「はあ〜。取り敢えず、それ、秘密にしときなさいよ」
「ああ、分かってるよ」
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