1
日本国内に3番目に建造された、太平洋に浮かぶ人工の大地の都市、それが第3防疫都市武蔵海原だ。
ボク、一 竜胆は、2つ下の妹凛花と武蔵海原のマンションの一室に二人で暮らしていた。
武蔵海原に限らず、防疫都市には絶対に守らなくてはいけないルールがある。
それは、相手が例え愛する肉親であっても、触手に寄生された女性を見かけたら、検疫兵の詰所に通報することだ。
だけど、ボクはそのルールを1年間破り続けてきた。
ちょうど1年ほど前、自宅マンションの浴室で、妹は触手に寄生された。
ボクはその事実を、検疫兵に通報しなかった。
それは、ボクにとって妹だけが武蔵海原に居る唯一の肉親だからだ。
そして、ボクは両親に何があっても妹を守ると誓って、武蔵海原の学園に留学したからだ。
だから、妹のことを自分の内に秘め、時には妹に身体を差し出した。
妹と触手によって、ボクの身体は開発されていった。
ボクの身体は、同年代の男子とは違う成長をしていった。
声は女子のように高くなり、身長も150cmくらいから伸びず、胸も膨らみ身体は丸みを帯びていった。
妹と触手が、ボクに飲ませる唾液や寄生させる目的の卵が原因だと思う。
だけど、ボクは妹を拒めない。
妹を愛しているから。
例え、妹に寄生する触手に身体を作り替えられても。
△▼△▼△▼△▼△▼△
妹が触手に寄生されてから1年ほど経った今日、ボクも触手に寄生され、身体を少女に作り替えられ、妹と同じ人類の敵"触装少女"になった。