羅刹は世界を裁く。
こんにちは。初めまして。こんばんは。
朝霧千景です。
今回、自分にあった出来事を遠回しに羅刹の女の子にしてみました。
短編小説を練習していきたいです。
少ない言葉で誰かに届くと嬉しいです。
ある国の、小さな村
女の子は産まれました。そして願います。幸せな家族を。楽しい毎日を。
きっと温かいご飯があって、家族に愛されて、ちょっぴり辛いこともあるけど、小さな幸せを拾い集める日々が来るのです。
でも、世界は違いました。
虐待に、部落差別。
彼女は生まれてきただけです。日々の有意義さを求めて。温もりを探して。
「なんでお前は生まれてきんだ!」
「パパとママが私を産んだから……」
親の温もりが分からなかった。
毎日のような酷い暴力。ご飯も食べられず、泥水を飲みます。雨で体を洗って、近所の人に服や食べ物を少し分けてもらいました。
それは幸せでした。でも助けてはくれませんでした。
「部落の子は消えてしまえ!」
「死にたくない……」
人の優しさに触れられなかった。
街へ出かける度に冷たい目で見られ、公共の場。憩いの場と呼ばれるところにも入れてもらえませんでした。それに加えて暴力がありました。
「好きだよ!」
「ありがとう…」
嬉しかったのに。
「お前はもう要らない。だって、こっちの子の方が好きなんだもの。」
愛した人が私を捨てました。それは残酷な方法でした。
捨てた日には、まだ女の子のことを「好きだ」と言っていました。たまに喧嘩をしました。だって、彼が悪かったから。無視をして、八つ当たりをしてきて。彼は謝ってたのにそれを繰り返しました。
その日、まるで人が変わるように、もう嫌い。消えて。邪魔。
新しく好きな人ができた彼は私を捨てました。
痛かったのです。言葉が。暴力が。
ふとした小さな花はすぐに枯れてしまっていました。だってそれは影のところで咲いてしまって、日向を浴びれなかったから。
雨は屋根で拒まれてしまって、恵みがなかったから。
女の子は星に願いを込めました
「この人間に。世に裁きを。」
目が覚めた彼女は美しい姿の羅刹となりました。
羅刹は部落の街にいるというのに、美しいというだけて男共に好かれました。
私を捨てた彼も。私の姿をみて、近寄りました。
愛のない性行為。愛の言葉には愛はこもってなかった。
そんな男達を食い裂きます。
それを人々は「濡れ女」と呼びました。
その国では人は消えました。
血液は、一瞬だけ、羅刹を温めました。
人を殺すのに楽しさを覚えました。
だけど、血液は一瞬で温かみとは違うことを知ります。
涙が零れました。
楽しさを。温かみを。
自分を恨みました。世界を恨んだ羅刹は、仏教によって安らかに眠りました
最後まで読んで下さりありがとうございました。
アドバイス等があれば教えてください。
ではまた次のお話で。